いまさら聞けない「フラッシュメモリ」と「DRAM/SRAM」の違いは?似て非なる両者を比較

「半導体メモリ」という言葉でひとくくりにされることもある「フラッシュメモリ」と「DRAM/SRAM」。だがこの2種類のメモリは全くの別物だ。両者の違いを整理する。

2019年04月23日 05時00分 公開
[Erin Sullivan, Rodney BrownTechTarget]
画像

 フラッシュメモリとDRAM(Dynamic Random Access Memory)/SRAM(Static Random Access Memory)について説明するとき、類似点からこれらをひとくくりにしたくなる人もいるだろう。どちらも半導体チップで構成されている点は変わらない。ただし設計や構造、パフォーマンス、仕様、コストの違いから、両者はコンピュータで全く異なる役割を果たす。

 フラッシュメモリは主にストレージとして使われる。一方のDRAM/SRAMは、演算に必要なデータをストレージから読み込み、一時的に置いておくために使われる。フラッシュメモリとDRAM/SRAMは特性上、HDDの磁気ディスクやテープストレージの磁気テープよりもデータの読み書きが高速だ。

 フラッシュメモリとDRAM/SRAMのデータ読み書き速度を比べると、DRAM/SRAMの方が速い。ただしDRAM/SRAMはコストも高い。SRAMは最も高速な選択肢だが、DRAMよりはるかに価格が高い。そのためコンピュータのCPU内部のキャッシュメモリが主な用途だ。DRAMは主に、OSやアプリケーションを動作させるための作業用のメインメモリとして使われている。

 DRAM/SRAMより安価なフラッシュメモリは、DRAM/SRAMとは異なり不揮発性で、電源供給がなくてもデータを保持できる。ただしフラッシュメモリのデータ読み書き速度は、DRAM/SRAMのどちらと比べても基本的に遅い。フラッシュメモリは消費電力の低さやデータの永続性、コストの低さから、SDメモリーカードやUSBメモリ、SSDのようなデバイスで、ストレージ用記憶媒体として使われている。

DRAM/SRAMの仕組み

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news199.jpg

天気に合わせて屋外広告を自動切り替え 気象データ×DOOHで何ができる?
ジーニーが気象データと連携したDOOH広告の新サービスを発表。屋外にいるターゲットの状...

news152.jpg

日本の動画配信市場は成長鈍化 それでもNetflixに迫る大幅成長を遂げたサブスクサービスとは?
GEM Partnersは、動画配信(VOD)市場の現状と今後の予測をまとめた年次レポートを公開し...

news077.jpg

ヘリから飛び降り、ガラスを破る……アカデミー賞広告主5社が、ド迫力アクションCMを競作した狙い
2025年のアカデミー賞では前代未聞の共同広告キャンペーンが実現。Carnival Cruise Line...