「NetOps」にまつわる疑問【前編】
「NetOps」とは何か? DevOps時代のネットワーク運用方法
「NetOps」とは何であり、ネットワーク運用にどのような影響をもたらすのか。NetOpsを理解する上での基本と要点をかいつまんで説明する。
英語には、1つの単語で複数の意味を持つ多義語がある。例えば「Book」「Play」「Man」などが多義語に当たる。同様にITインフラの世界で使用される「NetOps」も多義語だ。NetOpsは多義語であるだけではなく「NetOps 2.0」「Super-NetOps」「DevNetOps」「NetDevOps」といった派生語も生まれている。
NetOpsとは何だろうか。この用語は2つの側面で捉えることができる。1つ目はネットワーク運用(Network Operations)の略語として使われる場合。2つ目は「DevOps」とネットワーク運用との関係性の中で捉える場合だ。DevOpsはアプリケーションの開発チームとITシステムの運用チームが行動を共にし、開発の速度や正確性を高めることを目指す概念を意味する。
併せて読みたいお薦め記事
今後注目のネットワーク分野のトレンドは?
- 2019年のネットワーク9大動向:SD-WAN、脱クラウド、エッジ 革新の予兆は?
- 2019年ワイヤレスネットワーク注目動向 ミリ波、5G、ネットワーク分析の未来
- IoT普及で爆発的に増える「マイクロデータセンター」とは何か
「SD-WAN」が求められる理由
DevOpsの手法をネットワーク運用に取り入れるNetOpsが目指すのは、下記のような点だ。
- ネットワーク運用をプログラム可能にする
- ネットワーク運用のアジリティ(敏しょう性)を向上させる
- ネットワーク運用に自動化と仮想化の手法を取り入れる
本稿ではネットワーク専門家によるアドバイスを取り入れつつNetOpsについて解説する。NetOpsの考え方になじみがない初級者だけでなく、ネットワーク分野で経験豊富な担当者がさらに理解を深める上でも役に立つだろう。
「NetOpsとは何か」「NetOpsのメリットは何か」「NetOpsは企業のネットワークにどのような変化をもたらすのか」をはじめとした、よくあるNetOpsに関する疑問を深く掘り下げる。
NetOpsを取り入れたネットワークの利点は
NetOpsにおけるネットワークは、従来のネットワークの運用方法や考え方とは大きく異なる。従来、ネットワークといえば迅速かつ容易に設定や構成に変更を加えることが難しいITインフラだった。ネットワークのこの特性は、比較的新しいDevOpsの行動様式を妨げ、ITインフラの運用を変革する可能性を阻害する可能性がある。
ネットワークの最新化を図り、運用とプロビジョニング(配備)の自動化によって、ビジネスのアジリティを高めるのがNetOpsだ。プログラム可能な特性をネットワークに与えることで、設定の変更の俊敏性を高めることができる。
従来のネットワークの運用方法は、問題が起こってから対処するいわば「事後対応型」が基本だった。NetOpsが目指すのは「事前対応型」だ。これは問題が発生する前に、あらかじめ対処する方法を決めておくことを指す。NetOpsの考え方に基づき、ネットワーク全体にプラスの影響がある新しいテクノロジーや手法を取り入れようとするなら、過去に標準化されたネットワーク運用の手法も再評価の対象になるだろう。
NetOpsがネットワーク運用をどのように変えるのか
NetOpsはDevOpsの手法を全面的に取り入れているわけではない。NetOpsを理解する上で重要なポイントは、ネットワークの「仮想化」と「自動化」という2つの要素だ。「企業のネットワーク運用チームは、徐々に専用のネットワーク機器への依存から脱却し、代わりにソフトウェア定義による運用管理を取り入れようとしている。これによってネットワークにアジリティをもたせることが可能になる」。そう語るのは、ITコンサルティング企業のWest Gate Networksで代表取締役を務めるアンドリュー・フローリッヒ氏だ。同氏は「特定のネットワーク機器に依存せずに迅速に設定変更ができるネットワークを望む声が、NetOpsが普及する道を開くだろう」と語る。
ネットワークに仮想化を取り入れれば、ネットワークチームが導入するネットワーク機器などのハードウェアを減らせる。その結果、導入作業にかかる時間を削減できる。物理的なネットワークに仮想的なネットワーク層であるオーバーレイを構築したり、仮想アプライアンスを導入したりすれば「ネットワークチームは導入や運用にかかる時間とコストを節約できる」とフローリッヒ氏は指摘する。物理的なコンポーネントを仮想化すれば、ネットワークを一元的に導入できるようになるためだ。さらにネットワークの運用に自動化を取り入れれば、ネットワークのアジリティが高まり、ネットワークの状況の突発的な変化にも、より適切かつ迅速に対処できるようになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「NetOps」にまつわる疑問
開発チームと運用チームが行動を共にすることで開発期間の短縮を目指す「DevOps」。その原則や行動様式をネットワークに取り入れるのが「NetOps」だ。具体的に、NetOpsとはどのようなものなのか解説する。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社ビザスク] 製造業の新事業創出 成功の鍵は「タラレバ問題克服」と「3つの判断ポイント」 -
製品資料
[日本シーゲイト株式会社] 実験のやり直しを防止 研究データ基盤に求められる高可用性ストレージとは -
製品資料
[株式会社Leaner Technologies] もっと安く買えるのに…… 間接材購買で“コスト削減機会”を逃さないためには -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] フィールドサービスの熟練技術者が「AIエージェント」を求めている理由 -
製品資料
[株式会社グリーンフィールド・オーバーシーズ・アシスタンス] 基礎から分かる「就労ビザ」 アメリカ進出を目指すなら知っておきたい取得戦略
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
2
仮想化環境の死角を“未知の脅威”が狙う時代――新たな敵をどう見破るか?
-
3
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
4
ITエンジニア1265人調査 生成AIを使い込むほど「人の確認」が重い理由
-
5
高額GPUを買っても成果ゼロ? 「プライベートAI」の落とし穴
-
6
AppleのMシリーズチップからSafariの閲覧履歴を暴く「TIDE」攻撃とは?
-
7
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
8
Claude Opus 5.5は20%値下げでも割安とは限らない 情シスが測るべき5指標
-
9
JSONをやめてPythonで送る トークン消費を約7割抑えるAIの設計
-
10
kintoneで実践 製造業のための「見積もり管理」改善のヒント
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
登録セキスぺが語る「SCS評価制度」の舞台裏 星を取得すべき理由と対応のコツ
-
2
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
3
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
4
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
5
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
6
AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは?
-
7
防御側の「3つの前提」が崩壊 AI時代のセキュリティに必要な3つの転換とは?
-
8
AI活用を停滞させる「2:6:2の壁」を乗り越えるためのポイントとは?
-
9
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
10
OSSでは困難 100超のサービスを持つマネーフォワードが実践した統合監視術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー