「フラッシュストレージ」は2020年にこうなる【後編】
フラッシュストレージが普及しても「HDD」が使われ続ける理由
フラッシュストレージの用途が急速に拡大する一方、全てのデータセンターがすぐさまフラッシュストレージを導入するわけではない。HDDにはフラッシュストレージにはない需要がまだ存在するからだ。それは何なのか。
デバイスの近く(エッジ)でデータを処理する「エッジコンピューティング」による人工知能(AI)システムにも、フラッシュストレージベースのストレージシステム(フラッシュアレイ)の用途が拡大している――。そう指摘するのは、Dell EMCでストレージの最高技術責任者(CTO)を務めるスディール・スリニバサン氏だ。運用がシンプルという理由から、従来のHDDベースのストレージシステムが担っていた用途についても「より多くのユーザー企業がフラッシュアレイに移行している」とスリニバサン氏は語る。
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「大半のバックアップデータは、依然としてHDDベースのストレージシステムに保管されている」とスリニバサン氏は指摘する。ただし分析対象のデータは、これまでHDDベースが主流だった、バックアップやアーカイブ用途のセカンダリーストレージシステムよりも「さらに高いレベルのパフォーマンスが必要になる」と同氏は説明する。
フラッシュストレージがコンバージドインフラの普及に貢献
フラッシュストレージは垂直統合型インフラ「コンバージドインフラ」の普及に貢献していると語るのは、NetAppでストレージOS「ONTAP」とシステムグループのシニアバイスプレジデントを務めるオクタヴィアン・タナセ氏だ。同社の「FlexPod」は、NetAppのストレージシステム「FAS」シリーズと、Cisco Systemsのサーバ、ネットワーク機器をベースとする。タナセ氏によると、FlexPodの販売の約60%はオールフラッシュアレイ向けだという。
「オールフラッシュアレイは、データをオブジェクト単位で扱う『オブジェクトストレージシステム』の分野にも進出している」とマクドウェル氏は話す。エッジで生成される非構造化データを分析するためだ。「エッジにとどまるデータも、クラウドで利用されるデータもある。クラウドはオブジェクト中心の世界であり、オールフラッシュアレイはこうした環境に適している」(同氏)
全ての容量をフラッシュストレージでまかなうストレージシステム「オールフラッシュアレイ」であるPure Storageの「FlashBlade」を導入したDomino's Pizza。データのバックアップと迅速な復旧は「FlashBladeでは想定していなかった用途だ」と、Domino's Pizzaでグローバルインフラとエンタープライズ情報システムのバイスプレジデントを務めるダン・ジュリッチ氏は語る。ジュリッチ氏によると、大規模並列アーキテクチャを持つFlashBladeはDomino's Pizzaにとって、HDDベースのバックアップへの依存を軽減する一助となった。
HDD以外にデータを保管するのは時期尚早との声も
調査会社IDCでストレージのリサーチバイスプレジデントを務めるエリック・バーゲナー氏によると、2025年までにNVMe接続のオールフラッシュアレイの需要は67%増加し、SCSI接続のフラッシュアレイの成長率は11%になる見込みだ。一方でHDDとフラッシュストレージを組み合わせたストレージシステム「ハイブリッドアレイ」市場は2%縮小すると、同社は予測する。
全てのデータセンターにフラッシュストレージが導入されるわけではない。調査会社451 Research Groupが最近実施した調査によると、フラッシュストレージの導入を計画していない企業は約3分の1にも上るという。同社が約500人のデータセンター管理者を対象に実施したこの調査では、48%の企業がフラッシュストレージを保有しているものの、6%の企業は概念実証(PoC)の段階であることが分かった。13%の企業は2022年までにオールフラッシュアレイを購入する計画を立てている。
フラッシュストレージの導入検討段階に至っていない企業はかなりある。「“オールフラッシュデータセンター”が到来するまでには、しばらく時間がかかるだろう」と、調査会社451 Researchでストレージのシニアアナリストを務めるティム・シュタマーズ氏は語る。大企業がコンバージドインフラを導入して、プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」にデータをアーカイブするようになるにつれ、大容量HDDへのニーズが高まる可能性がある。「HDDは姿を消すわけではない。むしろHDDには堅実で長い未来が待ち受けている」(シュタマーズ氏)
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「フラッシュストレージ」は2020年にこうなる
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