2017年には一般利用も
レジなし店舗「Amazon Go」が採用、小売業を根本から変える“すごい技術”(1/2 ページ)
IoTと人工知能(AI)を活用し、レジのいらない店舗を実現した「Amazon Go」。古い仕組みに凝り固まった既存の小売業を打倒するものになるのだろうか。
Amazonは2016年12月中旬に「Amazon Go」を発表した。同社はこの製品で、古く凝り固まった小売りの現状に変革をもたらす狙いだ。公式の発表は複数のチャネルを通じて行われ、スタイリッシュな食料品店に買い物客が入っていく完成度の高いYouTubeの動画も公開されている。
Amazon Goの概念の中核にあるのは、物理的なレジシステムの消滅だ。買い物客は入店時にチェックインして、いつも通りに買い物をすることになる。Amazonによれば、店内の買い物客と商品の追跡には、コンピュータビジョン、機械学習、人工知能(AI)を組み合わせて使用しているという。
Amazon Goを支える技術
買い物客が商品を手に取ると、店内にずらりと並んだセンサーとバックエンドの分析処理によって最終的な支払額が集計され、買い物客はそのまま店を出ることができる。当然ながら、支払額は買い物客のAmazonアカウントから差し引かれる。
Amazonはこれを“ジャストウォークアウトテクノロジー”と呼んでいる。第一報では、同社が米国シアトルに保有するビルの中に約50坪のテスト店舗を実際に作ったと報じられている。現在はAmazonの社員のみが利用可能だが、2017年の早い段階で一般にも利用できるようになる可能性を同社は示唆している。
店舗という観点で見れば、Amazon Goの規模はつつましい。米国に存在する3万8000件のスーパーマーケットの大半は1400坪を超える敷地面積を持っている。これはAmazon Goの店舗面積の25倍以上に相当する。
これは野心的なプロジェクトだが、特異な部分はどこにもない。注目すべきは、システムを統合している点だ。市場の小売り分野が、高度な屋内センサー(AIS)を最も早くから導入していた分野であることは間違いない。
なお、AISは、ユーザーが主体となって建物とやりとりできるようになるテクノロジーのツールボックスである。詳細については、Lux Researchのレポート『Advanced Indoor Sensing: The Next Frontier of the Built Environment(高度な屋内センサー:構築環境における次のフロンティア)』を参照されたい。これは、人の追跡からメッセージの送信や屋内の位置追跡など多岐にわたる。
Aisle 411やPoint Insideのような小売りに焦点を当てたスタートアップ企業は、WalgreensやToys “R” Usといった数千の小売企業のデジタル化を支援している。これらの企業は、ビーコン、電子マップ、センサーフュージョンを組み合わせて、店舗内で買い物客を案内し、最終的に“カゴに入る商品の量”を増やせるようにしている。
さらに、WalgreensはGoogleの「Tango」を利用して、店舗内で拡張現実(AR)の機能を使用できるようにしている。その結果、不気味なほど正確に買い物客を特定の商品まで案内して、製品情報を表示している。LowesもARの機能を用いている。同社の“ホロルーム”では、自宅に家具を配置した様子を確認することができる。
Amazonは上述の全テクノロジーだけでなく、他のテクノロジーも使用するだろう。ただし、中でも特に重要性の高い鍵となる技術的な要素が幾つか存在する。
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