上手なパスワードの使い方【中編】
“12文字”未満は要注意 パスワードクラックする「レインボーテーブル」とは?
テクノロジーの進歩に伴いパスワード解読されるリスクが高まっている。そのために攻撃者が悪用している「レインボーテーブル」とはどのようなものか。
パスワードは認証方法として広く普及しているものの、セキュリティに関してさまざまな課題を抱えている。アプリケーションやOSはパスワードを平文では保存しない仕組みを採用するようになっている。これはユーザーがパスワードを新たに設定すると、そのパスワード用文字列に暗号化アルゴリズムを適用し、パスワードを表す個別のハッシュ値を生成して保存する仕組みだ。ユーザーがパスワードを入力すると、システムはパスワードとそれを暗号化した文字列のハッシュ値を生成する。この値を先に保存したファイルに記載されているハッシュ値と照らし合わせ、入力された文字列が正しいパスワードかどうかを判断する。
かつてパスワードのハッシュ化の安全性は高いと考えられていた。たとえ攻撃者がパスワードのハッシュ値を記したファイルを入手したとしても、無作為に生成したパスワードを入力した結果をそのハッシュ値と照合することには膨大な量の計算が必要であり、実質的に不可能だったからだ。
「レインボーテーブル」の登場
コンピュータの処理能力が飛躍的に向上する中で、攻撃者はあらゆる文字の組み合わせ(A、AA、AAAといった英数字の全配列)とそのハッシュ値を対応表にまとめている。この表は「レインボーテーブル」と呼ばれ、攻撃者の間で共有されている。
レインボーテーブルの作成には長時間を要するものの、攻撃者は継続的にその作業を進めている。パスワードのハッシュ値を取得する試みが始まって以来、レインボーテーブルの規模は広がっているのだ。その結果、長さが12文字に満たないパスワードはレインボーテーブルにハッシュ値が登録されている可能性が高い。つまり攻撃者が正しいパスワードのハッシュ値が記録されたファイルを入手すれば、そのパスワードで認証するシステムやアプリケーションのレインボーテーブルを入手してハッシュ値を参照するだけで、保存されているユーザーのパスワードを突き止めることができる。
レインボーテーブルは今後も拡張を続けると想定し、パスワードを設定する際は長く複雑にして、攻撃者が特定するには多大な労力を要するようにしなければならない。ただしパスワードの最小文字数を決めても、それが必ずしも意味のある対策とは言えない。レインボーテーブルの作成作業が継続していることを考えれば、いずれ攻撃者に突き止められる可能性があるからだ。機密データを利用する際の認証にパスワードを使うのは危険だと指摘するセキュリティの専門家がいるのは、それが主な理由だ。
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上手なパスワードの使い方
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