「NetOps」にまつわる疑問【後編】
「NetOps」で設定してはいけないKPI、設定すべきKPIとは
「DevOps」の考え方をネットワーク運用にも取り入れるのが「NetOps」だ。どのような点を重視してNetOpsを実践すればいいのだろうか。
前編の「『NetOps』とは何か? DevOps時代のネットワーク運用方法」では「NetOps」の概要や、それに基づく取り組みを進めることで得られる利点を説明した。NetOpsとは、開発チームとITインフラの運用チームが共に行動することで開発の速度や正確性を高める「DevOps」の手法を、ネットワーク運用に取り入れる概念だ。後編では、NetOpsに基づく取り組みをする際にどのようなポイントを重視すべきなのか、今後はデータセンターの中でネットワーク運用がどのように変わるのか、といった点を解説する。
併せて読みたいお薦め記事
今後注目のネットワーク分野のトレンドは?
- 2019年のネットワーク9大動向:SD-WAN、脱クラウド、エッジ 革新の予兆は?
- 2019年ワイヤレスネットワーク注目動向 ミリ波、5G、ネットワーク分析の未来
- IoT普及で爆発的に増える「マイクロデータセンター」とは何か
「SD-WAN」が求められる理由
NetOpsとDevOpsの連携
NetOpsはDevOpsの影響を大きく受けている。これら2つの関係性はそれだけにはとどまらない。この2つの手法を組み合わせることで、これまでのネットワークが抱えていた問題に対処可能になる。そのためにはNetOpsチームとDevOpsチームが連携するツールを用意することが必要だ。「ツールを共有することで、ITシステムの運用全般にメリットをもたらし、結果的に全体を強化できる」。そう語るのは、調査会社Nemertes Researchで最高情報責任者(CIO)とプリンシパルアナリストを務めるジョン・バーク氏だ。DevOpsの手法を取り入れている環境があれば、NetOpsチームはより効率的に課題に取り組むことができるという。
ネットワークの運用チームが、DevOpsの考え方を採用してNetOpsを取り入れれば、DevOpsチームと同じようなメリットを享受できる。「DevOpsは変更管理の簡略化に役立つ」とバーク氏は言う。NetOpsチームは変更管理を簡略化することで、ネットワーク運用の自動化に一歩近づくことができる。ただしネットワークチームの中には、自動化がネットワークに与える影響に対して、依然として慎重な姿勢を取る担当者が少なくない。この傾向はNetOpsの普及を鈍化させる懸念材料になる。
NetOpsで設定すべきKPI
これまでネットワークの運用チームは、ネットワークインフラの稼働時間と安定性に基づいたKPI(主要業績評価指標)を設定することが少なくなかった。こうした従来のKPIは、迅速さが必要なDevOpsのプロジェクトの行く手を阻むことがあった。NetOpsを取り入れた新しいネットワークは、従来のこうしたKPIによる制約を乗り越える必要がある。
NetOpsのKPIとして設定されるのは、下記のような項目だ。
- ビジネスへの影響度
- ビジネスにおける重要度の高いアプリケーションの提供
- 自動化の導入
- NetOpsチームとDevOpsチームの連携
各KPIを見る上で重要なのは、「なぜ重視するのか」がベースになっている点だ。例えば、ネットワークチームはネットワークインフラの稼働時間ではなく、採用する新しいテクノロジーや仕組みが、なぜ、どのようにしてネットワークにメリットをもたらすのかを重視することになる。
ポッドはNetOpsにどう影響するか
ネットワークチームは、さまざまな手法を多角的に取り入れることで、NetOpsへの移行を実現できる。その一つとして、データセンターのネットワークをひとまとまりの要素として扱うのではなく、個別のポッド(データセンターのコンポーネントをモジュール化した単位)として設計し、運用する方法がある。これはデータセンターの最適化につながる。ポッドは複数のネットワークスイッチを含んでいて、その数がたった2つという小規模の場合も少なくない。
ポッドを利用することで、革新的なデータセンターが実現する。システム全体を入れ替える必要がなく、必要に応じて段階的にアップグレードできるためだ。ポッドであれば特定のゾーンに限定して変更を加えることができる。ポッドは単体またはグループ単位で継続的に改善される。自動化や仮想化といったDevOpsの手法をより適切に取り入れるためにも、こうしたポッドの特性を生かせるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「NetOps」にまつわる疑問
開発チームと運用チームが行動を共にすることで開発期間の短縮を目指す「DevOps」。その原則や行動様式をネットワークに取り入れるのが「NetOps」だ。具体的に、NetOpsとはどのようなものなのか解説する。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
SNS認証や多要素認証も数分で実装、IDaaS基盤でデジタルビジネスはどう変わる? -
製品レビュー
「電子帳簿保存法対応」実践術:タイムスタンプ付与などの要件の手軽な実現方法 -
事例
「大企業のデジタル化」成功事例集【コクヨ、九州電力、ヨネックスなど21社】 -
製品資料
“顧客管理の課題”を簡単に解決する方法とは? -
製品資料
契約管理の“あるある課題”をノーコード開発で解決するためのポイント
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
Synologyがエンタープライズ向けユニファイドストレージを投入 その実力は
-
6
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
-
7
「Windows派」「Linux派」を分ける決定的な違い
-
8
脱VMwareの最適解 NTTデータと日立製作所が示す国産仮想化基盤
-
9
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
10
継続利用は4割どまり M365 Copilotが「効く業務」と期待外れの境界
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー