UEMのメリットと導入の注意点【後編】
「統合エンドポイント管理」(UEM)で管理できること、できないこと
「統合エンドポイント管理」(UEM)製品はセキュリティ確保だけでなく、デバイス管理を簡便にするメリットがある。ただしUEMでは管理できない幾つかの特殊な条件もあるため、検討時には注意が必要だ。
「統合エンドポイント管理」(UEM)製品は、私物デバイスであれ会社所有のデバイスであれ、社内ネットワークに接続する全デバイスの設定と展開に役立つ。業務用アプリケーションと関連データを管理対象グループに分類してカタログ化することにより、アプリケーションを設定、管理、展開するとともに安全性も確保できる。UEM製品は、そのような管理タスクのポリシーを細かく定義できる。無線LANやVPN(仮想プライベートネットワーク)への接続ポリシーも定義できるため、証明書の使用などを規定することにより、私物デバイスから社内リソースへのアクセスを許可することに伴うセキュリティリスクを低減できる。
多くのUEM製品は、地理、機種、OS、ユーザーグループに基づくポリシーも管理でき、管理に関するさまざまなニーズを満たす広範なオプション機能を提供している。世界の拠点ごとに異なるタイプのアプリケーションやデータ、デバイスを管理し、それぞれの国や地域の規制に準拠しなければならない国際企業にとって、こうした機能は重要だ。UEM製品のリモートワイプ(遠隔地からネットワークを介してデバイスに保存されているデータを削除すること)機能を使えば、機密情報が含まれるコンテンツをIT管理者が消去できる。古いデバイスの使用を廃止する処理が容易になり、デバイスの紛失時や盗難時にも役立つ。
管理の簡便性
UEM製品を使えば、下記に挙げるようなデバイスのさまざまな管理業務が可能だ。
- 業務用アプリケーションと関連データを管理対象グループに分類してカタログ化しておけば、1つのダッシュボードで自社カタログのあらゆるアプリケーションにアクセスできる
- 製品によっては仮想デスクトップインフラ(VDI)の監視ができる
- 業務用のデバイスやIoT(モノのインターネット)デバイスなどさまざまなデバイスの状況をリアルタイムに把握できる
- 「Windows 10」「UNIX」「Linux」「macOS」「iOS」「Android」「Chrome OS」といった各種OSを管理できる
- 中核となる単一のダッシュボードから多様なデバイスにOSのアップデートやポリシーを適用できる
- さまざまなデバイスで利用するアプリケーションの大量購入やライセンスの配布ができる
- リモートトラブルシューティング機能を使って遠隔でデバイスの問題に対処したり、ユーザーとやりとりしたりできる
こうした作業を1つのインタフェースで操作できない場合、非常に煩雑になりやすい。
UEMの難点
UEM製品には数多くの利点があるが、幾つか難点もある。購入担当者は、UEM製品の導入を決める前に下記のような点を考慮し、慎重に検討する必要がある。
- 古いデバイスは新しいUEM製品で管理できない可能性がある。例えばWindows 10の新機能を活用するUEM製品で「Windows 7」を搭載したデバイスは管理できない。状況によってはそうした古いデバイスを放棄できない場合もある
- 会社の組織構造によっては、1つの部署や1つの国から全てのデバイスを管理できない場合がある。スマートフォンとノートPC、OSの種類に応じて管理機能が異なることがある
- 製品そのもののコストに加え、従業員が新しい管理業務に慣れるためのトレーニングや関連するインフラの改良にも予算が必要になる
UEM製品に投資するかどうかを判断するには、ユーザーの生産性に関わる現状の課題を慎重に分析する必要がある。デバイスの管理に要する人的資源、私物デバイスで業務用データを扱う際のセキュリティの懸案事項、新しい私物デバイスやIoTデバイスの導入に備える組織体制など、さまざまな要素を踏まえて検討しなければならない。私物デバイスから業務用のデータを利用することを禁止するポリシーは、今後は一般的ではなくなり、UEM製品の必要性はより高まる可能性がある。UEM製品に投資することは、ITインフラ、セキュリティ、時間に対する投資と同義になるだろう。
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UEMのメリットと導入の注意点
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