SDxのおかげ?
ベンダーロックインでOK、ハイパーコンバージドを選ぶユーザーの本音は?
コンバージドインフラやハイパーコンバージドインフラは多くの場合、1社のベンダーによって構築される。それに伴うベンダーロックインへの懸念はどの程度あるのだろうか。
コンバージドインフラの利用者はベンダーロックインを受け入れており、すぐに使えるターンキー製品や高度に自動化されたインフラストラクチャのおかげもあって、実際、大半のユーザー企業はベンダーロックインに悩まされていない――。
調査会社451 Researchは最近公開した調査報告書「Voice of the Enterprise: Servers and Converged Infrastructure(企業の声:サーバとコンバージドインフラストラクチャ)」において、そう指摘する。
451 ResearchでITインフラの調査マネジャーを務めるクリスチャン・ペリー氏によれば、ベンダーロックインの回避はここ3~5年間で盛んに叫ばれているテーマだ。だが今回の調査によると、ユーザー企業はベンダーロックインをそれほど懸念していないようだ。製品が問題なく動作している場合は、特にその傾向が強い。
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オザークス大学はこれまで、Cisco Systemsのブレードサーバ「Cisco Unified Computing System」(Cisco UCS)とEMCのユニファイドストレージ「EMC VNX 5300」を使用してきた。当然ながら、ベンダーロックインの回避につながる構成だ。現在、同大学の環境の98%は、EMCがVMwareと共同開発したハイパーコンバージドインフラ製品「VxRail」で稼働している。「それでもベンダーロックインに対する懸念はない」と同大学のシステムセキュリティ管理者を務めるフランキー・ヤングブラッド氏は語る。
「サポート窓口を一本化できるのは大きなセールスポイントだった。今のところ、サポート窓口を利用する必要はまだないが」と同氏。
以前であれば、VNXに問題が生じて、ファイバーチャネルのホストバスアダプターが正しく機能しないといったような場合は、EMCに電話をかけ、Ciscoとも連絡をとる必要があった。
「ハイパーバイザーの問題かもしれないので、VMwareにも電話しなければならなかった」とヤングブラッド氏は語る。
その結果、ベンダー3社がそろって問題解決に当たり、互いに問題の原因をなすり付け合うことも少なくなかったという。
ユーザー企業がベンダーのサポートに頼らずに済んでいる場合には、1社のベンダーにロックインされていることへの懸念は薄れやすいようだ。ペリー氏によれば、451 Researchの調査では例えばハイパーコンバージドベンダーのNutanixがベンダー満足度で高いスコアを記録している。Nutanixの顧客の多くは同社の製品を「何種類も購入」しているという。
ソフトウェア定義技術がベンダーロックインへの懸念を軽減
ペリー氏によれば、ベンダーロックインに対する懸念の軽減には、インフラのソフトウェア定義化も一役買っているという。さらに同氏は、多くのプラットフォームがVMwareかMicrosoftのいずれかのハイパーバイザーで動作していることの影響を指摘する。
「基盤となっているのは依然として業界標準の技術だ。懸念が生じるのは、プロプライエタリなソフトウェアにロックインされた場合だろう」とペリー氏は語る。
同氏によれば、大半の企業は1社のベンダーから購入したサーバで環境の80~90%を稼働させている。だがサーバは高度に標準化されているので、IT担当者はこうした状況を気にしないのだという。
食料支援団体City Harvestのデータセンターは全てCiscoのハードウェアを使用している。だがITディレクターのジェームズ・サフォノフ氏はこの状況を気にしていない。これまで常にCiscoのネットワーク製品とファイアウォールを使用してきたというCity Harvestは、2016年にCiscoの新しいハイパーコンバージド製品「Cisco HyperFlex」を購入した。
「多くの面でサポート窓口を統合できて、非常に満足している」とサフォノフ氏は語る。
City Harvestでは最近、VDI(仮想デスクトップインフラ)ユーザー向けのPCoIP(PC-over-IP)接続で、Windows搭載クライアントPCを表示できないという問題が発生した。サフォノフ氏はCiscoのサポートチケットを利用してトラブルシューティングに当たり、ファイアウォールかCiscoのスイッチかHyperFlexのいずれかに問題があると判断した。
サポートの電話には、Ciscoから、関連する全ての担当者が加わった。問題は結局Trend Microのソフトウェアベースのファイアウォールにあることが分かり、ファイアウォールを無効にしたところ、PCoIPの問題は解決した。
サフォノフ氏はHyperFlexの購入を決める前に、複数の選択肢を検討したという。ハイパーコンバージドベンダーから3件の見積もりをもらった他、オールフラッシュアレイなど従来型のアーキテクチャについても3件の見積もりを取った。サフォノフ氏にとって最大の関心事は価格だったが、複数ベンダーのサーバやストレージやネットワーク製品を管理することへの不安も感じたという。
「その場合、トラブルシューティングを複数のベンダーに頼らなければならないからだ」とサフォノフ氏は語る。
ペリー氏は、ベンダーロックインの問題はこの先いつまでも表面化しないとは限らないとの考えだ。今後サーバと管理ツールが徐々にプロプライエタリな方向へと進めば、今の状況は変わる可能性がある。
ペリー氏によれば、オープンなAPIは増えつつあるが、この先ベンダーロックインに対するユーザーの懸念を払拭していくにはまだ十分な数ではないという。
「ベンダーは自社ソリューションのオープン性を高めるべく、オープンAPIの策定に注力することになるだろう」とペリー氏は語る。
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