「ホワイトボックス」のネットワーク機器を利用する動きが広がりを見せている。ホワイトボックス機器の利点や、どのような企業が導入しているのかを解説する。
「ホワイトボックス」(ノーブランドの製品)のネットワークスイッチとルーターは、特定のベンダーが提供するネットワーク機器に依存しないネットワークOS(NOS)を搭載する。ホワイトボックスのネットワーク機器を導入する利点は、コスト抑制や必要に応じて迅速にネットワーク構成を変更できる柔軟性などだ。
大規模な大手クラウドベンダーを中心にホワイトボックスのネットワーク機器を導入する動きがあり、各社の大規模データセンターで広く利用している。企業のIT部門がホワイトボックスのネットワーク機器の導入を検討すべきケースは、グリーンフィールド(新設)のデータセンターを立ち上げる際や、ある特定のパターンにおけるネットワークのアップグレード時などだ。
ホワイトボックスのネットワーク機器は、既製品である市販のスイッチやルーターとして購入可能だ。このような製品は、レイヤー2とレイヤー3をコントロールできるNOSを搭載する。NOSはスイッチやルーターに事前にインストールされた状態で入手するか、個別に購入してネットワーク機器にインストールする。ホワイトボックスのどのネットワーク機器のベンダーも、Broadcom製のチップを使用していることが一般的だ。例えばAccton Technology、Celestica、Edgecore Networks、Foxconn Technology Group、Lanner Electronics、Quanta Computerといったベンダーがホワイトボックスのネットワーク機器を提供している。
ホワイトボックスのネットワーク機器向けのNOSを供給するベンダーとしては、Arrcus、Kaloom、Cumulus Networks、Big Switch Networks、Pluribus Networks、SnapRouteなどがある。オープンソースまたは業界標準を目指すNOSとしては、Microsoftの「Software for Open Networking in the Cloud」(SONIC)、FacebookとOpen Compute Project(OCP:データセンターで利用するハードウェアのオープン化を目指した団体)が共同で開発した「Facebook Open Switching System」(開発コードネーム:FBOSS)、AT&Tの「Disaggregated Network Operating System」(DANOS)などがある。
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