2015年05月07日 12時00分 UPDATE
特集/連載

どちらがVDI基盤によりふさわしいのか今さら聞けない「コンバージドインフラ」と「“ハイパー”コンバージドインフラ」の違い

コンバージド(垂直統合型)インフラとハイパーコンバージドインフラによって従来のデータセンターのサイロを縮小することができる。だが、そのやり方はインフラによって若干異なり、カスタマイズのしやすさにも差がある。

[Eddie Lockhart,TechTarget]
photo 米EMCが2015年2月に発表したハイパーコンバージドインフラ「VSPEX BLUE」《クリックで拡大》

 コンバージド(垂直統合型)インフラとハイパーコンバージドインフラは、簡単に導入して複雑なワークロードを実行できるように作られている。そのため、「VDI(デスクトップ仮想インフラ)」と「デスクトップPCの仮想化」の基盤として利用することができる。

 コンバージドインフラは、コンピューティングやストレージ、ネットワーク、サーバ仮想化というデータセンターの主要な4つのコンポーネントを1つの筺体にまとめている。一方、ハイパーコンバージドインフラは、ソフトウェアを使用して、さらに多くのコンポーネント間の統合を強化している。

具体的な違いを説明できますか?

 コンバージドインフラとハイパーコンバージドインフラのどちらでも、全てのコンポーネントには相互運用性があり、企業がVDIを導入する上で非常に重要な必須のストレージとネットワークを供給できる。これは複雑なVDIの導入を簡略化する一助となり、デスクトップの仮想化を考えている企業に喜ばれる。

 この2つのテクノロジーは便利で革新的である。だが、何を行うためのもので、どのように異なるのかなど複数の疑問も浮かぶ。本稿では、この2つのテクノロジーに関する混乱を解消したい。コンバージドインフラとハイパーコンバージドインフラの機能をより分けて2つテクノロジーの違いを明らかにし、それぞれがデスクトップ仮想化の管理に重要な理由を特定する。

コンバージドインフラとは

 コンバージドインフラは、コンピューティングやストレージ、ネットワーク、サーバ仮想化を1つの筺体にまとめている。この筺体で上記のコンポーネントを一元管理できる。構成や購入元のベンダーによっては、VDIを管理できる場合もある。

 コンバージドインフラにバンドルされているハードウェアは、コンバージドインフラを購入する目的のあらゆるワークロードを実行できるよう事前に設計されている。例えば、VDI、データベース、特定のアプリケーションをサポートするなどの目的があるだろう。だが、残念ながら購入後に設定を変更する柔軟性はあまりない。

 VDI環境の構築方法に関係なく、構築後に環境をスケールアップすると、高いコストと時間がかかることに留意されたい。個別にコンポーネントを追加すると複雑さが増し、コンバージドインフラのメリットの多くが失われる。さらに、社内インフラにデスクトップPCと容量を追加すると高額なコストが掛かる。そのため、VDI導入では適切な計画が重要になる。

 一方、コンバージドインフラにバンドルされているコンポーネントは独立させることも可能だ。例えば、コンバージドインフラのバンドルとして購入したサーバは、一緒に購入した他のインフラコンポーネントが無くても問題なく機能する。

ハイパーコンバージドインフラとは

 コンバージドインフラと「Software-Defined Data Center(SDDC)」の発想から生まれたハイパーコンバージドインフラは、より多くのコンポーネントを1つの筺体にまとめている。ハイパーコンバージドインフラには、コンバージドインフラと同じ4つのコンポーネントだけでなく、追加のコンポーネントが含まれていることが多い。

 例えば、バックアップソフトウェアやスナップショット機能、データの重複排除、インライン圧縮、WAN最適化などだ。コンバージドインフラは主にハードウェアを重視しているが、SDDCはハードウェアに依存していないことが多いため、ハイパーコンバージドインフラは、これらの2つの側面を組み合わせているといえる。

 ハイパーコンバージドインフラも1つのベンダーでサポートされており、共通のツールセットを使用して全体を単体のシステムとして管理できる。インフラを拡大するには、必要に応じてストレージなどのリソースの筐体をベースユニットに追加するだけでよい。

 ハイパーコンバージドインフラはソフトウェアで定義されている。つまり、インフラの制御は理論的に物理ハードウェアから分離している。そのため、コンポーネント間の統合はコンバージドインフラよりもはるかに強固で、コンポーネントが正しく機能するためには共存していなければならない。この特性により、ハイパーコンバージドインフラは、コンバージドインフラよりも多くのワークロードを処理するのに適している。ハイパーコンバージドインフラでは、ソフトウェアレベルでインフラの定義や構成方法を変更することが可能である。そのため、コンバージドインフラにバンドルされているコンポーネントではサポートできない特殊なアプリケーションやワークロードで機能するように操作できる。

 ハイパーコンバージドインフラは、高額な追加コストを掛けずに迅速にスケールアップできることから、特にVDIで効果が高い。だが、従来のVDI設定では、そうは行かない。従来のVDI設定では、企業はスケールアップで必要になることが見込まれる以上のリソースを購入するか、仮想デスクトップPCが割り当てられた領域とネットワークを使い切るのを待ってからインフラを追加するかのいずれかの対応が必要だった。

 どちらの状況も解決には高額なコストと時間がかかる。だが、ハイパーコンバージドインフラでは、追加のストレージが必要になった場合は、スタックにストレージを加えるだけでよい。社内インフラ全体の再評価と再設定を行うのではなく、もう1つ筐体を購入するだけでスケールアップできる。

 また、物理PCから仮想デスクトップに切り替えるときには、ノートPCやデスクトップPCが行っていた全ての処理を行うものが必要になる。多くの場合、ハイパーコンバージドインフラには、大容量のフラッシュストレージが搭載されている。フラッシュストレージは、仮想化デスクトップのパフォーマンスにプラスに働くため、この問題解決に役立つ。また、ハイパーコンバージドインフラでは、I/Oが改善し、ブートストームの影響が軽減される。それから、ユーザーに気付かれることなく、バックグラウンドでウイルスやその他のスキャンを実行することも可能だ。

 ハイパーコンバージドインフラでは必要に応じてコンピューティングやストレージを追加できる。この柔軟性から、コンバージドインフラよりも、拡張性が高く経済的だ。どちらのテクノロジーも高額な初期コストはかかるが、長い目で見るとよい結果をもたらすだろう。

この記事を読んだ人にお薦めのホワイトペーパー

この記事を読んだ人にお薦めの関連記事

Loading

注目テーマ

ITmedia マーケティング新着記事

news099.jpg

サイバー・バズ、インターネット向けCM動画制作サービスをギークスと共同開発
サイバーエージェントの連結子会社サイバー・バズは、動画事業を展開するギークスと共同...

news077.jpg

ピツニーボウズジャパンとLOCUS、対話式パーソナライズド動画ソリューションで協業
ピツニーボウズジャパンとLOCUSは、対話式パーソナライズド動画ソリューションの提供にお...

news071.jpg

Tポイント購買データとテレビ視聴データを活用した分析サービス、CCCマーケティングが提供
CCCマーケティングは、企業が自社のマーケティングにTポイント会員6000万人の生活者デー...