バックアップ/災害対策にクラウドを使いこなす【第3回】
バックアップ/DRで「システムの切り替え先にクラウドを使用する」8つの方式
オンプレミスからクラウドへ「サイト間のシステム切り替え」をしたい場合に用いる8つの方式を解説する。クラウドを使ったバックアップ/DRのための製品を比較選定する際に役に立つはずだ。
本連載の第1回「クラウドをバックアップ/DRに活用するには? 目的別に要件を固める」では、クラウドを活用したバックアップ/災害対策(DR)の目的と要件を以下の3つに分類して、それぞれを満たす大まかなシステムの実装方式を説明した。
| 1 | クラウドを「長期保管先の安価なストレージ」として利用したい |
|---|---|
| 2 | クラウドを「バックアップデータの複製先」として利用したい |
| 3 | オンプレミスからクラウドへ「サイト間のシステム切り替え」をしたい |
今回は、3の「オンプレミスからクラウドへのサイト間のシステム切り替え」を実現するシステムの実装方式について詳しく紹介する。
各ベンダーが、クラウドを活用したDRを実現する製品/サービスを発表している。各製品の実装方式が異なる上に、それらを比較検討するための参考情報も少ない。実装方式を整理せずに製品を検討し始めると、ベンダーの言葉に振り回されることになる。製品選定の事前知識として、DR方式と構成する要素、選定指針について、下記の流れで解説する。
| 1 | DR方式を構成する要素 |
|---|---|
| 2 | DR方式の一覧 |
| 3 | 要件に応じた方式選定の指針 |
なお、これまでの記事は連載インデックス「バックアップ/災害対策にクラウドを使いこなす」で全て確認できる。
連載インデックス
【第1回】クラウドをバックアップ/DRに活用するには? 目的別に要件を固める
【第2回】「クラウドをバックアップデータの複製先」とする場合の構成と注意点
【第3回】バックアップ/DRで「システムの切り替え先にクラウドを使用する」8つの方式
【第4回】どれを買う? クラウドを活用したバックアップ/DRに役立つ製品を一挙紹介
連載インデックス:バックアップ/災害対策にクラウドを使いこなす
1.DR方式を構成する要素
まず、DR方式を構成する要素について解説する。要素は下記の3つだと考えると方式を整理しやすい(図1)。
| 1-1 | 対象データとレプリケーション(複製)方式 |
|---|---|
| 1-2 | システム切り替え方式 |
| 1-3 | 切り替え先のクラウド |
3つの要素はそれぞれが密接に関わっているので、全てを自由に選べるわけではなく、1つを決めると残りの2つは決まってしまう場合もある。
1-1.対象データとレプリケーション方式
オンプレミスからクラウドへレプリケーションする「対象データの種類」と「レプリケーション方式」について整理する(図2)。
対象データをユーザーデータのみとするか、OSを含めたシステム全体とするかによって、レプリケーションの仕組みは大きく異なる。ユーザーデータについては、データベース(DB)管理システムやアプリケーションのレプリケーション機能を使用するか、汎用(はんよう)的なレプリケーション製品を使用するかの検討が必要になる。
レプリケーション対象データの種類と、レプリケーション方式の選択肢は下記の通りだ。
| ユーザーデータ | ・DBやアプリケーションのデータ ・その他のデータ |
|---|---|
| OSを含めたシステム全体 | ・システムデータ ・ユーザーデータ |
| ユーザーデータ | ・仮想マシンにインストールする汎用的なレプリケーション製品 ・DBやアプリケーションの機能 ・NAS(ネットワーク接続型ストレージ)やNASソフトウェアの機能 ・バックアップ製品の機能 |
|---|---|
| OSを含めたシステム全体 | ・ハイパーバイザーの機能 ・マルチハイパーバイザー/マルチクラウド対応のマイグレーション(環境移行)製品 ・バックアップ製品の機能 |
1-2.システム切り替え方式
システム切り替えの方式は大きく分けて2つある。1つ目はオンプレミスのシステムとは別にクラウドにスタンバイ用のシステムを準備しておき、レプリケーションしたユーザーデータを使用してサービスを復旧させる方式(図4のシステム切り替え方式1)。2つ目はOSを含めたシステム全体のデータをレプリケーションし、システム自体をクラウドに切り替える方式(図4のシステム切り替え方式2)だ。
方式1の場合、オンプレミスとクラウドにそれぞれシステムを構築し、手動や高可用性(HA)クラスタ製品でアプリケーションを切り替える。スタンバイ(待機系)システムのためにシステム台数が増えたり、オンプレミスとクラウドでOSやアプリケーションのパッチ適用が必要になったりと、運用管理面で煩雑になる。方式2の場合、システムをクラウドに切り替えるためには、ハイパーバイザーのレプリケーション/切り替え機能や、マルチハイパーバイザー/マルチクラウド対応のマイグレーション製品を使用することになる。
1-3.切り替え先のクラウド
切り替え先のクラウドについても、大きく分けて2つに分類できる。「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」(Azure)、「Google Cloud Platform」(GCP)のようなパブリッククラウドと、基盤のハイパーバイザーを公開しているクラウド(以下、「その他ベンダーのクラウド」)である。
- 切り替え先のクラウドの選択
- パブリッククラウド(AWS、Azure、GCPなど)
- 基盤のハイパーバイザーを公開しているクラウド(その他ベンダーのクラウド)
オンプレミスとクラウドのハイパーバイザーを統一することで、ハイパーバイザーのレプリケーション/システム切り替え機能を使用することが可能だ。ただしシステム切り替え機能を使用するためには、ハイパーバイザーの管理者に強い権限が必要となるため、クラウドベンダーに該当権限が許可されるかどうかを確認する必要がある。またパブリッククラウドのハードウェアとVMwareの仮想化製品を組み合わせたAWSの「VMware Cloud on AWS」やMicrosoftの「VMware virtualization on Azure」がある。これらにより、オンプレミスのVMware製品と連携したDR構成が今後可能になることが期待できる。
一方で、マルチハイパーバイザー/マルチクラウド対応のマイグレーション製品を使用することで、オンプレミスのVMware製品やMicrosoftの「Hyper-V」などの仮想化製品と、AWS、Azureなどのパブリッククラウドの間で、直接システムを切り替えることができる。それにより、ハイパーバイザーとクラウドの両方で、ベンダーロックインを回避できる。今後、パブリッククラウド間でのシステム切り替え機能の追加を表明済みのマイグレーション製品もある。
2.DR方式の一覧
方式の構成要素を理解できたところで、DR方式を整理していこう。レプリケーション対象が「ユーザーデータ」と「OSを含むシステム全体」のそれぞれについて表にまとめた。
| 2-1 | DR方式1(レプリケーション対象:ユーザーデータ) |
|---|---|
| 2-2 | DR方式2(レプリケーション対象:OSを含めたシステム全体) |
以下に、それぞれの方式を図解する。
2-1.DR方式1(レプリケーション対象:ユーザーデータ)
| 方式 | 対象データ | レプリケーション方式 | システム切り替え方式 | 切り替え先のクラウド |
|---|---|---|---|---|
| A | ユーザーデータ(ファイルサーバ、任意データ) | NASまたはNASソフトウェアの機能 | 手動(レプリケーションデータをスタンバイシステムから利用) | パブリッククラウドまたはその他ベンダーのクラウド |
| B | ユーザーデータ(DB/アプリ) | DB/アプリケーションの機能 | DB/アプリケーションの機能 | パブリッククラウド、または、その他ベンダーのクラウド |
| C | ユーザーデータ(任意) | 仮想マシンにインストールするレプリケーション製品 | 手動またはレプリケーション製品と連携できるHAクラスタ製品 | パブリッククラウドまたはその他ベンダーのクラウド |
| D | ユーザーデータ(任意) | バックアップ製品のレプリケーション機能 | 手動(スタンバイシステムへのリストア) | パブリッククラウドまたはその他ベンダーのクラウド |
方式A:NASまたはNASソフトウェアのレプリケーション機能
方式Aは「オンプレミスにNAS、クラウドにそのNASのソフトウェア版を使用する」または「オンプレミスとクラウドに同一のNASソフトウェアを使用する」方式である(図6)。
ファイルサーバは、この方式が適している。NASを使用するシステムは個別に切り替え方式を検討する必要がある。
方式B:DB/アプリケーションのレプリケーション機能
方式Bはオンプレミスとクラウドに同一のDBまたはアプリケーションを構築し、そのレプリケーション機能を使用する方式である(図7)。
静止点を確保したり、RPO/RTO(目標復旧時点/目標復旧時間)を最適化したりできるため、重要度の高いシステムは本方式を検討すべきだ。パブリッククラウドのマネージドサービスを使用する場合は、オンプレミスとのレプリケーション機能を利用できるかどうかをクラウドベンダーに確認する必要がある。
方式C:レプリケーション製品+HAクラスタ製品on仮想マシン
方式Cは、保護対象の仮想マシンとクラウドのスタンバイシステムにレプリケーション製品をインストールし、切り替えは手動またはHAクラスタ製品を使用する方式である(図8)。
オンプレミスで複数台の仮想マシンによるクラスタを構成し、サイト(データセンター)障害発生時に、クラウドへフェイルオーバーするように設計するのが一般的だ。なぜなら、オンプレミスの単一仮想マシンが障害になるだけで、クラウドへのフェイルオーバーに大きな影響が及ぶからである。また稼働系、待機系のそれぞれのシステムを管理したり、切り替えたいシステムごとにクラスタを構成したりする必要があり煩雑になる。そのため大規模な環境では本方式はお薦めしない。
方式D:バックアップデータのレプリケーション/リストア
方式Dはオンプレミスのバックアップデータをクラウドへレプリケーションし、クラウドのスタンバイシステムにリストアする方式である(図9)。
バックアップデータのレプリケーションは、重複排除機能を備えたストレージシステムや、オンプレミスのサーバとクラウドストレージを接続するクラウドゲートウェイも使用できるが、バックアップ製品のレプリケーション機能を使用する方が製品数を減らせシンプルな構成になる。リストア容量が大きくなると復旧に長時間を要するため、短時間のRTO(復旧時間)を求めるシステムには不向きである。
注意してほしいのが、本方式の対象データが「ユーザーデータ」であることだ。AWS、Azure、GCPなどのパブリッククラウドで稼働するバックアップサーバに、VMware仮想マシンのバックアップAPI「VADP」(VMware vSphere Storage APIs - Data Protection)で取得したデータをレプリケーションしても、そのままではシステムをリストアできない。バックアップデータを利用したクラウドへのシステム切り替えは、方式G、方式Hを参照してほしい。
2-2.DR方式2(レプリケーション対象:OSを含めたシステム全体)
システムをオンプレミスからクラウドへ切り替える方式は、ほとんどのケースでオンプレミスのシステムが仮想化されていることを前提としている(表2)。
| 方式 | 対象データ | レプリケーション方式 | システム切り替え方式 | 切り替え先のクラウド |
|---|---|---|---|---|
| E | システム(仮想マシン) | ハイパーバイザーのレプリケーション機能 | ハイパーバイザーのシステム切り替え機能 | オンプレミスと同じハイパーバイザーベースのクラウド |
| F | システム(仮想マシン) | マルチハイパーバイザー/マルチクラウド対応のマイグレーション製品 | マルチハイパーバイザー/マルチクラウド対応のマイグレーション製品 | マイグレーション製品と連携できるハイパーバイザーベースのクラウド、連携できるパブリッククラウド |
| G | システム(仮想マシン) | バックアップ製品のクラウドストレージへのレプリケーション機能 | バックアップ製品のクラウドインスタンス(クラウドで稼働する仮想マシン)への変換機能 | バックアップ製品と連携できるパブリッククラウド |
| H | システム(仮想マシン) | バックアップ製品のレプリケーション機能 | 手動、またはバックアップ製品と連携できるオーケストレーション(運用自動化)製品 | バックアップ製品と連携できるハイパーバイザーベースのクラウド |
方式E:ハイパーバイザー機能によるレプリケーション/切り替え
方式Eはオンプレミスとクラウドで同一のハイパーバイザーを使用し、そのハイパーバイザーの機能でレプリケーションと切り替えをする方式である(図10)。
オンプレミスとクラウドのストレージシステムを統一すれば、ストレージシステムのレプリケーション機能を使用することも可能だが、切り替えがストレージボリューム単位となるので注意してほしい。ハイパーバイザーのレプリケーション機能なら、仮想マシン単位での切り替えが可能になるが、大規模な場合は実績も確認してほしい。
結局、ハイパーバイザーのベンダーロックインになることは意識しておく必要がある。Azureの機能をオンプレミスで利用可能にするMicrosoftの「Azure Stack」とAzureの組み合わせ、オンプレミスのVMware製品と今後、国内で利用可能になるVMware Cloud on AWS、VMware virtualization on Azureの組み合わせも本方式だと理解していいだろう。
方式F:マルチハイパーバイザー/マルチクラウド対応のマイグレーション製品
方式Fはオンプレミスのハイパーバイザーとパブリッククラウドの両方にマイグレーション管理サーバを立て、レプリケーションおよびマシンイメージの変換、システムの切り替えをする方式である。
マルチハイパーバイザー/マルチクラウド対応のマイグレーション製品のベンダーは、ハイパーバイザーベンダー、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)ベンダー、ソフトウェアベンダーなど多岐にわたる。
パブリッククラウドでマシンイメージを変換する仕組みには2種類あり、インスタンスのディスク領域を使用する製品(図11)、クラウドストレージ(オブジェクトストレージサービス)を使用する製品(図12)がある。
クラウドストレージを使用するマイグレーション製品はマシンイメージの変換に時間を要する。容量によっては数時間を要する場合もある。それに比較して、インスタンスのディスク領域を使用する製品の場合、マシンイメージの変換は高速だ。この動作の違いは大きいため、どちらの動作になるか、または選択可能かをベンダーに確認してほしい。本方式の製品検討ポイントは下記になる。
- 製品検討ポイント
- マシンイメージ変換にクラウドストレージを使用するか、インスタンスのディスクを使用するか
- オンプレミス→クラウドの切り替え、クラウド→オンプレミスの切り戻しが可能かどうか
- オンプレミスのシステムを稼働させたまま、切り替えのリハーサルが可能かどうか
- オンプレミスとクラウドのシステムの稼働状況を可視化できるかどうか
- データの同期状況(RPO)が可視化できるかどうか
- 切り替え後のネットワーク変更/DNS変更が可能かどうか
現在、「クラウドで構築したシステムからオンプレミスへの初期レプリケーション」の機能を提供しないマイグレーション製品が多いので注意が必要だ(注1)。異なるハイパーバイザー間でも移行可能な製品もあり、今後はクラウド間でのシステム移行も可能になるだろう。非常に楽しみな製品分野である。
※注1:オンプレミスからクラウドへレプリケーション/システム切り替えをした後、クラウドからオンプレミスへ逆向きのレプリケーション/切り戻しを可能にしているマイグレーション製品がある。その製品でも、クラウドで新規構築したシステムをクラウドからオンプレミスへ初期レプリケーションできないものが多いため、それぞれの製品で仕様を確認していただきたい。
方式G:仮想マシンのシステムバックアップをクラウドのインスタンスへ変換
方式Gは、オンプレミスで取得した仮想マシンのシステムバックアップをクラウドストレージに転送し、パブリッククラウドのインスタンスに変換/起動する方式である(図13)。
クラウドストレージに保存されたバックアップデータから、インスタンスへ変換するため、方式Fと同様に時間がかかるので注意してほしい。複数台のシステムを同時に切り替え可能かどうか、クラウドからオンプレミスへの切り戻しが可能かどうかは製品ごとに確認してほしい。
方式H:仮想マシンのシステムバックアップを同一ハイパーバイザーのクラウドで自動リカバリー
方式Hは、オンプレミスで取得した仮想マシンのシステムバックアップを、同一ハイパーバイザーのクラウドにレプリケーションし、自動または手動でリカバリーする方式である(図14)。
バックアップ製品と連携できるオーケストレーション製品を提供しているベンダーもある。リストア後の仮想マシンのIPアドレス変更まで可能な製品もある。クラウド側はオンプレミスと同一のハイパーバイザーであることが必須だが、システムリストアの権限が許可されるかどうかはクラウドベンダーに確認してほしい。
要件に応じた方式選定の指針
DR方式を選定する前に、保護対象と対象ごとの復旧要件を検討する必要がある(表3)。
| 検討項目 | 内容 |
|---|---|
| 保護対象 | 対象システム/対象データの種類と容量 |
| 復旧要件 | 許容できる復旧に要する時間(RTO) 失っても構わないデータの時間の範囲(クラウドへのデータ複製の頻度、RPO) |
| 予算 | 確保可能な価格帯(数百万円か、数千万円か) |
方式選定の基本は、採用する方式の数を減らして、シンプルに構成することである。まず、上記の検討項目の大半を満たす共通の方式を1つ決める。ただしカバー範囲の広い方式はRPO/RTOが長くなる傾向にある。そのため重要度の高いDBなどのシステムは個別方式の採用を推奨する。ただしDB以外のアプリケーションについては、クラウドへのDRを検討するより、SaaS(Software as a Service)を選択するのも1つの手である。
復旧要件から方式を選定し、DR製品を選択する流れとなる。その際、予算や製品の国内導入実績、ベンダーのノウハウ、今後の製品ロードマップを含めて検討する必要がある。次回は現実的な複数の方式の選択と、具体的な製品について言及する。
【コラム】「ハイブリッドクラウド対応」「マルチクラウド対応」という言葉の意味
昨今「ハイブリッドクラウド対応」「マルチクラウド対応」という言葉は各ベンダーが都合よく使っている。プライベートクラウド(オンプレミス)とパブリッククラウド間で、またはパブリッククラウド間で、何をどこまで可能にしているのかを確認してほしい。下記をベンダーに確認し、「真のハイブリッドクラウド(下図参照)」を実現するDR製品を選ぶべきである。
- 確認事項
- オンプレミスとクラウドを単に併用できるだけかどうか
- 1つのGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)でオンプレミスとクラウドを操作できるが、実際は双方を別々に利用するDR製品もある
- オンプレミスとクラウド間の移行ができるかどうか。できる場合は片道か、双方向か
- 対象がユーザーデータのみか、OSを含めたシステム全体か
- RTOはどの程度か
- 移行ツールとしてのみ使用可能か、DRツールとしても使用可能かなどを確認
- 可視化が可能かどうか
- システム稼働状況やRPO/RTOなどの可視化機能を確認
- 統合管理が可能かどうか
- 複数システムの制御、オンプレミスとクラウド間の切り替えのリハーサル、ネットワーク変更/切り替えなどの機能を確認
- オンプレミスとクラウドを単に併用できるだけかどうか
ハイブリッドクラウドでは、クラウドベンダーのロックイン、クラウドサービス障害/終了のリスクもあることから、複数のクラウドを利用するマルチクラウドも浸透しつつあるようだ。
図16左のような単なるハイブリッドクラウドの併用では、クラウド間の移行はオンプレミスを経由することになる。また全体把握は難しく、運用管理は人手を介することになる。一方で真のマルチクラウドは、プライベートクラウドとパブリッククラウド間、複数のパブリッククラウド間で、システムおよびデータのシームレスな行き来や可視化ができるような状態だと、筆者は期待している(図16右)。皆さまもベンダー各社にロードマップを含め確認し、「真のマルチクラウド」を目指してほしい。
木島 亮(きじま・りょう)
伊藤忠テクノソリューションズ
ITサービス事業グループ 製品・保守事業推進本部 ITインフラ技術推進第1部 ITマネジメント技術推進課
2002年、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)入社。
HAクラスタやLinux、ストレージの担当を経て、現在、データ保護/データ管理を担当する。
2008年から、仮想環境/クラウド上のデータ保護や可用性/事業継続ついて、案件支援や技術検証、セミナーを実施し、社内外への啓発を行っている。
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