AIとRPAの今後【後編】
コロナ禍で「AI」「RPA」による自動化は何を実現するのか
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で経済活動が制限される一方で負荷の増大を余儀なくされている業務もある。課題解決の切り札として期待されるのが「AI」と「RPA」だ。
「コロナ禍」で損失が出ている企業は少なくない。完全に業務が止まっている企業もある。そこにはもちろんAI(人工知能)ベンダーも含まれる。ITインフラの監視とIoT(モノのインターネット)分析のためのマシンデータインテリジェンスベンダーCirconusでCEOを務めるボブ・モール氏は、同社がこうした逆境下でも優位な地位にあると考えている。「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はインフラ、クラウド、クラウドサービス、自動化などの技術に良い兆しを見せている」(モール氏)
コロナ禍でAIによる自動化がもたらした変化
AI技術やRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を手掛けるベンダーの中には、ある特定のビジネス分野で急成長を遂げている場合がある。生体認証技術を手掛けるJumioもその一つだ。同社のマーケティング担当バイスプレジデントであるディーン・ニコルズ氏は「生体認証技術はほんの短い時間でオンラインギャンブルと金融業界に大きな浸透を遂げた。実在する銀行とギャンブルの場所が地理的に近いためだ」と語る。
Jumioは、機械学習を人力で補完するハイブリッド生体認証システムと「Jumio Go」という完全に自動化された生体認証システムを販売する。どちらの製品もバイオメトリクス、機械学習、アナリティクスを使用して、エンドユーザーがリモートで本人認証できる。これは、急激に拡大する在宅勤務経済において増大するニーズだ。
パンデミック(感染症の世界的な大流行)により、Jumio社内にも自宅で仕事をしたり、一時的に仕事をやめたりしている従業員がいる。そのため最近、ハイブリッド生体認証システムの一部のエンドユーザーが一時的にJumio Goに切り替えることになった。「私たちが完全に自動化された生体認証システムを持っていたのは幸いだ。これがなければ身動きが取れなかった」とニコルズ氏は語る。
Jumioは2020年7月1日、あるいはパンデミックが収束するまで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などコロナウイルスによって引き起こされる病気と格闘している医療機関および教育機関に、Jumio Goを無料で提供する。
モバイルシステムでの認証は、高速だが結果の精度は高くない。それでもニコルズ氏は、Jumio Goを使用することでエンドユーザーが本人認証の時間を大幅に短縮できるメリットを強調する。そしてパンデミックが収束した後も、多くのユーザー企業がJumio Goを使い続けると考えている。
ソフトウェア自動化の実用主義
調査会社のClickchart(「CCS Insight」の名称で事業展開)で企業調査担当バイスプレジデントを務めるニック・マッキーア氏によれば、もはや企業にはAI技術やRPAを試しに使ってみるといった余裕はない。企業は特定のアプリケーションを自動化したり、AI技術を使用したりすることで、明確な運用改善を求めている。AI技術が、この景気後退時にコストを最適化するだけでなく、全体としてビジネスにより良い結果をもたらすことに期待している。
「企業はCOVID-19後の世界で、ビジネスのリエンジニアリング(抜本的な再構築)、生産性の向上、そしてより良いビジネスプロセスを生み出すことを求めている」とマッキーア氏は指摘。ここに焦点を当てるAIおよびRPAアプリケーションは「さらに注目されるだろう」と語る。
変更履歴(2021年12月8日13時20分)
掲載当初、リード文に「COVIT-19」と記載していたのは、「COVID-19」の誤りでした。おわびして訂正いたします。本文は修正済みです。
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