「CCNA」改定のポイント【前編】
新旧「CCNA」を比較 受験するなら知っておきたい学習すべき内容の違い
Cisco認定試験の一つである「CCNA」の新試験がスタートした。これまでの試験と何が違うのか、ガイドブックの著者の話を基に見ていこう。
Cisco Systems製品に関する技術者資格「シスコ技術者認定」(Cisco Career Certifications)の試験内容が一新した。ネットワーク技術者の登竜門とも言える「CCNA」(Cisco Certified Network Associate)の認定試験は、これまで複数のトラックに分かれていたものが一本化した。1つの試験に合格することでCCNAの認定を取得できるようになった。一方でCCNAの認定試験の合格を目指すのであれば、ネットワークの基本と新技術の両方を幅広く知らなければならなくなった。
2019年6月に、Cisco Systemsはシスコ技術者認定試験の大幅改定を発表した。CCNAの公式ガイドブック『Official Cert Guide』の著者であるウェンデル・オドム氏は、今回のCCNAの認定試験内容の改定は「シスコ技術者認定試験では過去最大級の変更になった」と語る。
オドム氏はCCNAの全てのOfficial Cert Guideを執筆してきた。CCNAの新認定試験「200-301 CCNA」についても既に2冊のOfficial Cert Guideを書き上げている。新しいCCNAの認定試験は1つに集約されているため、複数のトラックがあったこれまでの試験と比べて規模的には縮小した印象がある。ただしネットワーク分野の新旧の技術や動向を幅広く網羅する必要があるため、解説するには2冊のOfficial Cert Guideが必要となったという。
このOfficial Cert Guideの「Volume 1」と「Volume 2」はいずれも、仮想LAN(VLAN)や基本的なIPの仕組みといった従来のネットワークのさまざまなトピックに加え、ネットワーク自動化のような新技術もカバーしている。新しいCCNA認定試験は、ネットワークエンジニアが学ぶべき多くの事柄を扱っているだけでなく「現在の就職市場で重要かつ有益な内容も含んでいる」とオドム氏は説明する。
新旧認定試験の違い
―― CCNAの新しい認定試験と、これまでの認定試験の主な違いは何でしょうか。
ウェンデル・オドム氏(以下、オドム氏) ルーティングとスイッチングに関する知識を問う従来の「CCNA Routing and Switching」認定試験の項目を見ると、そのトピックの約半分は新しいCCNA認定試験に入っている。認定試験の内容に関して、古い認定試験と変わらない項目については新認定試験で同じ文言が使用され、内容もそっくりそのまま踏襲されている。
新しい認定試験には、古い認定試験にはなかったトピックもある。音声や動画といったコラボレーションに関する知識を問う「CCNA Collaboration」認定試験やデータセンターの運用や保守に関する知識を問う「CCNA Data Center」認定試験に由来すると考えられるトピックも幾つか入っている。そうした新しいトピックの大部分は、自動化やクラウドのようにCisco Systemsがルーティングやスイッチングの分野で重要だと見なしている新しい事柄に関連している。人が指定した意図や目的に基づいて、ネットワークの構成管理を自動化する「インテントベースネットワーク」も、初めてCCNAの認定試験内容に盛り込まれた。
認定試験内容の量を比較すると、古い試験を100ポイントとした場合、新しい試験はその75%程度、つまり75ポイント程度になる。そのうち50ポイントは、古い試験のトピックから引き継がれたものだ。例えば下記のようなトピックがある。
- VLANにおけるトランクポート(スイッチ同士の接続に利用するポート)の設定
- IPv4およびIPv6のルーティング
- レイヤー3(L3)のIPフィルタリング
- セキュリティプロトコル
- ネットワーク監視プロトコルSNMP(Simple Network Management Protocol)やNTP(Network Time Protocol)
新しい認定試験で重視されているトピックの一つがルーティングプロトコルの「OSPF」(Open Shortest Path First)だ。これを理解するには、OSPFが認識するネットワークタイプ(ネットワークの形態)を理解する必要がある。
OSPFのネットワークタイプの一つとして「ブロードキャストマルチアクセス」がある。同一のイーサネットのネットワーク内で2台以上のルーターがあるとする。ブロードキャストマルチアクセスでは、代表ルーターである「指名ルーター」を選出してLAN内のネットワークを制御する。
これはLANにおいては一般的なOSPFの挙動だ。ただし1対1で接続するポイントツーポイントのWAN接続の場合は、指名ルーターの選出は必要ない。そのためCisco Systems製のルーターは、この場合はOSPFのネットワークタイプをデフォルトのブロードキャストマルチアクセスから、指名ルーターを選出する挙動がない「ポイントツーポイント」に変更する。
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