音声通話をやめて「Web会議」に乗り換えたくなる“納得の理由”「Web会議」が変えるコミュニケーションの在り方【後編】

「Web会議」ツールは、企業のコミュニケーションの在り方をどう変えようとしているのか。Nemertes Researchの調査結果を基に、Web会議ツールの利用動向を説明する。

2020年08月28日 05時00分 公開
[Irwin Lazar, John BurkeTechTarget]

 音声通話から「Web会議」に移行することで、企業はコミュニケーションに費やしているコストを大幅に削減できる可能性がある。前編「進化する『Web会議』ツール 『Slack』やカレンダーとの連携強化へ」に続き、調査会社Nemertes Researchによる528社の企業に対する調査結果を基に、企業のWeb会議ツールの利用動向を解説する。

 Nemertesのレポート「Visual Communications and Collaboration 2020-21 Research Study」によると、コスト削減のために音声会議サービスの利用を打ち切った企業がある。Web会議ツールなどのオンライン会議ツールで、音声会議を代替できるようになったためだ。

Web会議が気付かせた“音声通話の無駄”

 回答企業の中には、高価な国際電話サービスや音声会議サービスからWeb会議ツールに乗り換えたことで、コストの削減を実現した企業がある。Web会議ツールを使用することで、音声のみの会議と比べて会議時間を短縮させた企業もあるという。こうした調査結果は、Web会議ツールが効果的なコラボレーションやリモート商談を可能にしたことを示している。回答企業の中には、Web会議の利用が売り上げ増加につながったと答えた企業もある。

 Nemertesの調査によると、Web会議ツールを使って仕事をする時間が長い従業員は、Web会議をしていないときにも他のコミュニケーションツールや電話に切り替えず、Web会議ツールのチャット機能でコミュニケーションを取ることを好む傾向がある。テレワークによって、特にこの傾向は顕著になったという。

 テレワーク実施に伴い、自宅の固定電話がオフィスの固定電話ほど音質が良くないことに気づいたエンドユーザーが少なくなかったとNemertesはみている。このことが、テレワーク中にWeb会議ツールを使い続ける背景にあるという。同社は、ビジネスチャット機能とWeb会議機能が一体となったコミュニケーションツールが今後も人気を呼び、エンドユーザーが音声通話ツールからこうしたツールに流入し続けると予想する。

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