AI、マイクロサービス、エッジコンピューティング、DevOps
2018年のエンタープライズITトレンド――8賢人はこう語った(1/2 ページ)
本稿では、ハイテク企業の幹部8人が、AI(人工知能)、マイクロサービス、エッジコンピューティング、IoT時代におけるITの基準とカスタマーサービスに関する見解を述べる。
ハイテク企業は、2018年のエンタープライズITに何が起こると考えているのだろうか。クラウドは引き続き勢力を拡大するだろう。だが、最高情報責任者(CIO)は、流行語には付き物の楽観論とビジネスへの実利益のバランスを取ることに留意しなければならない。また、マイクロサービスの重要性が増し、人工知能(AI)の実用化は進み、セキュリティはソフトウェア品質の一部と見なされるようになると考えて間違いないだろう。
どこもかしこもAI
私たちを導くAI――アッシュ・ムンシ氏
誇大な宣伝にもかかわらず、農業、バイオテクノロジー、製造業など、AIは各種業界でその価値を実証している。AIはデータを取り込んで、より適切な意思決定に必要な情報を提供することで、製品やサービスの原動力となり始めたばかりだ。
AIは2018年も堅調を維持するだろう。その状況は、特にAIにとって新しい分野となるトラブルシューティングで見られることが予想される。AIが日常の問題への対処をサポートするようになるにつれて、オペレーターやデータセンターなどのトラブルシューティングに変化が表れるだろう。IT担当者はAIがサポートできない重大な問題に専念できるようになる。
2018年、AIは私たち人間のコグニティブパートナーとしての付加価値を確固たるものにすることで、難問解決をサポートするだろう。そして、私たちが効果的な判断を下せるように導いてくれるであろう。
今よりもAIを意識しなくなる――ピーター・ワルクビスト氏
2018年、AIはあらゆるものに対する漠然とした解決法ではなくなり、実際にビジネスの問題を解決できる能力にAIの価値があることを企業はますます実感するようになるだろう。事実、多くの場合において、AIは今よりも意識されなくなると予想される。それは、私たちが日常使用するアプリケーションにAIがより密接に組み込まれるようになるためだ。AIを使用することで、企業では知らないうちに生産性が向上し、退屈な仕事ではなく戦略的なビジネスイニシアチブにより多くの時間を使えるようになるだろう。
AIの年にはならない――ニール・キンソン氏
現状、企業では、機械学習の大規模な使用事例と機械学習に期待できるメリットが不足している。使用事例は、調査、テスト、開発のいずれかの段階にあり、日常の事業運営にAIの影響が及ぶのは、まだずっと先になる。だが、AIが奇跡を起こすのをじっと待っていても仕方がない。2018年に企業が注力すべきは、社内の状況を整理して、運用チームがどのようにサービスを提供しているかに着目することだ。その一環として、次の投資分野を検討することをお勧めする。それは、パブリッククラウドへの移行の場合もあれば、ERPの将来の計画という場合もあるだろう。
全体像を把握しているCIOであっても、プロセスの観点から現場で運用を考えている立場の担当者であっても、2018年にじっくり検討しなければならないことがある。それは、自社が何人の従業員を抱えていて、その従業員が何を行っていて、時間とリソースの観点からその方法が最善かどうかだ。
企業がAIの未来について考える場合、2017年時点ではAIがすぐに問題の解決策になると見なしていた。だが、企業がAIをフル活用できるようになるのは1年後または5年後になるというのが現実的な見方だろう。
進化するマイクロサービス
アプリケーションに関するマイクロサービス標準の誕生――ベン・サイジェルマン氏
インフラに関する真のマイクロサービス標準が2016~2017年にかけて誕生したのなら、2018~2019年はアプリケーションに関する真のマイクロサービス標準が誕生する年になるだろう。マイクロサービスを早期導入した企業は、運用の問題に直面している。その理由は、一般的なアプリケーション開発者がコンテナレベルの問題を「Kubernetes」で直接把握してデバッグするのに無駄な時間を費やしていたことにある。マイクロサービスのサービスメッシュは製品の設計に適切な「L7」の抽象化を約束し、「OpenTracing」などの取り組みはマイクロサービス全導入におけるアプリケーションの統合ビューを提供する。マイクロサービス全体のビジョンに従う必要はあるものの、このL7への回帰により、開発チームは自力でアプリケーションのビルドとリリースに取り組めるようになる。インフラに煩わされることが少なくなり、ビジネスロジックに注力できるようになる。
クラウドからマイクロサービスへ――クレイグ・ウォーカー氏
ハイテク企業の2018年の関心は、クラウドから次の大きなITのトレンドである「マイクロサービス」に移るだろう。これは、ITを細分化して小さな単位で考えるようにし、ソフトウェア定義ネットワークとネットワーク機能の仮想化テクノロジーを使用することによって、企業がスケーリングに目を向ける分野だ。デジタルテクノロジーが崩壊するまで企業が行ってきたのと間逆の対応を行うことで、企業のエコシステムが成長を続けるにつれて、マイクロサービスの概念が全く新しいものに変わるようすを目の当たりにするだろう。また、小さなアプリケーションに移行することで、スケーリングの大幅な簡略化とリスク緩和が実現され、効率が向上することに企業が気付くまで時間はかからないであろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー