製品の違いを見分けるために
バックアップアプライアンス、主要ベンダー8社の製品の特徴を徹底比較(1/2 ページ)
主要なバックアップアプライアンスの多くは、バックアップ、アーカイブ、災害復旧、レプリケーションなど、類似の機能を備えている。主要8社の製品情報をまとめた。
ニーズに合わせた最適なバックアップアプライアンス選びは、企業独自のデータ管理要件に左右される。統合バックアップアプライアンスの多くには類似の機能が備わっている。さまざまな製品の違いを見分けるのに役立つよう、その差を簡単に紹介しよう。
Arcserve
Arcserveの「Arcserve Unified Data Protection」(UDP)のバージョン6.5は、同社の主力バックアップ製品だ。ソフトウェアやアプライアンス形式で提供される。アプライアンス版は「Arcserve UDP 8000」シリーズとして4モデルが販売されている。フォームファクター(形状や大きさ)が1Uサイズの「UDP 8100」「UDP 8200」と、2Uサイズの「UDP 8300」「UDP 8400」の4種類だ(2017年12月現在、日本では8200および8220のみ販売)。ローカル保護については、UDP 8100とUDP 8200にはRAID 5を、UDP 8300とUDP 8400にはRAID 6を採用している。
UDP 6.5のアプライアンス版が提供する機能はソフトウェア版と同じだ。具体的にはソース側でのグローバル重複排除、レプリケーション、高可用性などがあり、事前に実装されている。その他の機能として、アプライアンス版では次のようなオプションがある。例えばフルテープバックアップなどだ。
アプライアンス版は、復旧ポイントサーバ機能を使用することで、相互またはパブリッククラウドとの間でのレプリケーションができる。仮想マシン(VM)はインスタントVM機能を使用して迅速に復旧できる。この機能はVMをアプライアンスから直接実行する。
参考
Arcserve Unified Data Protection v6.5ナレッジセンター(Arcserve Japan)
Barracuda Networks
Barracuda Networksは、物理または仮想アプライアンスとしてさまざまな統合バックアップアプライアンスを提供している。物理アプライアンスでは自己暗号化ドライブを使用する。このドライブは筐体から取り外されたら読み込み不能になる。
販売中のモデルは12種類ある。ローエンドモデルの「Barracuda Backup 190」は、デスクトップサイズのフォームファクターに1TBの実効容量を内蔵する。ハイエンドモデルは「Barracuda Backup 1090」だ。これは4Uサイズに、112TBの実効容量とRAIDによるローカル保護機能を備える。
RAIDバージョンはモデルのレベルによって変わる。レベルが低いモデルにはRAID 1が、大容量モデルにはRAID 10やRAID 60が採用されている。
Barracudaのバックアップアプライアンスはスケールアウト型ではない。だが、多様なオプションを用意している。全モデルにまたがる標準機能としては、グローバルなインラインデータ重複排除や、物理環境から仮想環境へのリカバリー実行機能がある。加えて、ローカルとパブリッククラウド両方での「LiveBoot」機能を備え、パブリッククラウドへのバックアップデータのレプリケーションも可能だ。LiveBoot機能を使うと、ユーザー企業はBarracudaのバックアップアプライアンスからVMを瞬時に起動できる。
全てのアプライアンスは1つのポータルで管理できる。価格は、アプライアンスのモデルと容量の他、提供される全ての機能と基本的なサポートによって変わる。
追加コストのかかる機能には、Barracudaが運用するクラウドストレージへのバックアップ機能や、SaaS(Software as a Service)データの保護機能などがある。保護対象のSaaSの例としては「Office 365」などがある。災害などが起きた場合に、翌営業日に代替機器を提供するインスタントリプレースメントサービスも用意している。
参考
Barracuda Backupモデル一覧(バラクーダネットワークスジャパン)
Cohesity
Cohesityの統合バックアップアプライアンスは、スケールアウト型のアーキテクチャに基づく。同社はこれをハイパーコンバージドセカンダリーストレージと説明する。顧客は、Cohesityブランドのハードウェア、HPEのサーバ(「HPE ProLiant DL360」など)、Cisco Systemsの「Cisco Unified Computing System」(Cisco UCS)から選ぶことができる。
バックアップアプライアンスの「Cohesity C2000」シリーズは4つの構成が提供されている。エントリーモデルの「C2105」は4ノード(サーバ)構成で、ノードごとに6TBのドライブを内蔵する。ハイエンドの「C2605」も4ノードのシステムで、各ノードに30TBのドライブを備える。C2000シリーズは、複数のストレージコントローラーで冗長化を図る従来型のデュアルコントローラーアーキテクチャではなく、ハイパーコンバージドアーキテクチャを採用している。クラスタ間でのデータ保護には4台以上のノードが必要になる。全てのノードでイレージャーコーディング(消失訂正符号)という冗長化技術を実装しており、ハードウェアの追加でクラスタを拡張できる。
Cohesity C2000シリーズは、さまざまなストレージとの連携が可能だ。例えばNFS、SMBといったストレージプロトコルを利用可能なストレージや、Amazon Web Service(AWS)の「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)などだ。VMware Sphere、Hyper-V、Nutanix「AHV」などの各種ハイパーバイザーによる仮想環境のバックアップが可能だ。
「Cohesity DataPlatform」は、Cohesity C2000シリーズの原動力となるソフトウェアだ。DataPlatformは、リモートオフィス/ブランチオフィス(ROBO)向けに仮想アプライアンスとして利用したり、パブリッククラウドインスタンスとして利用したりすることが可能だ。IT部門はDataPlatformを使うと、バックアップや災害復旧用途でパブリッククラウドにデータを移動できる。バックアップでのデータ移動には「CloudArchive」という機能を使用する。クラウドベースのデータは、レプリケーション機能の「CloudReplicate」を通じてテスト、開発、分析の作業にも使用できる。
DataPlatformは、「SAN Protect」という機能を使ってPure Storageのオールフラッシュストレージ製品「FlashArray//M」や「FlashArray//X」と連携できる。このSAN Protectはボリュームスナップショットを直接操作する機能だ。同様に「NAS Protect」という機能はPure Storageのオールフラッシュストレージ「FlashBlade」との連携に利用できる。DataPlatformはNetApp製ストレージアプライアンスとも連携できる。
DataPlatformは、バックアップ/リカバリー製品「Cohesity DataProtect」を利用してVMを即座に復旧できる。VMはアプライアンスで直接実行でき、同時に復旧可能なVM数に制限はない。
参考
Cohesity製品ラインアップ(ネットワールド)
Commvault Systems
Commvault Systemsは2017年10月に「Commvault HyperScale」ブランドのソフトウェアとアプライアンスを発表し、ハードウェアパートナーと協力して販売もしている。ユーザー企業は「ScaleProtect with Cisco UCS」として再ブランド化されたその製品をCisco Systemsから購入することもできる。HPEなどのベンダーとの協力で参照アーキテクチャとして購入することも可能だ。HyperScaleはスケールアウト製品として3ノード以上を必要とする。拡張する場合は3ノードずつ増やす。スケールアウトファイルシステムをゼロから構築する必要はない。Commvault SystemsはHyperScale用のOSと、分散ファイルシステム「GlusterFS」の両方に関してRed Hatのパートナーになっている。
個別のノード容量として、1ノード当たり16TBから40TBまでの物理ストレージ容量が備わる。これを補うために150GBのフラッシュストレージと、接続インタフェース規格「NVMe」に準拠した2TBのSSDも内蔵する。これらはバックアップデータベースを保存したり、キャッシュにインデックスを付けたりするために使用する。各ノードにはDDR4規格の96GBのDRAMも組み込まれている。
データ管理ソフトウェアの「Commvault Data Platform」は、Commvault HyperScaleの基礎になっている。Commvault Data Platformは標準ハイパーバイザー環境、パブリッククラウド環境、一般的なデータベースのバックアップを可能にする。Commvault HyperScaleのソフトウェアは、Oracle Database、SAP HANA、Microsoft SQL Serverといったデータベース、「Microsoft Exchange」「Microsoft SharePoint」といったアプリケーションに加え、SaaSであるOffice 365のデータのバックアップも可能だ。
エンドユーザーが既存の長期バックアップを保持することを望んでいる場合もあるだろう。その際に、独自の実装からアプライアンスベースのモデルへと移行する場合は、Commvaultのソフトウェアを使用して、バックアップの一貫性を確保したままデータを移行できる。
Commvault HyperScaleアプライアンスはサブスクリプションモデルで提供する。Commvaultではサブスクリプションの更新時に、顧客向けにハードウェアを無償で刷新している。
参考
Commvault HyperScale Applianceスペック一覧(Commvault Systems)
「第8回 Commvault HyperScale テクノロジーって?」(Commvault Systems Japan)
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