次世代モバイル通信の構成要素は?
5Gの中心はIoT通信、「標準」をどう作るか(2/2 ページ)
- ユーザー機器(UE)の複雑さの軽減
- 電力効率の強化
- 屋内カバレッジの強化
- 膨大な数の低スループットデバイスのサポート
これらの要件を踏まえると、旧バージョンとの互換性はないものの、同じ周波数域で導入されている現在の3GPPシステムと共存できる「まっさらな」通信手続きを設計するねらいがあったことが分かる。目標は、現在の3GPPのRadio Access Networkノードに「ソフトウェアアップグレード」を実行するだけで、新しいIoTテクノロジーを可能な限り多く導入できるようにすることだ。C-IoTはGSM/GPRSテクノロジー(低価格でカバレッジが広いことから、現在多くの国で主要なM2Mテクノロジーとなっている)に、そしてNB-IoTはLTEテクノロジーに特化している。
従ってC-IoTは、200kHzのチャネル化を使用し、設計理念を大幅に再利用することで、既存のGSM/GPRSシステムとラジオリソースを共有するよう設計されている。
200kHzの半二重接続は、単一のRFチェーンを必要に応じて簡単に統合できる「ワンチップソリューション」を実現する。C-IoTは、この接続を採用するに当たっての複雑さを軽減する。またC-IoTは、ブラインド反復を使用したり、制御チャネルで変更を使用したりするGSMと比べて、MCL(Maximum Coupling Loss、所要最小減衰量)が最大20デシベル向上する。
一方NB-IoTは、以下の3種類の導入を想定してLTE eNodeBに統合されるよう設計されている。
- インバンド。eNB通信に通常使用されるリソースブロックの一部として統合される
- ガードバンド。最後に使用された物理リソースブロック(PRB)とチャネライゼーションの末端の間の180kHzの未使用周波数域を使用する
- 割り当てられた帯域内のスタンドアロンシステム。ネットワーク事業者が以前所有していたGSM/GPRSシステムからリファームされているチャネルなど
初期LTEはモバイルブロードバンド用に設計されていたため、IoTサービスの厳しい要件を満たすためにはLTE物理層を大きく変更しなければならない。NB-IoTは、「UE(ユーザー機器)カテゴリNB1」と呼ばれるこれらの通信デバイスがRF部品などのワンチップソリューションになれるよう、単一のPRB(180kHzなど)で動作する。だが、LTEは少なくとも1.4MHzの帯域幅があるUE用に設計されているため、1スロット当たり6PRBを受け取り、処理することができる。従って、単一のPRBを完全に操作するには、データチャネルや制御チャネルなど、物理層の多くの側面の設計を根本的に見直す必要がある。これらの物理チャネルは単一のPRBに含まれている必要があるため、幾つかのサブフレームに徐々に広がる必要がある。事実、NB-IoTのプロビジョニングのために、総計8個の新しいチャネルと参照信号が定義されている。
従って、以前のLTE制御情報は使用されない。そして、帯域内に導入される新しいLTE NB-IoTは現在のeNBラジオリソースを使用する並列のRATと見なすことができる。メリットは、同じハードウェア、そしてもちろん同じRF部品とアンテナを再利用できることであり、これらはソフトウェアでアップグレードすることが可能だ。
UEカテゴリNB1は、UEカテゴリM1やFDD用の全二重通信など、他のどのUEカテゴリよりもずっと低い帯域幅のユースケース(180 kHzなど、単一のPRB)をベースにしている。 従って、単一のチップ(23デシベルミリ秒のプロビジョニングに必要なフルRFパワーアンプなど)における複雑さが多く軽減されるが、データ転送速度は遅くなる。
IoT-UEとサービスプロバイダープラットフォーム間でIoT通信のプロビジョニングを行う3GPPシステムを拡張するために、アーキテクチャに変更が行われている。目的は、現在の3GPPシステムを新しいIoT要件(少量パケット転送を少ない回数で実行して電力消費を抑える)に適合させることが1つ、そして加入者管理、セキュリティ、コントロールプレーンデバイスのトリガーなどとして新しいサービスを含めることがもう1つだ。これはRelease 14まで続く。
「全てのモノ」が接続されるシステムを、これから接続していくためのフレームワーク。それを作り上げるのが「標準」といえるだろう。
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