エッジ利用を視野
HDDも追加可能な低遅延のオールフラッシュ Western Digitalが国内発売
HDDやSSDを中心に事業展開してきたWestern Digitalが、フラッシュアレイやコンポーザブルインフラの国内販売を開始した。レイテンシを抑え、HDDを追加可能にしたオールフラッシュモデルなど2モデルを用意する。
HDDやSSDといったデバイス事業で知られるWestern Digitalが、国内のストレージアレイ市場に本格参入する。2019年3月28日にフラッシュストレージアレイ「IntelliFlash」シリーズと、統合型インフラ「OpenFlex」の販売を開始した。IntelliFlashは不揮発性メモリ向け接続規格NVMe(Non-Volatile Memory Express)に準拠。OpenFlexはイーサネット越しにNVMe準拠ストレージを接続可能にする接続規格NVMe over Fabrics(NVMe-oF)に準拠している。
「デバイスからソフトウェア、ストレージアレイまで一貫して提供できることが独自の強みだ」と、Western Digitalでデータセンター向けの製品群を統括するトニー・チャン氏は語る。外部ベンダーからデバイスやソフトウェアを調達する必要がないため、価格を抑えてストレージアレイを提供できるという。
データの高速処理に焦点
IntelliFlashシリーズは全ての容量をフラッシュストレージでまかなうオールフラッシュモデル、フラッシュストレージとHDDを組み合わせたハイブリッドモデルの2種類のモデルを用意している。オールフラッシュモデルはデータの読み込み、書き込みにおけるレイテンシ(遅延)を200~250マイクロ秒に抑えている。国内に先駆けて販売を開始した米国では、「リアルタイム解析、予約システム、動画配信といった、データの出し入れに高速処理が求められるアプリケーションで実績を積んでいる」(チャン氏)という。
オールフラッシュアレイで容量節約のために重複排除をした場合、一般的にストレージ全体の処理性能が低下してしまう。それに対してIntelliFlashシリーズのストレージOS「IntelliFlash OS」は特定のアプリケーションにだけ重複排除を適用できるため、容量節約と性能維持を両立させられる特徴がある。
SSDとHDDのハイブリッドモデルは、キャッシュのデータをSSDで処理し、HDDに保存する仕組みとなっている。IntelliFlash OSによってIntelliFlashシリーズの一貫した運用ができるため、オールフラッシュモデルのみを導入した場合でも、拡張の際にHDDを追加することが可能だ。
IntelliFlashシリーズの提供価格は、エントリーモデルの参考価格で約1000万円からとなっている。
コンポーザブルインフラへの関心の高まり
OpenFlexについては、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を介してハードウェアリソースのプール化や制御を可能にする統合型インフラ「コンポーザブルインフラ」として提供する。近年、複数台のサーバの内部ディスクを束ねて、仮想的な共有ストレージアレイを構成する垂直統合システム「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)が普及してきたものの、HCIでは拡張性の限界や、冗長化した場合の性能劣化といった問題を抱える場合がある。それを解消するアーキテクチャとして関心が高まっているのがコンポーザブルインフラだ。ハードウェアリソースを共通化し、サーバ/ストレージなどの機能をソフトウェア定義によってサービス提供することで、拡張性や性能向上を実現させられる利点がある。OpenFlexはNVMe-oFに準拠しており、OpenFlexと外部のサーバ間をNVMe規格で接続することで、データ転送を高速化できる。
「エッジ」のニーズを先取り 買収で参入の布石
Western Digitalがストレージアレイ市場に参入することを決めたのは、「エンドポイントの近くでデータを処理する『エッジ』におけるデータ利用が将来的に増え、データの読み書きを高速処理できるストレージの需要が高まる」(チャン氏)と予測するためだ。これまでWestern Digitalは、企業買収によってストレージアレイ製品群を提供する土台づくりを進めてきた。同社は2015年にオブジェクトストレージベンダーのAmplidataを買収。2017年にはオールフラッシュアレイベンダーのTegile Systemsを買収した。「Active Scale」としてWestern Digitalが販売するオブジェクトストレージはAmplidataの製品群、IntelliFlashシリーズはTegile Systemsの技術や製品群がベースになっている。
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