Gartnerのアナリストも“予想外”
Office 365ユーザーがG Suiteを併用する理由 なぜ似たサービスを使うのか?
セキュリティ企業Oktaの調査から、オフィススイートサービス「Office 365」と「G Suite」を併用する企業が相当数あることが分かった。似たようなサービスであるにもかかわらず、なぜ併用する必要があるのか。
ID・アクセス管理サービスを提供するOktaは、同社サービスのユーザー企業約7400社のアプリケーション利用状況について報告書をまとめた。2019年は、Oktaのサービスを使い、かつMicrosoftのオフィススイートサービス「Office 365」を使っている企業の31%が、Googleのオフィススイートサービス「G Suite」を併用していた。この割合は2017年の28%、2016年の21%よりも増加した。
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Office 365とG Suiteを併用している顧客が「これほど多いことは予想外だった」と、調査会社Gartnerのアナリスト、ジェフリー・マン氏は説明する。ただし企業が両方のオフィススイートサービスを使うのは「珍しいことではない」と指摘する。
なぜOffice 365ユーザーはG Suiteも使うのか
調査会社Nemertes Researchのアナリスト、アーウィン・レイザー氏によると、Office 365の全アプリケーションや機能を必要としない従業員用に、割安なG Suiteのライセンスを購入する企業があるという。社内ではOffice 365を使っていても、ファイルを外部と共有するためにG Suiteのドキュメントアプリケーション「Google ドキュメント」を使う企業が少なくない。社外のコラボレーションに関しては、G Suiteの方が優れていると見なすエンドユーザーもいる。
IT部門は、エンドユーザーが使い慣れたアプリケーションの使用を無理やりやめさせるのではなく、一部の従業員に限ってこうしたアプリケーションの使用継続を許容することがある。マン氏によれば、用途によってはOffice 365のアプリケーションよりもG Suiteのアプリケーションを好むエンドユーザーもいる。
クラウドの普及で企業のアプリケーション選定が“寛大”に
Office 365のユーザー企業がG Suiteを併用する現象は、もっと大きなトレンドを映し出している。企業で使うアプリケーションは多様性を増しており、クラウドサービスのおかげで初期投資が不要もしくはわずかになった。これらの要因から企業はアプリケーションの試験導入に対して寛大になり、各分野で最適なアプリケーションをエンドユーザーに使ってもらうようになっている。
例えばOffice 365にはビジネスチャットやWeb会議用のアプリケーションが含まれているにもかかわらず、ビジネスチャットサービス「Slack」やWeb会議サービス「Zoom」を利用するOffice 365ユーザーは相当数ある。2019年はOktaのOffice 365ユーザーのうち32%がZoomを利用し、31%がSlackを利用していた。
調査結果の見方には注意も必要
注意が必要なのは、Oktaの調査結果は市場の状態を反映していない可能性があることだ。同社のサービスは、企業が複数のアプリケーションを横断してセキュリティポリシーを設定できることが特徴だ。今回の調査対象となった同社サービスのユーザー企業は、Office 365とG Suiteを含む、多数のベンダーのアプリケーションを使う傾向がより大きい可能性がある。
Oktaのユーザー企業は中堅・中小企業が多数を占める。最近の決算発表によると、同社サービスのユーザー企業約7400社のうち、年間売り上げに10万ドル以上貢献している顧客は17.6%前後にとどまる。小規模企業の間ではG Suiteの人気が高い傾向があり、従業員数万人規模の組織はOffice 365を使う傾向がある。
報告書によると、クラウドサービスのユーザー企業数はOffice 365を筆頭に「Salesforce」「Amazon Web Services」(AWS)、G Suiteが続く。月間アクティブユーザー数もOffice 365が最も多く、次いで「Workday」「ServiceNow」、Salesforce、G Suiteが続いた。
Office 365とG Suiteに関する他社の市場調査でも、MicrosoftがGoogleを大きくリードするという結果が出ており、Oktaの報告はそうした調査結果と一致している。この差を縮めるためにGoogleはここ数年、サードパーティーのコミュニケーションアプリケーションをG Suiteに連携させて、IT管理者がユーザーポリシーを管理できる機能を強化している。
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