「NVMe」が変えるストレージ市場【前編】
NVMeストレージが売れると「SATA接続型SSD」が売れなくなると予想できる理由
パフォーマンスや価格優位性が増し、利用が広がりつつある「NVMeストレージ」。その普及の影響は、HDDからストレージ市場の主導権を奪った従来型SSDにも及んでいるという。それはどういうことなのか。
不揮発性ストレージを接続するためのインタフェース規格「NVM Express」(NVMe)市場の成熟が進んでいる。NVMe準拠のストレージ(以下、NVMeストレージ)を導入した企業は新たなメリットを享受しており、NVMeストレージの用途も広がっている。前後編にわたり、こうした点について業界専門家の意見を紹介する。
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ここ数年でNVMe関連技術は大きく進化を遂げてきた。性能要求が厳しいアプリケーションに、NVMeストレージを利用する動きが活発化している。
NVMeに関する最近のトレンドは「NVMe over Fabrics」(NVMe-oF)の導入と、ストレージ要件の厳しいアプリケーションでのNVMeの利用増加の2つがある。
前者のNVMe-oFは、イーサネットやファイバーチャネル(FC)、InfiniBandといったインタフェース規格準拠の物理ネットワークを介した、サーバとストレージシステム間の接続をNVMeで高速化する。「Remote Direct Memory Access」(RDMA:他のコンピュータのメモリに直接アクセスする技術)といった技術を用いてデータを高速に転送する。NVMeのパフォーマンスとコスト効果をデータセンター全体に広げる。
後者は、AI(人工知能)技術など大量のデータを高速に処理する必要があるアプリケーションの間で、NVMeストレージの採用が進みつつある。NVMeストレージの未来に目を向けると、この2つのトレンドが重要な役割を果たすことになるだろう。
NVMe関連技術の動向を把握する際には、記憶媒体にフラッシュメモリを採用した「フラッシュストレージ」の動向を無視することはできない。IBMの研究員で、フラッシュストレージの最高技術責任者(CTO)を務めるアンディ・ウォールズ氏によると、大半のデータセンターは全ての容量をフラッシュメモリでまかなうストレージシステム「オールフラッシュアレイ」を既に導入しているか、導入や検討を進めているところだ。こうした動きは「サーバ仮想化やデータベース管理システム(DBMS)のような従来型のシステムに大きなメリットをもたらす」とウォールズ氏は語る。
NVMeストレージの普及が「SATA接続型SSD」に影響か
「価格が低下するにつれ、NVMeストレージの導入が広がり続けるだろう」と予測するのは、メモリベンダーKingston Technologyでフィールドアプリケーションエンジニアを務めるマーク・ノーランド氏だ。
NVMeストレージの次の大きなトレンドは、価格が「SATA接続型SSD」と同等まで低下することによる導入数の増加になるとノーランド氏は予測する。SATA接続型SSDは、インタフェース規格にHDDで広く使われているSATA(Serial ATA)を採用したSSD(ソリッドステートドライブ)であり、HDDからの置き換えが容易だ。「NVMeストレージと価格が変わらないのにSATA接続型SSDを購入するだろうか。明らかにNVMeストレージが着実に市場シェアを伸ばし、SATA接続型SSDの販売数は減少するだろう」(同氏)
ノーランド氏は「NVMeストレージの需要が増すにつれて、企業が購入するCPUの種類と、CPUと併用するDRAMの量が変わり始める可能性がある」と予測する。ほとんどのストレージベンダーは、NVMeを既存の設計へのアドオン、または付け足しとして自社製品に取り入れているのが現状だと同氏は指摘。「今後2年程度でサーバの設計が変わり、NVMe準拠のオールフラッシュアレイのニーズに応えることになるだろう」と語る。
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「NVMe」が変えるストレージ市場
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