「HCI」混戦時代へ【前編】
「HCI」の好調がストレージの売上高減少の原因だった?
2019年第4四半期前後のベンダー各社のストレージの売上高は落ち込む一方、「HCI」の売上高は伸びている。市場で何が起きているのだろうか。
サーバとストレージの売上高が落ち込む中で、ユーザー企業の需要は複数のサーバの内蔵ストレージを1つの共有ストレージとして利用する「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)に流れているようだ。Dell EMCを傘下に持つDell TechnologiesやNetApp、Hewlett Packard Enterprise(HPE)などストレージベンダー各社は、2019年第四半期(2019年10月~12月)前後のストレージの売上高が落ち込んだと報告している。
落ち込むストレージ、伸びるHCI
IBMのストレージの売上高は同社の2019年度第4四半期(2019年10月~12月)に前年度同期比3%増と微増に転じたものの、その前は下降気味だった。Pure Storageの2020年度第4四半期(2019年11月~2020年1月)の売上高は前年度同期比17%増となったが、前年度同期の大幅成長と比べると見劣りする。
調査会社Forrester Researchでサーバ分野のアナリストを務めるナビーン・チャブラ氏は、ストレージ市場に大打撃を与えているのはHCIだと指摘する。
チャブラ氏によると、ストレージベンダーの売上高は落ち込む傾向にある。唯一伸びを示しているのがPure Storageだという。「ストレージベンダーは軒並み苦境に立たされている」(同氏)。一方で同氏は、HCI市場は依然として堅調で、ストレージとサーバの売上高を引き続き侵食すると予測する。「この状況に歯止めをかける要素がない。ストレージを含め、最終的にはあらゆるハードウェアのリソースがHCIで導入されるようになる勢いだ」(同)
サーバやストレージの需要がHCIへ流れる傾向を実感しているのは、Dell EMCとHPEだ。
Dell Technologiesのストレージの売上高は2020年度第4四半期(2019年11月~2020年1月)に、前年同期比3%減の約45億ドル、サーバとネットワークの売上高は同19%減の約43億ドルだった。一方で同社の最高執行責任者(COO)を務めるジェフ・クラークによると、HCIの売上高は同10%強の増加となった。これは主にDell EMCのHCIアプライアンス「Dell EMC VxRail」(以下、VxRail)の販売が貢献したためだ。
VxRailはDell Technologies傘下のVMwareのストレージ仮想化製品「vSAN」を搭載している。HPEも同様にストレージとサーバの売上高が減少したのに対し、同社のHCIアプライアンス「HPE SimpliVity」の販売は伸びている。こうした傾向は、同じ期にNutanixなどHCIソフトウェアを提供するベンダーが売上高を伸ばしたことにも表れている。VMwareもvSANの予約数が増加し「成長期に入った」という。
NutanixとVMwareの両社の見解によれば、HCIソフトウェアの売上高は本来ならばより伸長した。サブスクリプション型のライセンスで導入する企業が増え、売上高としては少なくなっているとみられる。
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