主要製品選定ガイド
注目の「Slack」「Microsoft Teams」 コラボツールを選ぶ際のポイントは?
コラボレーションニーズの拡大に伴い選択肢も増えてきた。自分たちの組織にあったエンタープライズコラボレーションツールの選定で考慮すべき機能とは。
チームで仕事をするときの共同作業効率向上に対応するため、ITを活用する従業員が増えている。従業員が同じ会社内の別の場所にいることも多くなり、そうしたユーザー間の交流や情報交換を促進するツールへの需要が高まっている。
オンラインとオフラインの会議を支援するソーシャルメディアのようなプラットフォームに加え、会社のデータやオンラインサービスとの統合も必要だ。これが新しいエンタープライズコラボレーションツールに対する需要につながった。
現在、この市場でユーザーの多い2大ソリューションが「Slack」と「Microsoft Teams」だ。ここ数カ月の間に、Cisco Systems(以下、Cisco)もSlackに似た独自のコラボレーションプラットフォーム「Cisco Spark」を発表した。これは「WebEx」や「GoToMeeting」といった従来のような機能を越えたエンタープライズコラボレーションツールに対する需要の高まりを示している。音声やビデオ会議を使いながら、同時に会社のデータや外部のクラウドと連携できるコラボレーションの必要性は、これまでの単純な会議ツールからコラボレーションプラットフォームへの切り替えを促進している。
そうした新しいソーシャルエンタープライズコラボレーションツールに関心を持つユーザーの増加に伴い、Ciscoのようにこの市場に参入するベンダーも増えている。それに対応してIT部門はコラボレーション戦略を見直し、現在のツールでユーザーのニーズを支えられるのか、新しいツールを採用する必要があるのかを判断する必要がある。ITの意思決定者がプラットフォームを選定するためには、その組織のさまざまなニーズに目を向けて、特定のツールで実際に対応できるのか見極める必要がある。
選定のプロセスでIT部門が検討すべき項目を以下に挙げる。
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Slackが変わる 何が変わった?
クロスプラットフォームのサポートとモバイルニーズ
多くのユーザーは複数のデバイスから会社のデータにアクセスする。従って、コラボレーションプラットフォームがモバイルデバイスやさまざまなプラットフォームで利用できることは必須だ。チームメンバーはいつ、どこからでも、自分が選んだあらゆる端末から情報にアクセスできることを望むだろう。ユーザーが至急情報を更新し、自分のモバイルデバイスからチームに連絡する必要が生じた場合、アプリを開いて新規に投稿したり、過去の投稿に返信したりすることも簡単にできなければならない。
IT部門はSlack、Microsoft、Ciscoなどが提供するそれぞれのツールについて、モバイルデバイスにおける使い勝手を比較する必要がある。
直感的に利用できる使いやすいツール
IT部門が新しいソフトウェアソリューションを打ち出すに当たって、ツールの導入が成功するか否かはエンドユーザーのフィードバックで決まる。IT部門は、評価対象のツールをまず少数のビジネスユーザーとチームに使ってもらい、全面導入に踏み切る前にある程度の感触を得る必要がある。
Microsoft TeamsとSlackは、いずれもチャットウィンドウから直接ビデオや音声チャットを開始して他のユーザーを招待できるという点で、直感的なエンタープライズコラボレーションツールの好例といえる。
ストレージ規模に応じたデータ容量
ITが検討すべき重要項目の1つがストレージだ。多くのユーザーはそのプラットフォームを使って自分たちのコンテンツの大半を保存する。そのプラットフォームを使うユーザーが増えるほど、時間の経過に伴ってコンテンツが蓄積し、容量の上限に達してユーザーがストレージの容量不足に直面するかもしれない。
ここで取り上げているツールが現時点で提供しているユーザー1人当たりのストレージ容量は、Ciscoが最大で5GB、Slackは20GBだ。Microsoft Teamsは柔軟性が高く、一部のストレージにSharePointやOneDriveが利用できる。容量は1TBからだ。Microsoftは既存のストレージプラットフォームを利用してエンドユーザーのストレージ容量需要に対応しているという点で、他社と一線を画す。
サードパーティーアプリとの連携
Slackのユーザーフレンドリーな特徴として、相当数のコネクターを提供して外部のコンテンツを取り込み、会話の一部にできる機能がある。これはFacebookのようなソーシャルメディアサイトで、ユーザーがスポーツやゲームのスコアを自分のプロフィルに取り込める機能に似ている。
Slackのツールでは、同プラットフォームの外から来た他のデータ要素をユーザーが参照できる。同じようなインテグレーション機能はMicrosoft Teamsでも導入できる。なおCiscoのSparkツールではまだ初期の段階にある。ユーザーが普段使っているシステムと簡単に連携できるプラットフォームを求める中で、ベンダーにとって、こうしたツールが差別化の鍵を握ることもある。
企業内コンテンツ検索機能
さまざまなエンタープライズコラボレーションツールを評価する上で、重要な分野の1つが検索機能だ。
Slackが最近導入した「Slack Enterprise Grid」の機能では、大規模組織がSlackを使って複数部門を横断する検索やコミュニケーションをできる。これは、この種の機能が必須であり、多くのエンタープライズユーザーが求めていることを示唆している。
Microsoftにとってこれは新しい分野ではない。M主力エンタープライズコンテンツ管理プラットフォームの「SharePoint」を、「Teams」ソリューションに統合した経験があるからだ。
自動化とAI
この分野でも人工知能(AI)に対する関心が高まっている。SlackやMicrosoftも、コラボレーションプラットフォーム内にボットは登場して、さまざまなチャットリクエストに応えたり、まるで実在の顧客サービス担当者のように職務をこなしたりできる仮想のチームメンバーを提供する。
これは企業にとって、手作業で行っていたさまざまなプロセスの自動化を支援するボット構築の機会にもなる。一例として、チーム会議の間に顧客サービス担当者がチャットウィンドウ経由で提出した注文を処理できるボットが挙げられる。
投資利益率
IT部門が利用できる各種のエンタープライズコラボレーションツールを評価する中で、ソリューションのコストも意思決定プロセスを左右する大きな要因になり得る。
この段階で、既にOffice 365を利用しているユーザー企業は、Microsoft Teamsで追加コストが発生しないと単純に判断するだろう。
SlackとCiscoは無料ライセンスを機能限定で提供している。これは小規模のユーザー企業にとってメリットかもしれない。有料サブスクリプションはユーザー1人当たり月額12~12.50ドルになる。
現代のチームメンバーは、一元管理のコミュニケーションや、ユーザー間の形式を問わない、流れるような交流を通じてコラボレーションプラットフォームがもたらす価値を認識している。ニーズを正確に把握し、どのエンタープライズコラボレーションツールが組織に適しているかを分析すれば、IT部門は管理とサポートの責任を負うことができる。
こうした改革に着手する中で、IT部門の課題におけるデータセキュリティの不安は依然として優先度が高い。だが、こうしたツールの大部分はクラウドをベースとしていることから、IT部門には少なくとも「インフラの変更は不要」という安心感はある。
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