中小企業と大企業でポイントは異なる
ドラフト版「Wi-Fi 6」の無線LAN製品を今すぐ購入する際の注意点
「IEEE 802.11ax」(Wi-Fi 6)はまだ正式承認前だ。ドラフト版のIEEE 802.11axに準拠した無線LAN機器を今すぐ購入する方がいいのか。それとも正式承認を待つべきだろうか。
次世代無線LAN規格「IEEE 802.11ax」(無線LANの業界団体Wi-Fi Allianceによる製品認証プログラムの名称では「Wi-Fi 6」)の正式承認(2020年の見込み)がいよいよ間近になり、期待が高まっている。ただし機器の購入については判断が難しい。
承認前のIEEE 802.11ax(以下、IEEE 802.11axドラフト規格)準拠機器を購入しても問題はないのか。新規格が定着するまで待つべきなのか。企業は判断を迫られる。他の無線関連分野の場合と同様、この判断も状況次第で変わってくる。
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中小企業の場合、IEEE 802.11axドラフト規格の準拠機器を購入するかどうかの判断は比較的単純だ。Eコマースサイト「Amazon.com」で検索してみると、一般消費者向けのIEEE 802.11axドラフト規格準拠ルーターが既に何十種類も販売されている。無線関連機器の知識があまりなくても、予算と相談し、製品レビューを参考にして選択すればよい。
無線LANルーターさえ新しくすればよい、というわけではない。利用している無線LANクライアント機器やインターネットサービスプロバイダー(ISP)接続がIEEE 802.11ax準拠ではない場合、効果は限定的だ。それでも無線LANの総合的な品質はかなり向上するだろう。
IEEE 802.11axドラフト規格の準拠製品を発売しているベンダーのほとんどは、承認後のフルサポートを約束している。機器を大量に購入する場合や、購入する機器を何年も使用する予定の場合は、その点を確認しておく必要がある。
大規模導入は慎重に
大企業の場合、IEEE 802.11axドラフト規格の準拠機器を導入するかどうかの判断は難しくなる。やはり、それぞれの環境によって条件は異なる。早期の大規模導入を狙ったベンダーの大々的なマーケティング攻勢に押されることなく、綿密に吟味する必要がある。
実績のない最新技術に対する懸念や予算などの問題を解決しなければならない。ハードウェアも機能もライセンス制にして売り上げ増加を目指すベンダーの動きで、どれだけ総保有コスト(TCO)が増大するかも考慮が求められる。
いずれはあらゆる組織がIEEE 802.11axに移行することになるだろう。ただし一斉にそうなるわけではなく、適切な移行時期は組織ごとに異なる。
IEEE 802.11ax準拠機器の導入メリットを評価する際、ネットワークについて考えるだけでは不十分だ。対象環境に準拠機器を多数導入する計画が当面なく、既に現行規格「IEEE 802.11ac」準拠の無線環境を導入しているのだとしたら、IEEE 802.11axの早期導入に多額の予算を投入する意義があるとは考えにくい。
Samsung Electronicsのスマートフォン「Galaxy S10」はIEEE 802.11axドラフト規格に準拠しており、マーケティングキャンペーンを開始している準拠チップもある(正式発売は2019年後半以降になる見込み)。販売戦線は始まりつつある。
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