ユニファイドコミュニケーションとの共存は
“宅電”は過去の遺物ではない? 4分の1以上の企業が固定電話を増やす理由
ソフトフォンやモバイルクライアントの活用が拡大する中、固定電話は絶滅に向かっているかに見える。ところが、ある調査によると固定電話は新しい使い道に活用されているらしい。
固定電話はダイヤル式からプッシュ式、タッチスクリーン式へとさまざまな変化を遂げてきた。企業においてはそろそろ過去の遺物になるのだろうか。あるいはまだ使い道があるのだろうか。
調査会社Nemertes Researchは、企業における過去数年のエンドポイント端末の導入動向を調査している。2018年のユニファイドコミュニケーション(UC)、コラボレーションシステムの導入状況に関する調査では、エンドポイント端末の導入台数が15台~5万台の企業600社以上を対象に調査した。その結果によると、固定電話は減少しているものの、まだ活用されていることが分かった。
例えば、2019年中に固定電話の台数を減らす予定の企業は24%であるのに対し、増やす予定の企業は27%もあった。ソフトフォンを増やす企業やモバイルUCクライアントを増やす企業よりは少ないものの、高い割合だ。UCとコラボレーション以外にも、多くの企業にとっては固定電話も欠かせない存在であることが分かる。
変化する固定電話の役割
ただし、固定電話の役割は確実に変わりつつある。この調査では、企業における固定電話の現在の用途や今後の用途として次のものが挙がった。
- UCクライアントの補助的な役割:電話機をUSBでPCにつなぎ、PC側でUCクライアントのインスタンスを実行したり、イーサネットベースの電話機をデスクトップのUCクライアントで制御したりする。主にスピーカーホンとして使い、電話会議に参加したり、ワンクリックで社内通話を発信したりすることができる。
- オープンスペースでの使用:訪問客用や安全対策としてオープンスペースに設置する。大学寮や、オフィスの受付、廊下、休憩室など。
- 専用サービスの提供:ホテルの客室、病院のナースステーションなど、専用のサービスを提供するために設置する。例えば、ホテルの客室ではルームサービスの注文や予約ができるように設定したタッチスクリーンとつないでおくことも可能だ。客の状況や過去の利用履歴に基づいてタッチスクリーンをカスタマイズすることもできる。
- シンプルな通信手段:あらゆる職場がチームコラボレーションアプリやマルチライン(1台の電話機に複数の番号を割り付ける)機能、ワンクリックで会議に参加できる機能を必要としているわけではない。小売店や小規模なオフィスでは音声通話だけで十分な場合も多い。その場合はシンプルな固定電話が最も適している。
固定電話のない将来に備えるべきという意見は間違っていないが、固定電話が過去の遺物となったわけではない。
ツールの導入を成功させる基本は、ニーズに合ったユーザーエクスペリエンスを提供することだ。使いたくないツールや、ワークスタイルに合わないツール、コミュニケーション手段を複雑にするようなツールを無理強いすべきではない。
成長分野にいる大企業にとっては、固定電話は確かに時代遅れの代物になっている場合もある。しかし、それ以外の多くの企業にとっては、現在でも固定電話はシンプルで機能的で使いやすいコミュニケーション手段という要件を満たしている。必要な電話プランは、宣伝に惑わされることなく、現実的なニーズを考慮して決めるべきだろう。
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