在宅勤務を危険・不快にしないためのホームネットワーク「4つの注意点」ホームネットワークの基礎知識【後編】

在宅勤務などのテレワークを実施する際、ホームネットワークのセキュリティを確保したり、データ伝送を安定化させたりする上で注意すべきこととは何か。主要な4つの注意点を紹介する。

2020年07月31日 05時00分 公開
[John FrueheTechTarget]

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 在宅勤務などのテレワークを実施する際は、データ伝送速度やセキュリティなど、ホームネットワーク(家庭内ネットワーク)に関する幾つかの問題が浮上する可能性がある。ホームネットワークを構築する際に注意すべき点を紹介する。

注意点1.無線LAN規格の確認

 自宅でクライアント端末を無線LAN接続する際は「無線LANアクセスポイント」を用意する必要がある。ホームネットワークでは一般的に、ルーターと無線LANアクセスポイントの機能を持つ「無線LANルーター」を利用する。インターネットサービスプロバイダー(ISP)が提供する無線LANルーター機能付きのCPE(宅内設置機器)か、サードパーティー製の無線LANルーターが選択肢になる。

 無線LANルーターは、一般的に複数のクライアント端末と接続できる。できる限りデータ伝送速度を高速にしたいのであれば、無線LANルーターだけではなく、クライアント端末の無線LANモジュールも最新の無線LAN規格に準拠している必要がある。クライアント端末側が最新規格に準拠していない場合は、USB接続の無線LANアダプターを使用することも可能だ。

注意点2.適切な接続手段の選択

 高速かつ安定したデータ伝送を実現したい場合は、有線LANが適切だ。ただし自宅で仕事をする場所とネットワーク機器が常に近いとは限らない。リビングルームなど家族が集まる場所にCPEを設置し、そことは別の部屋で仕事をする人は少なくないからだ。こうした制限がある場合は、無線LANで接続することが望ましい。他にも家庭の電気配線を利用する「PLC」(電力線通信)、無線LANルーターとその中継器で構成する「メッシュネットワーク」などがある。

 これらの手段にはそれぞれ長所と短所がある。有線LANを使えばデータ伝送が安定するものの、構築の手間が掛かる可能性がある。メッシュネットワークを含めて無線LANはデータ伝送の安定性を確保する上では最良の選択肢とは言えない。

注意点3.セキュリティ対策の徹底

 ISPが提供するCPEを利用する場合であれ、自分でネットワーク機器を購入する場合であれ、ホームネットワークの構築において欠かせないのはセキュリティの保護だ。特に下記の点に注意するとよい。

  • クライアント端末のログイン認証を使う。デフォルトのパスワードは全て変更する
  • ルーターのファイアウォールを有効にする
  • 必要がなければモデムやルーターへのリモートアクセス機能を無効にする

 無線LANアクセスポイントを利用する際は、ホームネットワークに不正アクセスで侵入されることを防ぐために、必ずパスワードを設定すべきだ。

注意点4.QoSの設定

 「QoS」(Quality of Service)の設定もホームネットワークの構築では忘れてはならない。QoSの設定は、データの種類に応じて伝送の優先度を設定することを指す。通常はルーターを使ってQoSを設定する。映像/音声データ伝送の優先度を高く設定することにより、ゲームや大容量のファイルのダウンロードが、Web会議の接続に悪影響を与えるのを防ぐことができる。QoSの設定方法はルーターごとに異なるため、各製品のドキュメントで確認しよう。

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