機能面で差異化を図る各社
「HCI」主要ベンダー7社を比較 Nutanix、HPE、Pivot3、Ciscoの違いは
「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)製品が急速に充実している。各HCI製品にはそれぞれどのような特徴があり、他とどう違うのか。主要ベンダーのHCI製品を紹介する。
「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)製品の主なメリットとして、専用のストレージエリアネットワーク(SAN)が不要になることがよく挙げられる。これよりも大きなメリットは、インフラ全体の運用管理を統合し、業務を効率化できる点だ。
各HCI製品は、独自の機能を搭載して差異化を図る。どのようなベンダーのHCI製品があり、それぞれどのような特徴があるのか紹介しよう。
Nutanix
NutanixはHCI製品を提供し始めた当初、自社ブランドのハードウェアにHCIソフトウェアを搭載して、アプライアンスとして販売していた。発売当初、ハードウェアは1、2台または4台のノード(サーバ)を搭載できる「2U(ユニット)シャシー」を採用していた。
その後、数年を経てNutanixはHCIソフトウェアベンダーに変わった。NutanixブランドのHCIアプライアンスは、NutanixのHCI製品を導入するための選択肢の一つでしかなくなった。
NutanixのHCIアプライアンスで利用できるハイパーバイザー製品には、VMwareの「vSphere Hypervisor」(「ESXi」)、Microsoftの「Hyper-V」、Nutanixの「AHV」がある。AHVはオープンソースのハイパーバイザー「KVM」をその原点としている。
管理ツール「Prism」は、NutanixのHCI製品で注目すべき要素だ。AHVの構成状況を1画面で確認でき、ネットワークの可視化、データ分析、仮想マシン(VM)の一元管理機能を備える。
Nutanixが抱くビジョンは、HCIでは終わらず、クラウドアーキテクチャを包含する。企業のIT管理者は、デジタルビジネスの推進に貢献するアプリケーションとサービスを実現するために、クラウドを必要としているためだ。
HPE
Hewlett Packard Enterprise(HPE)のHCIアプライアンス「HPE SimpliVity」に特徴的なのは、リアルタイムの重複排除や圧縮といったデータ管理機能だ。VMのスナップショットやクローンの作成、レプリケーションの機能などを用意しているため、IT管理者はネットワーク容量とコストを抑えた運用ができる。HPE SimpliVityには、2Uサイズのサーバ「HPE ProLiant DL380」をベースにした「HPE SimpliVity 380」と、2Uサイズのシャシー「HPE Apollo r2600」をベースにした「HPE SimpliVity 2600」の2種類がある。
ほとんどのHCI製品がネットワーク経由でストレージに接続しているにもかかわらず、ネットワークの管理ツールを同梱しているベンダーは少ないのが実情だ。これに対してHPEは2018年、「Composable Fabric」(コンポーザブルファブリック)を提供するPlexxiを買収し、HPE SimpliVityと組み合わせて提供できるようにした。Composable Fabricを使用すると、管理者の意図に沿って運用を自動化するインテントベースのネットワーク管理を実現できる。
Pivot3
Pivot3はビデオ監視製品を展開するストレージベンダーだ。同社は「Acuity Datacenter Series」の製品名で成熟したHCIアプライアンスを提供している。
Acuity Datacenter Seriesの特徴は、NexGen Storageの買収で獲得したストレージのサービス品質(QoS)の技術だ。QoSは、ストレージリソースを複数のアプリケーションで共有し、パフォーマンスを均等にしたいと考えるIT管理者にとって重要な検討要素となる。Pivot3はこれまで、ビデオ監視の分野で不動の地位を確立してきた。だがNexGen Storageの買収以降、同社はビデオ監視よりも、Acuity Datacenter Seriesを企業のデータセンターに対して重点的に売り込んでいる。
高パフォーマンスのVM、運用管理の効率化といった特徴によって、Acuity Datacenter SeriesはIT管理者にとって魅力的な選択肢になる。Pivot3は、1U/2Uサーバのハイブリッド構成またはオールフラッシュ構成でHCIアプライアンスを提供する。
拡大する市場
HCIアプライアンスを提供するベンダーは他にも存在する。Scale Computingは中小企業をターゲットにしてHCI製品を提供している。HCIアプライアンス「Scale Computing HC3」で売り込みに注力しているのは、企業の支店や支社といったブランチオフィスだ。人手の掛からない管理手法が企業のIT管理者に重宝されている。
Cisco SystemsはHCIアプライアンス「Cisco HyperFlex」を販売しており、市場での注目を徐々に集めている。この製品は同社が買収したSpringpathの製品をベースにしている。Cisco HyperFlexは、導入時のサポートに加え、ストレージインタフェース規格「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)に準拠したフラッシュストレージやデータ管理機能、キャッシュなどのコンピューティングリソースを個別に拡張できる機能が特徴的だ。
現在HCI市場をリードしているのはVMwareだが、VMwareは独自のハードウェアを持っていない。ストレージ仮想化製品「vSAN」とサーバ仮想化製品「vSphere」をハードウェアパートナーのサーバに搭載することで、HCIを実現している。Dell EMCが販売する「Dell EMC VxRail」は、VMwareのソフトウェアを搭載したHCIアプライアンスの一例だ。
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