データセンター運用が複雑化するにつれ、重要性が高まっているのがデータセンターの設備やITインフラを一元管理する「DCIM」だ。その機能や利点を解説する。
データセンターの運用効率や可用性への要求が高まる中、その複雑になりゆく設備とITインフラをどう管理するかは、あらゆる組織にとって重要なテーマだ。従来のツールや手法では限界が見え始めており、より包括的なアプローチが求められている。
こうした中、選択肢の一つとして注目を集めているのが「DCIM」(データセンターインフラ管理)だ。この仕組みにおいてはどのような機能が現場でどう活用されているのか。DCIMの代表的な機能や利点を紹介する。
DCIMは、サーバやネットワーク、電源、冷却など、データセンター内の設備やIT機器を一元的に管理するための仕組みだ。DCIMの主な機能として以下が挙げられる。
DCIMの主な利点は以下の通りだ。
DCIMにはさまざなな利点がある一方で、導入や運用にはさまざまな課題も伴う。
DCIMを導入する際の健全な戦略は、最小限の機能から段階的に実装を進め、徐々に機能を拡張していくことだ。このような段階的なアプローチを取ることで、移行プロセスの複雑さを軽減できる。
例えば、スプレッドシートによる手作業の管理から脱却し、自動化されたデータセンター資産管理ツールへと移行することで、迅速かつ具体的な成果を得られる。この成果を足がかりに、キャパシティー管理や電力管理、環境モニタリングなど、DCIMの他の領域へと取り組みを広げていける。
DCIMソフトウェアは、自社の物理アーキテクチャや監視体制、変更管理、スケーリング、キャパシティープランニング、資材カタログ作成、データの可視化といったニーズに合ったものを選定すべきだ。
ここで言う「データの可視化」とは、ダッシュボード、トレンドチャート、レポート、ラックや列の立面図、フロアレイアウト図などを通じて、データセンターに関する情報を視覚的に表示することを指す。
DCIMツールは、大規模かつ複雑なプラットフォームになる可能性がある。一度導入すると、後からの変更が困難になる場合もあるため、製品の選定は極めて重要だ。そのため、管理ツールの検討に当たっては、以下の点を確認する概念実証(PoC:Proof of Concept)の実施が強く推奨される。
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