「プロセスマイニング」の生みの親・アールスト氏に聞く【前編】
「プロセスマイニング」とは ワークフロー製品への“失望”で導入が進む?
「プロセスマイニング」は企業に何をもたらすのか。企業がプロセスマイニングを導入するきっかけとは何か。プロセスマイニングの第一人者であるウィル・ファン・デル・アールスト氏に聞いた。
業務システムのイベントログを基に、業務プロセスを分析して改善する「プロセスマイニング」という手法が誕生したのは、1990年代後半のことだ。初期のプロセスマイニングは大半が理論上の概念でしかなかった。しかしデータ収集と分析の技術が進化したここ数年で、実用化が始まった。
プロセスマイニングの提唱者の一人であるウィル・ファン・デル・アールスト氏は現在、ドイツのアーヘン工科大学(RWTH Aachen University)の教授として、データサイエンスの研究グループを率いている。アールスト氏はインタビューで「プロセスマイニングの導入はここ数年で加速している」と答えている。
プロセスマイニングツール「Disco」を提供するFluxiconや、プロセスマイニングベンダーのProcessGold Internationalを買収したRPAベンダーのUiPathなど、30社以上のベンダーが商用プロセスマイニングツールを提供するようになった。これによりSiemensやBMWなどの大企業が、数千人規模のエンドユーザーにプロセスマイニングを容易に適用できるようになった。「プロセスマイニングはどのような組織でも使用でき、前提となる条件は最小限しかない」とアールスト氏は話す。
プロセスマイニング導入のきっかけは「ワークフローシステム」への失望か
プロセスマイニングは業務プロセスの検出と、その業務プロセスが適正かどうかについての分析によって、人々が業務プロセスに従わない理由を明らかにする。ユーザー企業はプロセスマイニングの高度な分析機能を利用することで、業務処理時間の予測といった詳細な分析が可能になる。
企業がプロセスマイニングに取り組むきっかけに、業務プロセスそのものの作成を人に依存する「ワークフローシステム」への失望があるとアールスト氏は言う。ワークフローシステムは、円滑に進んでいる業務プロセスの把握には優れているが、業務処理で発生する問題の原因を把握することは難しい。
「企業は業務プロセスを改善することの重要性に気付いている」とアールスト氏は話す。業務プロセスを改善するには、データベースや監査証跡に記録された実際の業務処理の履歴と、自社が定義した業務プロセスを結び付ける必要がある。
後編ではアールスト氏へのインタビューを基に、プロセスマイニングと人工知能(AI)技術の関係や、企業でプロセスマイニングをスムーズに導入するための方法を考える。
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