AIベースのネットワーク監視ツールを活用
「学生寮の無線LANが遅い」 米大学はPCゲーム好き学生の嘆きにどう応えたか
ニューハンプシャー大学は学生寮のネットワークを有線LANから無線LANへ移行した。その際に直面したのが、無線LANのパフォーマンスの問題だ。どのようにして解決したのか。
ニューハンプシャー大学(UNH:University of New Hampshire)は2017年秋、有線LANの配線を撤去した。「学生の部屋から有線LAN用ポートがなくなったことを受け、われわれは無線LANに安定して接続できることを確認する必要があった。そのために、先進的な取り組みをする必要があった」。UNHの情報技術者であるブライアン・シンプソン氏はそう振り返る。
同じころ、Hewlett Packard Enterprise(HPE)傘下のAruba NetworksはUNHのITチームに対して提案を持ち掛けた。人工知能(AI)エンジンを活用したネットワーク分析ツール「Aruba NetInsight」を、β版のテストユーザーとして試用してもらう提案だ。UNHは同ツールにより無線LANの接続状況やパフォーマンスを可視化し、現代の学生が学習と遊びの両方に使うさまざまなデバイスのネットワーク接続を管理できるようになった。
シンプソン氏は言う。「学生たちが持ち込むデバイスは、スマートスピーカー『Echo Dot』、オンライン動画ストリーミング用デバイスの『Fire TV』『Chromecast』『Roku』など多岐にわたる。われわれは学生たちが快適に過ごせるよう、そうしたデバイスをネットワークの側面から管理しなければならない」
トラフィックの優先度を操作
学生寮の有線接続用ポートを撤去した後になって、シンプソン氏率いるUNHのITチームは、学内のPCゲーム愛好者が、レイテンシ(通信遅延)の低いイーサネット接続に大きく依存していたことを知った。無線LANでは十分な通信速度を出せなかった。
そこでUNHのITチームは、ArubaのAIエンジン搭載ネットワーク分析ツールを使い、レイテンシの影響が大きいゲームのトラフィックを特定した。その後、レイテンシの影響が大きいトラフィックを優先するルールを作成した。
UNHは以前、ネットワークの状態を全般的に参照するツールを使っていたが「NetInsightの方がはるかにきめ細かく分析できる」とシンプソン氏は評価する。「個別のクライアントの通信履歴に関する報告をピンポイントで抽出し、トラブルチケットと照合できるようになった。その結果、現場の状況が把握しやすくなった」(同氏)
ネットワーク状態の詳細な把握
NetInsightはクラウドベースの分析ツールで、無線LANアクセスポイント(AP)の構成を検証できる。機械学習を使い、同様の環境にあるAruba製APのパフォーマンスと比較することも可能だ。
シンプソン氏によると、「クライアント間でピンポン状態(パケットが行ったり来たりする状態)を引き起こしているAPをNetInsightで検出できたことも何度かあった」という。UNHのITチームはそれらの情報を参考に、無線LANの設計を調節した。「カバレッジ、トラフィック容量、学生がシームレスに接続できるかどうかという点において、調節の前後で大きな違いが出た」と同氏は言う。
NetInsightは、ネットワーク管理者が建物1棟ごとに利用傾向をチェックして、長期計画に活用できる。「われわれが真に求めていたのはまさにこうした情報だ。そのおかげで先手を打って問題に対処できる」(シンプソン氏)
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