4つの機能から分かる
Citrix、VMware、Microsoftを比較 アプリケーション仮想化製品とは?
アプリケーション仮想化製品は、配信インフラ、ホスティング、クライアントアクセス、管理と監視機能といった4つの主要なコンポーネントで構成される。このコンポーネントと、各ベンダーの製品について解説する。
アプリケーション仮想化製品のコンポーネントは、製品によって異なる。一般的には、配信インフラ、アプリケーションホスティング、クラウドアクセス、管理と監視の4つのカテゴリーに分類される。
これらのカテゴリーを必要に応じて組み合わせ、仮想アプリケーションのホスティングや配信、製品全体の管理をする。
配信インフラ
配信インフラには、IT担当者が仮想アプリケーションをオーケストレーションして、エンドポイントユーザーと接続することに必要なコンポーネントが含まれる。このインフラの中心となるのが、アプリケーションとデバイスの接続を仲介するコントローラーだ。
Citrix Systemsの「Citrix Virtual Apps」と「Citrix Virtual Desktops」のコンポーネントである「Delivery Controller」、VMwareの「View Connection Server」、リモートデスクトップ接続ブローカーを提供するMicrosoftの「Microsoftリモートデスクトップサービス」などを指す。
コントローラーは、エンドポイントとアプリケーションとの接続の管理に加え、接続の最適化や負荷分散など、アプリケーションの配信をサポートするその他の機能も提供することが多い。ほとんどの製品では、IT担当者がコントローラーを複数のサーバにインストールして信頼性と可用性を確保できるようにしている。
Microsoftの「Active Directory」などのディレクトリサービスを利用して、コントローラーはユーザーアクセスの認証と管理も行うことができる。このようなサービスを提供するために、配信インフラにはディレクトリサービスをホストする1台以上のサーバを含むことが多く、構成、セッション情報、システム監視の履歴データを格納するためのデータベースを含むこともある。
配信インフラには、アプリケーションの配信を向上させるためのコンポーネントを追加できる。例えばVMwareはConnection Serverに高可用性と負荷分散機能をもたらす「View Replica Server」を用意している。ユーザーのアクセスに関連する他のコンポーネントも提供する。Citrixは、リソースにアクセスするユーザーの認証とアプリケーションストアの管理をする「Citrix StoreFront」を提供している。
アプリケーションホスティング
アプリケーション仮想化製品では、IT担当者が仮想化を計画しているアプリケーションをホスト/運用する場所が必要になる。IT担当者は、製品と企業の要件に応じて、ベアメタルサーバ、仮想マシン(VM)、またはその両方を組み合わせて利用できる。
Linuxアプリケーションをサポートする製品もあるが、ほとんどの製品はMicrosoftの「Windows」ベースのアプリケーションの仮想化に重点を置いている。アプリケーションをホストするサーバが、Microsoftの「リモート デスクトップ セッション ホスト(RDSH)」を使って構成される場合もある。RDSHはリモートデスクトップサービス(RDS)に含まれるサーバの役割の1つで、セッションベースのデスクトップアプリケーションと「RemoteApp」アプリケーションの両方をサポートする。RDSHを利用するかどうかは、各仮想化製品によって異なる。
アプリケーションの配信を容易にするために、ほとんどのアプリケーション仮想化製品では、IT担当者がベンダー固有のエージェントをサーバやVM内にインストールする必要がある。これによりコントローラーとの通信を可能にして、エンドポイントとの接続を確立することができる。VMware製品を利用するIT担当者は、全てのVMと物理PCに「Horizon Agent」をインストールしなければならない。
アプリケーション仮想化製品の目的は、配信の遅延をできる限り抑え、アプリケーションがエンドポイントでローカルに実行されているかのように配信することだ。とはいえ、アプリケーション仮想化製品では基本的な仮想化機能に加え、さらなるサービスを問題なく利用できる。IT担当者はRemoteAppと共に、Microsoftの「App-V」を使用してアプリケーションの配信効率を向上させても構わない。
クライアントアクセス
仮想化によって、ユーザーはデスクトップ、ノートPC、シンクライアントからアプリケーションにアクセスできるようになる。アプリケーションによっては、モバイルデバイスからアクセスすることも可能だ。一般的にアプリケーションの配信には、エンドポイントにインストールされたクライアントソフトウェアでコントローラーと通信し、アプリケーションと接続できるようにする設定がよく使われる。
アプリケーション仮想化製品はクライアントソフトウェアを使ってエンドポイントにアプリケーションを送信できる。エンドポイントでは、クライアントソフトウェアがアプリケーションを受け取って、デバイスのローカルにアプリケーションを配置する。例えばVirtual AppsやVirtual Desktopsのアプリケーションにアクセスするデバイスには、Citrixの「Citrix Workspace」アプリケーションをインストールする必要があり、VMwareの「VMware Horizon」や「VMware Horizon Apps」アプリケーションにアクセスするデバイスにはVMwareの「VMware Horizon Client」をインストールする必要がある。
Webポータルからアプリケーションへのアクセスを可能にするアプリケーション仮想化製品もある。その場合、ユーザーはクライアントソフトウェアを利用しないで、HTML5ブラウザからアプリケーションにアクセスできる。このような製品には、Parallelsの「Parallels Remote Application Server Web Portal」、VMwareの「VMware Horizon ユーザー Web ポータル」、Microsoftの「リモートデスクトップWebアクセス」などがある。
多くのアプリケーション仮想化製品は、エンドポイントが企業ファイアウォールの外から仮想アプリケーションに接続できるようにする何らかの種類のゲートウェイも提供する。通常ゲートウェイはネットワークのDMZ(非武装地帯)に配置され、エンドポイントがファイアウォール内のリソースに接続できるようにセキュリティが確保された単一のアクセスポイントを提供する。例えば、VMwareは「VMware Unified Access Gateway」、Citrixは「Citrix NetScaler Gateway」、Microsoftは「リモートデスクトップゲートウェイ」を提供している。
管理と監視
全ての主要アプリケーション仮想化製品は、コンポーネントを管理し、リソースへのアクセスを制御するツールを提供する。こうしたツールの数と種類は、製品によって大きく異なる場合がある。
ParallelsはRemote Application Server(RAS)機能の構成、アプリケーションの発行、RAS構成ファイルのバックアップ、その他の管理タスクの実行を行うための「Parallels RAS Console」を提供している。VMwareは、Connection Serverの構成、アプリケーションの導入と管理、ユーザー認証の管理、エンドユーザーの問題のトラブルシューティングを行う「Horizon Administrator」を用意している。
仮想化製品には、製品ライセンスを管理するサーバが含まれることがある。例えばCitrixは「Citrix Studio」と「Delivery Controller」を連携させて、ライセンスファイルの割り当てと、各エンドユーザーセッションのライセンス管理用サーバを提供する。MicrosoftはユーザーがアプリケーションをホストするRDSHサーバにアクセスする際にユーザーとデバイスにクライアントアクセスライセンスを発行する「リモートデスクトップライセンスサーバ」を提供している。
ほとんどの仮想化製品はアプリケーションの導入の監視とトラブルシューティングをするツールも備えているため、IT担当者は問題が大きくなる前に対処できる。このようなツールは、管理者によるエンドユーザーサポート作業にも役立つ。
VMwareの「vRealize Operations」ツールは、パフォーマンスデータを収集して、カスタマイズされた分析ダッシュボードに表示する。Citrixの「Citrix Director」は、複数のVirtual AppsサイトとVirtual Desktopsサイトの監視とトラブルシューティングができる。
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