「イーサネット」の歴史と進化【後編】
10Mbpsから1Tbps超えへ 歴史から読み解く「イーサネット」の進化
10Mbpsで始まったイーサネットの伝送速度。IEEEは400Gbpsまでの規格を標準化し、さらに1Tbpsやそれを上回る規格の標準化を視野に入れている。イーサネットはどのように進化してきたのか。その過程を追う。
「イーサネット」はXeroxの研究機関であるパロアルト研究所(PARC)が1970年代に開発し、1983年に業界標準化団体IEEE(米電気電子技術者協会)の標準規格「IEEE 802.3」となった。前編「『イーサネット』の原型はハワイのネットワークだった?」に続き、本編はイーサネットが現在に至るまでにどのように進化してきたのかを解説する。
XeroxはDigital Equipment(DEC:1998年にCompaqが買収し、Compaqは2001年に旧Hewlett-Packardが買収)およびIntelと組んで、初の10Mbpsのイーサネット規格を策定。1980年にIEEEのLAN(ローカルエリアネットワーク)とMAN(都市域ネットワーク)の標準化委員会が、同規格を基にした標準規格(DEC、Intel、Compaqの頭文字を取って「DIX標準」と呼ばれる)を公表した。LAN/MANの標準規格は名称に「IEEE 802」を含む。
IEEEのLAN/MANの標準化委員会は、「IEEE 802.3」と名付けた規格の委員会を創設。1983年には、銅線を使って周波数の高い信号を伝送する同軸ケーブルを使ったイーサネット規格「10BASE5」(IEEEの標準規格名は「IEEE 802.3」)を承認した。次にIEEEは、同軸ケーブルを使う10Mbpsの異なるイーサネットの規格「10BASE2」を承認。続いて銅線2本をより合わせたツイストペアケーブルを使うイーサネット規格「10BASE-T」と光ファイバーを使う「10BASE-FL」も標準規格として承認した。
「ファストイーサネット」から「ギガビットイーサネット」、さらにその先へ
1995年に標準化した「ファストイーサネット」と呼ばれる100Mbpsのイーサネット規格「100BASE-T」には、「オートネゴシエーション」機能を導入した。オートネゴシエーション機能により、2台のネットワーク機器が互いに通信し、伝送速度や通信モードなどの伝送パラメータを最適化できるようにした。
それから3年後の1998年、イーサネットは新たな節目に到達した。IEEEはその年、伝送速度が1Gbpsの「ギガビットイーサネット」(GbE)として「1000BASE-X」を標準化し、1999年には現在でも広く使われている「1000BASE-T」を標準化した。
イーサネットの進化は続き、2002年には伝送速度が10Gbpsに到達した。8年後の2010年、IEEEは40GbEと100GbEのイーサネット規格を標準化した。この伝送速度は、10Mbpsのレーン(伝送チャネル)を組み合わせることで達成した。
2016年、IEEEが標準化した25GbEは、10GbEと比べて速いスループット(実効的な伝送速度)を実現しながら、40GbEよりコスト効率が高いとうたっていた。25GbEは伝送容量の小さい複数のレーンを組み合わせるのではなく、単一のレーンの伝送容量を引き上げることによってスループットを向上させている。このため25GbEは40GbEと比べて必要なケーブルや電力が少なく、ポート密度が高い。場合によっては、データセンターのケーブルを25GbEにアップグレードすることで、トップオブラック型(各ラックの最上部にスイッチを配置する形式)のスイッチの寿命を延ばせる可能性がある。
2017年の暮れ、IEEEはいずれも50Gbpsのシングルレーンをベースとする200GbEと400GbEのイーサネット規格を承認した。クラウドベンダーなどのハイパースケール(超大規模)データセンターを運営する企業の間では、ネットワークの伝送速度のさらなる高速化を求める声が高まっている。これを受け、IEEEは800Gbpsと1Tbps、そしてさらにその先へと目を向けている。イーサネットの進化は今後も続く。
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「イーサネット」の歴史と進化
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