「イーサネット」はXeroxのパロアルト研究所(PARC)が1970年代に開発し、1983年にIEEE(米電気電子技術者協会)が標準規格として認定した。その原型となったネットワークとは。
科学者は昔、光が空間を突き抜けて拡散するための媒体として、「エーテル」(英語で「イーサ」)という謎の物質が存在すると信じていた。光が粒子と波の両方の性質を持つことを物理学者が発見すると、その説は否定された。だがこのエーテルという古めかしい単語は、ある現代用語の中で生き続けている。複雑なコンピュータネットワークを通り抜けて情報の断片を伝達する技術を意味する「イーサネット」という言葉だ。
イーサネットは1970年代初め、Xeroxが開設した研究機関であるパロアルト研究所(PARC:Palo Alto Research Center)のロバート・メトカーフ氏やデービッド・ボッグス氏らのチームによって開発された。その後、業界標準化団体IEEE(米電気電子技術者協会)が1983年に標準規格「IEEE 802.3」として承認し、LAN技術の主流になった。IEEE 802.3の誕生から数十年を経た今も、イーサネットの進化は続いている。
本連載は過去数十年のイーサネット技術の進化に目を向けるとともに、今後の方向性を探る。
メトカーフ氏はエンジニアとしてPARCに勤務していたとき、イーサネットのコンセプトをメモに記した。1973年のことだ。イーサネット革命はここから始まった。メトカーフ氏はこの技術について、「分散した高度なコンピュータを接続し、互いに通信できるようにするとともに、高速レーザープリンタのようなデバイスとの通信も可能にする技術」だとメモに書いた。これを実現したデバイスの相互接続は、単なるデバイスの寄せ集めではない。それは現代のわれわれがLANとして認識できる世界初の姿だった。
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