独自スイッチ「Minipack」との違いは
FacebookがAristaとスイッチ「7368X4」を共同開発 その意味とは?
Facebookが発表したデータセンター刷新の計画には、2つの新しいネットワークスイッチが含まれている。Arista Networksと共同開発した「Minipack」と「7368X4」だ。
Facebookは、業界団体Open Compute Project(OCP)の年次イベント「2019 OCP Global Summit」で、開発に2年を要した「F16」と呼ぶファブリック(ネットワークリソースの運用効率向上を目指した構成手法)の最新の設計を公表した。Facebookの提唱によって立ち上がったOCPは、データセンター向けハードウェアの設計をオープン化することを目的とする組織だ。
Facebookはファブリックのコンポーネントとして、独自に設計した「Minipack」と、Arista Networksが提供する「Arista 7368X4」シリーズの2つのネットワークスイッチを共同で開発し、発表した。FacebookとArista Networksは、これらのネットワークスイッチの仕様をOCPに提供し、オープンソーステクノロジーとして利用可能にした。
Arista Networksは同社のネットワークOS(NOS)である「Arista EOS」、またはFacebookが開発したオープンソースのNOSである「FBOSS」を7368X4と併せて提供する。
共同開発の狙いとは
今回発表した2つの製品は、両者の共同開発製品としては初になる。これまで、Arista Networksは単独でスイッチを設計・開発し、FacebookはEdgecore NetworksやCelesticaといったネットワークベンダーと協力し、自社で設計したハードウェアを製造してきた。
Facebookの新たなファブリックの設計であるF16で、FacebookはMinipackのみに依存することを回避するためにArista Networksとの協働を決めた。両者はこの協働をきっかけとして、長期にわたるパートナーとして製品を共同開発する。
調査会社IDCのアナリストであるブラッド・ケースモア氏は、「Facebookはこうした動きの結果、Arista Networksの製品供給先であるクラウドベンダーの他、大規模な電子商取引(EC)に関連する企業から肯定的な反応を得ることになった」と指摘する。
7368X4は100ギガビットイーサネット(GbE)と400GbEの通信規格に準拠している。これほど高性能のネットワークスイッチは小規模、中規模のデータセンター向きではない。
数十億ドル規模の市場がターゲット
データセンター向けネットワーク機器のグローバル市場は、クラウドベンダー向けだけでも数十億ドル規模になる。調査会社IHS Markitは、2021年までに、ネットワーク市場における総支出の23%、120億ドルがクラウドベンダー向け市場に注がれると見込んでいる。Arista Networksはこの市場でCisco SystemsやJuniper Networksと競合することになる。
Minipackの処理性能(スループット)は7368X4と同等だ。これらのハードウェアは、ハイパースケールデータセンター(大規模なパブリッククラウド向けデータセンター)など大規模のデータセンターに特化している。通信会社Orangeのクラウドアーキテクトであるジェレミー・ヒュールブローク氏は、「最大128ポートの100GbEまたは最大32ポートの400GbEをサポートするハードウェアは、自社のデータセンター向けとしては高密度過ぎる」と語る。
Facebookは、26億人へのサービス提供を支えるハードウェアとしてMinipackを設計した。「このネットワークスイッチが必要になるのは一般的な用途ではない。当社のデータセンターのトラフィックはFacebookほど多くない」(ヒュールブローク氏)
OCPが支援してIHS Markitが実施した調査では、OCPのオープンソース技術に最も関心のある企業は通信会社で、続いてハイパースケールデータセンターを運営する企業、クラウドベンダー、金融機関、政府機関と続く。
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