データトラフィックは日々増大している。だからこれまで以上に高速で広帯域のネットワークが必要になる。この予測が大きく外れることはまずないだろう。ここでいうネットワークは、バックボーン回線だけではなく、データセンターやサーバルームの中にあるコンピューティングユニットとストレージの接続も当てはまる。
2010年まで、ラックに多数のブレードサーバを収めるようなケースでは、サーバとラックに設置したスイッチは、データ転送速度が1Gbpsのギガビットイーサネット(GbE)規格「1000BASE-T」ベースの接続で間に合っていた。ただ、スイッチは1000BASE-Tでは転送速度が足りないため、光ファイバーなどを利用して10Gbpsのデータ転送速度を実現した10GbEを使うのが一般的だった。当時はラック間の接続にだけ、10GbEを利用していた。
ところがブレードサーバの処理能力が向上し、ストレージでHDDの代わりにSSDを搭載して転送性能が向上した結果、スイッチとサーバの間で使っていた1000BASE-Tでもデータ通信容量(帯域)が飽和するようになった。この1000BASE-Tの帯域飽和は今に始まった話ではなく、かなり以前から関係者が警告していた話でもある。
この問題を解決する方法も幾つかの提案が出ていて、複数の1000BASE-Tポートを束ねて高速化するトランキングや、直接光ファイバーを接続してより高速(10Gbps〜)なイーサネットを使うなどの方法が既に実用化している。ただトランキングは接続に要するポート数が増えることにつながる。スイッチ側のポート数が増えることは価格を押し上げる大きな要因となるため、普及のためには長期的に考えるといい方法ではない。高速なデータ通信を可能にする光ファイバーに関してもコストの問題が無視できない。
この問題を解決する方法も実は以前からあり、10Gbpsのデータ転送速度をUTP(シールドなしツイストペア)/STP(シールド付きツイストペア)ケーブルで実現する「10GBASE-T」という規格を策定している。この規格に準拠した製品も登場しているが、普及しているというには程遠い状況だ。また近い将来にデータセンター内のブレードサーバに広く入る、という話もない。今回はその理由について説明する。
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