二者択一の選択ではない
「いざデスクトップ仮想化」、VDIとDaaSのどちらを選ぶか“5つの判断基準”(1/2 ページ)
VDIとDaaSのどちらを選ぶかは重大な決断だ。多くの企業にとっては、管理のしやすさ、制御レベル、パフォーマンスニーズ、セキュリティ、コストが重要となる。
VDI(仮想デスクトップインフラ)とDaaS(Desktops as a Service)のどちらを選ぶのが得策かは状況によって異なる。重要なのは、VDIとDaaSのそれぞれについて適切な利用場面を理解しておくことだ。
VDIを使えば、デスクトップとアプリケーションを中央で一元的に管理し、セキュリティ対策を一括で施せる。一方、クラウドベースのDaaSはVDIよりも導入が容易で、コスト削減効果も高い。
VDIかDaaSかの判断は非常に簡単な場合もある。例えば資本が限られ、リモートユーザーが少数しかいないスタートアップ企業であれば、少なくとも短期的にはDaaSを選んだ方がメリットは多い。だが多くの企業にとって、VDIかDaaSかの判断はそこまで単純明快ではない。本稿では管理、制御、セキュリティ、パフォーマンス、コストという5つの重要な観点から、この2つのデスクトップ仮想化技術を比較する。
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管理
何かしら新しい技術の導入を検討する際、IT管理者はその技術の導入や保守、サポートの方法を考えなければならない。この点においてはDaaSの圧勝だ。実際、導入と管理が容易であることはDaaSの最も大きなセールスポイントの1つだ。
VDIは本質的にDaaSよりも複雑だ。社内でテクノロジースタックを全て構築し、稼働させ続けなければならないからだ。IT管理者がやらなければならないことは、デスクトップイメージの管理やストレージインフラのプロビジョニングから、負荷分散やディザスタリカバリーの実施まで多岐にわたる。DaaSであれば、必要なインフラは全てベンダーが構築済みだ。
DaaSの場合、インフラはベンダーが管理する。デスクトップやアプリケーション、クライアント端末はIT管理者が管理する必要があるが、それでもDaaSの方が管理ははるかにシンプルだ。さらにDaaSはVDIほど社内に専門知識を必要としないので、IT担当者は他のプロジェクトに時間を使うことができる。
とはいえ、DaaSはVDIほど実績のある技術ではない。そのためレイテンシやアプリケーションの互換性などに関連して、思いがけない問題が発生する可能性がある。
制御
制御とカスタマイズに関してはVDIが優勢だ。DaaSの場合、他のクラウドサービスと同様、インフラの実装方法やアップデートとパッチの適用時期、サポートする機能とアプリケーション、デスクトップとデータのセキュリティ対策などはクラウドサービスベンダーが決める。VDIの方が手間は掛かるかもしれないが、IT管理者が全てを管理できる。
DaaSには、デスクトップを簡単にスケーリングできるというメリットがある。デスクトップの数だけでなく、各デスクトップがアクセスできるリソースのレベルもある程度までは管理することが可能だ。VDIの場合、IT管理者は長期的なニーズや状況の変化を事前に予測し、予測が外れた場合にはパフォーマンスの問題も含め、その結果生じるさまざまな問題に対処しなければならない。
一方で、DaaSはインストールできるアプリケーションの種類に制限がある。MicrosoftのサーバOS「Windows Server」をベースとしたサービスであればなおさらだ。自社専用のデスクトップアプリケーションを導入するのは、VDIの方が容易だ。さらにVDIはDaaSよりも多くの機能をサポートする。
セキュリティ
データのセキュリティを確保する上では、社内でどこまで管理できるかが極めて重要となる。VDIであれば、データ保護や規制コンプライアンスに関する問題への対処方法をIT管理者が導入時に判断できる。
ただし、DaaSが常にセキュリティ上のリスクとなるわけではない。実際、IT部門が社内で構築するより優れたセキュリティを提供するベンダーも存在する。ただしVDIを使えば、IT管理者はデータの保護方法を正確に把握し、問題が発生した場合には直ちに対応できる。
クラウドサービスの場合、IT管理者はベンダーがサービスレベル契約(SLA)を順守し、問題発生時に速やかに対処してくれることを信頼するしかない。IT管理者は、誰がデータにアクセスできるかを制御できず、流れているデータと保存されているデータが完全に保護されているかを確認することもできない。ベンダーが廃業すれば、全てがリスクにさらされることになりかねない。
それでもクラウドベンダーは、顧客のデータをしっかり保護しようとするはずだ。データの漏えいはいかなる場合であれ、顧客を維持し獲得するチャンスを損なうことになるからだ。
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