ワークロードと予算に合わせて
AWS、Azure、Google 主要クラウドで適切なインスタンスを選ぶ5つのポイント(1/2 ページ)
パブリッククラウドにはさまざまなインスタンスがあり、どれを選ぶかはときに難しい判断となる。自社のワークロードにとって、最もコスト効率の高いインスタンスタイプを判断するための5つのポイントを紹介する。
パブリッククラウドでは、インスタンス選びがアプリケーションのパフォーマンスやコストを左右する。導入前に自社のワークロードを検証し、適切なインスタンスタイプとサイズを選択する必要がある。
パブリッククラウドにはさまざまなタイプのインスタンスがあり、どれを選ぶかはときに難しい判断となる。Amazon Web Services(Amazon)の「Amazon Web Services」(AWS)、Microsoftの「Microsoft Azure」(Azure)、Googleの「Google Cloud Platform」(GCP)など、大手クラウドはそれぞれ仕様やコストが異なる多様なインスタンスタイプを提供している。
クラウドインスタンスは汎用的なものばかりではない。そのため企業は自社のワークロードと予算を検討し、最適なインスタンスタイプとサイズを見極める必要がある。場合によっては、パフォーマンスとコストを最適化するためにカスタムインスタンスが必要となることもある。
自社のワークロードにとって最もコスト効率の高い最適なインスタンスタイプを判断するための5つのポイントを紹介する。
併せて読みたいお薦めの記事
クラウドのインスタンスについての解説
GPUインスタンスとは
クラウド“ビッグ3”比較
1.適切なサイジング
ワークロードは静的なものばかりではない。そのためIT管理者はクラウドインスタンスを定期的に見直し、サイズ変更のタイミングを見極める必要がある。インスタンスが小さすぎる場合の兆候には次のようなものがある。「実行時間が長い」「処理の急増に対応できない」「インスタンスを増やさなければワークロードを処理できない」の3つだ。クラウド使用状況レポートを確認すれば、メモリや仮想CPUコアなど、インスタンスがどのリソースを必要としているかが分かる。新しいインスタンスサイズをライブまたはサンドボックス環境でテストし、適切なサイズかどうかを判断する。
コスト削減という点では、インスタンスサイズを大きくした方が効果的な場合がある。インスタンス総数を減らせるからだ。適切なサイズのインスタンスを選べば、ボトルネックを回避し、実行時間を改善できる。ただしバースト性のワークロードには別のアプローチが必要だ。ベースラインのワークロードには「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)の「リザーブドインスタンス」など、長期契約を前提としたインスタンスを検討し、バースト処理用には大きめのインスタンス、残りのピーク時用にはスポット(当用買い)市場のインスタンスを検討するといい。
2.予備容量は低価格で確保
標準インスタンスは大半のニーズを満たすことができる。一方、Amazon EC2の「スポットインスタンス」やGCPの「プリエンプティブルVM」を使えば、コストの大幅な削減が可能だ。
AWSのスポットインスタンスは、未使用のEC2インスタンスの容量を入札方式で購入できる仕組みだ。料金は需要と供給に応じて変動する。AWSによれば、スポットインスタンスは「オンデマンドインスタンス」と比べて最大90%の割引価格で利用できる。同様にGCPのプリエンプティブルVMも、標準インスタンスと比べて最大70%の割引価格で利用可能だ。ただしプリエンプティブルVMの実行時間は最大24時間に制限されており、他の用途にリソースが必要となった場合はそれより短い時間でシャットダウンされる場合もある。
こうしたインスタンスタイプを利用すれば確かに大幅な割引を受けることができる。だが一方で、必要なリソースをオンデマンドで調達できない可能性が残る。他のユーザーの利用状況次第では、重要なタイミングで処理が中断されることになりかねない。IT管理者はワークロードを評価し、こうした中断をどの程度まで許容できるかを見極める必要がある。
3.カスタムインスタンス
標準インスタンスは常に企業のニーズを満たすわけではない。計算処理が少ないアプリケーションに標準インスタンスを使用すれば、未使用リソースに料金を払うことになる。コストと無駄を削減するためには、カスタムインスタンスの使用を検討するといい。
AWSとAzureとGCPはいずれもインスタンスをカスタマイズする機能を提供している。IT管理者はメモリ容量やCPU性能など必要なリソース量を指定し、インスタンスをカスタマイズすることが可能だ。ただしカスタムインスタンスを利用するなら、事前にワークロードを評価すること。適切なインスタンスサイズを設定すれば、コストを削減し、アプリケーションのパフォーマンスを維持できる。
さらに最近は「Infrastructure as Code」(コードによるインフラ構成管理)という考え方が登場し、IT管理者はインスタンスをその場で変更することもできるようになった。アプリケーションのニーズに合わせて、インスタンスを動的に再構成するというやり方だ。ただしこのアプローチが長期的に効果を発揮するのは、クラウド事業者が料金を秒単位で請求する場合に限られる。そうでない場合は、カスタムインスタンスを選んだ方が得策だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー