DaaSでGPUの価値を引き出す【前編】
GPUが必要なアプリケーションを使うなら、オンプレミスVDIとDaaSのどちらを選ぶ?
DaaS(Desktop as a Service)を利用すれば、GPUを使うアプリケーションのスケーラビリティや費用対効果を高め、管理の手間を省くことができる。性能も選択肢の広さも、物理環境と並ぶレベルに到達している。
クラウドにデスクトップをホストするDaaS(Desktop as a Service)を利用すれば、GPU(画像処理向けプロセッサ)を使うアプリケーションのメリットを生かす機会が増える可能性がある。
GPUなどの物理ハードウェアを購入して自社のデータセンターでホストして、オンプレミスにVDI(仮想デスクトップインフラ)を導入することもできる。サービスベンダーがパブリッククラウドに物理ハードウェアとVDI(仮想デスクトップインフラ)をホストし、そのインフラにユーザー企業が仮想デスクトップを展開して、GPUを使うアプリケーションを利用する方法もある。
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GPUの懸念を晴らすには
調査会社Enterprise Strategy Groupのシニアアナリストであるマーク・バウカー氏によると、DaaSで仮想デスクトップとアプリケーションを利用すれば、多くの組織がGPUをより身近なものとして活用できるようになると予想する。「企業はこう思っているはずだ。『GPUを搭載した高価なデスクトップPCやノートPCを買うのはもう嫌だ。頻繁に刷新しなければならないのもうんざりする。もう金輪際やめにしたい』と」(バウカー氏)
オンプレミスVDIか、DaaSか
GPUを使えば、一般的にCPUより高速に大量のデータを処理できる。製造業をはじめ画像を多用するアプリケーションを使う企業では、CAD(コンピュータ支援設計)や画像処理アプリケーションなどのデータ処理にGPUを役立てることができる。
「Citrix Virtual Apps and Desktops」(旧「XenDesktop」および旧「XenApp」)や「VMware Horizon」といったVDI製品を利用すれば、GPUをオンプレミスに展開できる。ただしVDIの準備は複雑になることが少なくない。DaaSを採用すれば、多くの管理作業をベンダーに任せ、費用対効果の高い予測可能な方法で高価なGPUを利用できる。
環境工学企業のDudekは、ドローン(小型無人航空機)の飛行データを処理するためにDaaSを導入する必要があった。オンプレミスVDIの場合、適切にセットアップできればいいが、誰かがそれを管理して全てが正常に動作することを確認しなければならない。「すぐに使えて、IT担当者がシステムの面倒を見るのに忙殺されなくて済むシステムが必要だった」と、同社の最高情報責任者(CIO)であるブライアン・ノードマン氏は話す。
DudekはそれまでXenAppを使用していたが、WANの性能が低く、ネットワークの通信容量に余裕がないために、データ処理に最大5日かかるという問題が発生していた。そこでクラウド移行の一環として、DaaSベンダーのWorkspotがMicrosoftのクラウドサービス群「Microsoft Azure」でホストする、GPUクラウドワークステーションを契約した。このワークステーションは、事前構成済みの仮想デスクトップからNVIDIA製GPUに即座にアクセスできる。
「Amazon WorkSpaces」や「Windows Virtual Desktop」といった新たなDaaSが登場し、市場が活性化することによって「DaaSはオンプレミスのVDIより有用性が高くなる可能性がある」とバウカー氏は話す。Windows Virtual DesktopはGPUを必要とするアプリケーションを利用できるが、それにはまずAzureに、GPUを使用する仮想マシン(VM)を作成し、それをホストプール(仮想デスクトップ用VMの集合)に追加して、適切に設定する必要がある。Amazon WorkSpacesが提供する画像処理向けVMの「GraphicsProバンドル」では、専用のGPU「NVIDIA Tesla M60」を利用できる。
画像を多用する用途で、DaaSはベアメタル(物理)マシンと同じような体験を提供できるのか。この問いに対して「DaaSベンダーは皆、『既に提供可能だ』と答えられる水準に到達している」とバウカー氏は説明する。
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DaaSでGPUの価値を引き出す
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