「Echo Show」「Google Nest Hub」をWeb会議で使うなら気を付けたい2つの問題コンシューマー向けディスプレイ付きスマートスピーカーの「限界」

Web会議に「Echo Show」「Google Nest Hub」といったコンシューマー向けのディスプレイ付きスマートスピーカーを使えるようにすれば、テレワーカーの利便性を高めやすい。ただし対処すべき問題もある。それは何か。

2022年03月12日 10時00分 公開
[Irwin LazarTechTarget]

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 「Echo Show」や「Google Nest Hub」といった、コンシューマー向けのディスプレイ付きスマートスピーカーは仕事でも使えるのだろうか。こうしたスマートスピーカーの中には、「Cisco Webex」「Google Meet」「Microsoft Teams」「Zoom」といったビジネス用Web会議サービスで利用できる製品が充実しつつある。テレワークで自宅から会議に参加する従業員にとっては、PC以外の選択肢として、100ドル程度の予算で購入できるこうしたスマートスピーカーがWeb会議に利用できたら便利だ。

 IT部門の責任者は一般的に、コンシューマー向けディスプレイ付きスマートスピーカーの利用は、音声の明瞭さや映像の鮮明さといったWeb会議のパフォーマンス向上に役立つと考えている。実際、こうしたスマートスピーカーはノートPCの内蔵カメラを使うよりも望ましく、IT部門で専用デバイスの調達と展開をする手間も軽減できる。だがパフォーマンス管理とセキュリティの問題に注意が必要だ。

問題1.IT部門でパフォーマンスを把握し切れない

 ユニファイドコミュニケーション(UC)システムのパフォーマンス管理ツールは一般的に、コンシューマー向けデバイスを管理対象にすることを想定していない。そのためIT部門は、こうしたデバイスをWeb会議に利用する場合のパフォーマンスを把握できず、テレワーカーに十分な技術的サポートを提供できない可能性がある。

 Web会議のパフォーマンスを十分に把握できないと、IT部門は問題発生時のトラブルシューティングや、潜在的な問題の事前予測ができない。その結果、パフォーマンスに問題があっても、従業員は我慢するしかなくなる。それが社内ミーティングなら許容できるとしても、顧客とのやりとりにWeb会議ツールを使用する企業は、IT部門でサポートを提供できる高品質のデバイスを購入すべきだ。

問題2.コンシューマー向けデバイスならではのセキュリティリスクも

 コンシューマー向けデバイスの利用にはセキュリティリスクが伴う。デバイスへの適切なアクセス制御が掛けられない場合があるためだ。Web会議へのアクセス手順によっては、デバイス間の通信を暗号化する「エンドツーエンド暗号化」などのセキュリティ機能を使用できない場合もある。ただしデバイスベンダーがビジネス向けにポリシー管理と適用の一元化などの機能を追加すれば、こうした懸念を解消できる可能性がある。

 IT部門と業務部門の責任者は、コンシューマー向けディスプレイ付きスマートスピーカーの実用性を検討する必要がある。こうしたスマートスピーカーとPCの両方を同時に使ってWeb会議に出席する従業員がいると、会議の効率が下がる心配がある。他の出席者と会話するときはスマートスピーカーのディスプレイ、会議資料を見るときはPCのディスプレイといった具合に、頻繁に視点を切り替えることになるからだ。こうしたスマートスピーカーのディスプレイはサイズが小さいため、テレビや外部ディスプレイに接続しないと、資料の共有やアイデア創出といった作業には適さない。


 コンシューマー向けディスプレイ付きスマートスピーカーの業務利用は、選択肢の一つにはなる。ただし管理の問題、セキュリティの問題、会議効率を低下させる欠点があることを理解しておく必要がある。IT部門がこうしたコンシューマー向けデバイスのサポートを提供する場合は、一元管理を可能にするサービスの利用を検討するのが望ましい。

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