「LAN」新規格の動向【後編】
“高速化”に逆行する「イーサネット」 “低速”ネットワークが必要な理由
産業のニーズに応じてさまざまなLANの規格が策定されてきた。一様に高速化を目指してきたと考えられがちなイーサネットにも新たな用途が生まれている。なぜそうした変化が生じているのか。
LAN(ローカルエリアネットワーク)の規格の標準化を担うのが標準化団体IEEE(米電気電子技術者協会)のIEEE 802委員会だ。イーサネット規格「IEEE 802.3」も同委員会が仕様を策定する。
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「イーサネット」の進化を詳しく
IEEE 802委員会のチェアマンを務めるポール・ニコリッチ氏は、IEEEが策定してきた革新的なイーサネットの技術の一つとしてツイストペアケーブル(より対線)を挙げる。ツイストペアケーブルはそれまでの主流だった同軸ケーブルよりも配線の自由度が高いという利点がある。「建物のインフラを変更せずに、新たなネットワーク機能を導入できる点が革新的だった。イーサネットは有線ネットワーク技術の勝者になった」と同氏は語る。
伝送距離の延長と低速化に向かうイーサネット技術
イーサネットの進化は続き、銅線を使用するツイストペアケーブルに加えて光ファイバーを使用する規格も登場した。ツイストペアケーブルや光ファイバーを使用した規格の帯域幅は拡大し続けている。
データ伝送速度が高速化する流れとは反対に、データ伝送速度を落として伝送距離を延ばすことを求める業界もある。自動車産業のように、産業用ロボットを活用して生産工程を自動化するファクトリーオートメーションを取り入れている業界がその例だ。「こうした現場では10Gbpsの高速なデータ伝送速度よりも、より遠くまでデータを伝送できる方が重要な場合がある。『低速でもいいから100m先ではなく1キロ先までデータを伝送したい』というニーズがあるためだ」(ニコリッチ氏)
ネットワークのトポロジー(接続形態)としてマルチドロップ接続(1本のケーブルに複数のデバイスが接続する形態)が重要な場合もある。マルチドロップ接続は複数のセンサーなどの機器を効率的に接続できるため、広範囲に分散したデバイスを管理するIoT(モノのインターネット)での利用に適している。デバイスのデータを収集するだけであれば、高速なデータ伝送速度は必要なく、10Mbps程度で十分な場合もある。
「以前はデータ伝送速度の高速化を一途に目指す傾向があった。低速でもいいから長い伝送距離を必要とする用途が広がっているのは、新たな動きだ」とニコリッチ氏は語る。
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「LAN」新規格の動向
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