事例で分かる、中堅・中小企業のセキュリティ対策【第8回】
従業員がうっかり「不正アプリ」をダウンロード、どう防げばいい?(3/3 ページ)
不正アプリのダウンロードを防ぐには
攻撃者はあの手この手を駆使して、スマホに不正アプリをダウンロードさせようと試みます。これらの脅威には以下のような対策が有効です。
MDM(モバイルデバイス管理)を導入する
ビジネスで大量のスマホを使う場合、MDM(モバイルデバイス管理)の導入を強くお勧めします。MDMは、従業員に支給するスマホを一元管理し、会社としての運用ルール(セキュリティポリシーなど)を統一したり、不要なアプリケーションの導入を禁止したりする機能を有している、統合的なスマートデバイス管理ツールです。例えば以下のような機能を備えています。
- ハードウェアの識別(UDID)管理
- 誰にどのハードウェアIDを持ったスマホを支給しているのかを、一元的に管理するための機能。クライアントPCでいう「資産管理」のようなもの
- OSやバージョンの統一・管理
- Androidや「iOS」のバージョン情報を一元管理する機能。古くなったバージョンの最新版へのアップグレードやデバイス間のOSバージョン統一に利用
- スマホ機能の制限
- アプリやカメラ機能の利用制限、インストールできるアプリの制限などを実現する機能
- リモート制御
- スマホを万が一紛失したときの遠隔ロックやデータの遠隔消去など。盗難や紛失時の情報漏えいを防げる
ウイルス対策ソフトの導入
クライアントPCにウイルス対策ソフトをインストールするのと同様に、スマホへもウイルス対策ソフトを導入するのがベストです。特にスマホの場合、ウイルスやスパイウェアなどのマルウェア侵入経路の多くは不正アプリのダウンロードが原因です。「スマホでWebサイトを閲覧していたら突然ウイルス感染した」という話もありますが、その場合はアプリのダウンロードを気付かずに許可していることがほとんどです(これはAndroidで発生する現象です。iOSは基本的には、公式アプリストア「App Store」以外からのアプリのダウンロードができません。セキュリティの観点では今のところ、iOSに軍配が上がります)。
最近では既知のマルウェアだけではなく、未知のマルウェアの活動を分析、検出する高度なセキュリティ機能を保有したモバイルセキュリティ対策システムも登場しています。管理しているスマホへの攻撃実態を可視化したり、危険性が高いアプリのダウンロードを検出したりするような製品も登場しています。
攻撃者は攻撃の対象を広げ、スマホも狙っています。セキュリティ対策も日々進化しています。特にスマホをビジネスで利用する場合は、常に最新のセキュリティ情報をチェックすることを忘れないようにしましょう。
まとめ:セキュリティ担当者は、こんなふうに上司を説得しよう
- ビジネススピードを速めるために、スマホの活用は必須の時代へ。セキュリティの観点からビジネスで利用する場合は会社でスマホ支給を検討しよう
- 攻撃者はあらゆる手段を使ってスマホに不正アプリをダウンロードさせようと試みる。セキュリティ対策を強化する場合は、スマホアプリのインストール制御が重要になる
- 企業としてスマホをビジネス利用する場合、モバイルデバイス管理とモバイルデバイスセキュリティは最低限必要なツールとして導入を検討しよう
那須慎二(なす・しんじ)
大手情報機器メーカーを経て船井総合研究所に入社。ネットワークセキュリティの安全対策と解決策に詳しい。「日本一分かりやすいセキュリティ」をモットーに、中小企業を対象にしたサイバーセキュリティ問題や、対策に関する啓発活動を実施。実際に、全国の地域各社で年間100回以上開催する講演は「今まで聞いた中で一番分かりやすい!」と好評を得ている。著書「小さな会社のIT担当者のためのセキュリティの常識」(ソシム)がある。
参考リンク
「小さな会社のIT担当者のためのセキュリティの常識」(Amazon.co.jp)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
事例で分かる、中堅・中小企業のセキュリティ対策
情報セキュリティ対策をしたくても、ITに詳しい人が社内外にいなくて困っている中堅・中小企業は多いのではないでしょうか。「知識不足」と「ヒト、モノ、カネ不足」の問題が目の前にあっても、対策は待ったなしの状況。予算を握る上司を説得するために、サイバー攻撃の事例を紹介しながら、その効果的な対策につながる情報セキュリティ製品を分かりやすく解説します。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
4
「何も変更していないのにWebサイトがクラッシュ」 そのときの原因は?
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
「何から始めればいい?」 情報漏えい対策で悲鳴を上げる中小企業のリアル
-
7
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
8
肥大化した「SFA」の沼 4カ月でBigQuery×AppSheetの新システムを構築した方法
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
個人の業務効率化で終わる企業の盲点 AIで成果を出す「上位6%」の手法
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー