HDDより予兆は見つけにくい?
「SSD」の障害を引き起こす4つの原因と対処法
SSDはHDDと比べて高速処理が可能で信頼性も高いが、障害が発生することはある。SSDの障害が起こる原因と、正常な状態で使い続けるための方法を紹介する。
HDDと比べると、SATA(Serial ATA)やSAS(Serial Attached SCSI)といったHDDと同様のストレージインタフェース規格を採用したSSD(ソリッドステートドライブ)の信頼性は格段に高い。ただし障害が発生しないストレージ技術は存在しないと言ってよい。SSDでも突然故障が発生したり、経年劣化による不具合が生じたりすることがある。
データ損失を回避して安全にデータを復旧させるためには、SSDの不具合を早期に検知し、対処する方法を知っておくことが重要だ。あらゆるストレージがそうであるように、SSDもいつかは壊れて使用できなくなる。違いは、それがいつになるかだ。HDDとは異なり、SSDの不具合を音で察知することはできない。だが、仮にSSDが破損したとしても、データを復元できる可能性はある。
SSDの障害が発生する4つの主な原因と解決方法を紹介する。
目次
- 障害原因1.熱(一部公開)
- 障害原因2.ファームウェアの問題(会員限定)
- 障害原因3.誤った使い方(会員限定)
- 障害原因4.見えにくい問題(会員限定)
障害原因1.熱
SSDが故障する主な原因は熱だ。SSDは非常に高温になることがある。ソフトウェアベンダーSolarWindsのレオン・アダト氏は「高負荷の計算など処理が集中する用途では特に高温になりやすい。平均的な負荷が掛かる処理でも発熱が原因で不具合が発生する場合がある」と説明する。
適切に冷却すればSSDの過熱化を回避し、故障や処理速度の速度低下を防ぐことができる。問題は冷却方法だ。アダト氏によれば例えば下記のような方法がある。
- 大きなシャシーを採用して外気の流れを確保する
- ヒートシンク、ファン、水冷システムなど放熱するための装置を搭載する
- 室温を低くする
「どんな方法であれ、SSDを搭載するシャシー内を冷却したり、外気を下げたりする対策が必要だ」とアダト氏は説明する。
障害原因2.ファームウェアの問題
SSDのファームウェアは複雑で、まれに起こる障害は解決が難しい。幸い、一般的なSSDはファームウェアで重大な問題が発生すると、フェイルセーフモードに切り替わって自動的に安全な状態に移行する。通常、SSDでデータの整合性を維持できなくなったときには、製品が実装する機能によってネームスペース(論理的に分割した記憶領域)がオフラインか読み取り専用モードになる。「これによって不良データは使用できないようになる」と、Intelのジョンマイケル・ハンズ氏は説明する。
頻度は低いものの、SSDにおけるファームウェアの問題はまれに発生する。2019年11月には、Hewlett Packard Enterprise(HPE)が提供するSSDのファームウェア「HPD8」の重大な問題が発覚した。HPEが発表した内容によれば、この修正を適用しなければ3万2768時間以上SSDを稼働させると障害が発生し、保存しているデータを全て失うことになるという。この稼働時間を日数に直すと、3年270日と8時間という計算になる。
障害原因3.誤った使い方
SSDの使い方でよくある誤りは、アプリケーションに適さないSSDを使って劣化を早めてしまうことだ。一例としてハンズ氏によると、1つのメモリセルに4bitを格納する「QLC」(クアッドレベルセル)方式のNAND型フラッシュメモリを搭載したSSDは、耐久性が比較的低い。オブジェクトストレージなど書き込み回数の少ない用途に適しており、書き込み回数が多くなる用途には向いていないと同氏は説明する。
フラッシュストレージはモデル化された数値によってほぼ正確に耐久性を予測可能であるため、綿密に計画すれば予定外の障害は回避できる可能性が高い。ハンズ氏によると、SSDのDWPD(1日当たりのドライブ書き込み回数)とTBW(書き込み可能な総バイト数)を把握しておくことが重要だ。「用途に応じてどのSSDのタイプが最適か判断する必要がある」と同氏は語る。SSDの劣化時期を予測するにはIntelの「Intel SSD Endurance Estimator」などの耐久性見積もりツールが役立つ。
変更履歴(2020年5月7日10時20分)
記事掲載当初、本文でQLC方式の説明として「1つのメモリセルに3bitを格納する」と記載していましたが、正しくは「1つのメモリセルに4bitを格納する」です。おわびして訂正します。本文は修正済みです。
障害原因4.見えにくい問題
SSDの問題は実際にトラブルが顕在化するまで見つけることが難しい。問題を早く察知できれば、それだけ早く対処でき、影響を最小限に食い止められる。アダト氏は問題を察知するには「ハードウェアの監視ツールでI/O(データの書き込みと読み込み)速度の低下や不良な領域が生じていないかどうかを監視して、障害の兆候をなるべく早めに把握することが重要だ」と語る。
変更履歴(2020年6月9日11時43分)
記事掲載当初、SSDの問題の説明として「I/O(データの書き込みと読み込み)速度の定価」と記載していましたが、正しくは「I/O(データの書き込みと読み込み)速度の低下」です。おわびして訂正します。本文は修正済みです。
従業員がSSDのパフォーマンス低下や不調を報告しやすい職場環境を整えることも重要だ。「IT管理者は早急に問題を把握する必要がある。責任の追及より、迅速な対処の方がはるかに重要だ」とアダト氏は語る。素早く対処すればSSDの障害による損害を最小限に抑えることができる。「データの書き込みができなくなっても、読み取りができる状態であればまだ希望がある。それならSSDを廃棄する前にデータを別のSSDに移すことが可能だ」(アダト氏)
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