既存システムとの“相性”が鍵
「HCI」選定で必ず確認したい“6つの比較ポイント”
HCIは規模や目的に適した製品を選択すると導入効果を最大化できる。特徴や機能を評価する際の指標となる6つのポイントを紹介する。
ハイパーコンバージドインフラ(HCI)は、ソフトウェア定義データセンター(SDDC)の構築やクラウド移行への足掛かりとして利用が広がっている。HCIの導入を検討する際に評価すべきポイントについて説明する。
ポイント1.既存環境への影響を評価
HCIの導入を予定する既存のデータセンターやワークロード(アプリケーション)への影響を評価する。HCI製品の中には、コンピューティングのパフォーマンス最適化を目的とするものもあれば、VDI(仮想デスクトップインフラ)やストレージ構築の効率化に加え、エッジ(現場のデバイスに近い場所)や遠隔地にあるデータセンターの強化を目的とするものもある。
例えばDell EMCのHCI製品「Dell EMC VxRail」には、下記の通りさまざまな製品ラインアップがある。
- 小規模なエントリーレベル向けの「Eシリーズ」
- 高いパフォーマンスが特徴の「Pシリーズ」
- GPU(グラフィックス処理プロセッサ)を搭載し、VDIの導入に適する「Vシリーズ」
- 大容量ストレージを利用可能な「Sシリーズ」
ポイント2.ストレージ機能を確認
HCIは高可用性が特徴で、災害復旧(DR)やバックアップに必要な機能を備えている。これを踏まえて、自社のニーズに最適なHCIのストレージ機能を選定する。
常時稼働のデータの重複排除や圧縮といったHCIのストレージ機能を生かせば、利用できるストレージ容量を増やすことが可能だ。
ポイント3.既存のソフトウェアやハードウェアとの互換性を確認
導入済みのソフトウェアおよびハードウェアと、導入予定のHCI製品に付随するソフトウェアコンポーネントとの互換性を確認する。
例えば、「VMware vSphere」や「Microsoft Hyper-V」などのハイパーバイザーを利用できるHCI製品がある。既存の環境で運用中のハイパーバイザーと互換性のあるHCI製品を選ぶのが最善の策になる場合がある。
ポイント4.管理ツールを検討
HCIの管理方法を検討する。例えば、Hewlett Packard Enterprise(HPE)が提供するHCI製品「HPE SimpliVity」の管理プラグインは他の製品の管理もできる。運用管理ツールの「VMware vCenter」や「Microsoft System Center」も同様の管理プラグインを用意している。
既存の運用管理ツールと互換性のあるHCI製品を選択すれば、習得しなければならないスキルが増えることなく、導入・運用を簡略化できる。
ポイント5.導入範囲と制約を確認
HCI導入の範囲と制約について理解する。HCIはエッジや遠隔地のデータセンター環境で使用する際の利便性と集約度の高い製品として注目を集めてきた。遠隔地のデータセンター環境は一般的に、中核的なデータセンターよりもリソースの要件が軽いためだ。
データセンターにHCIを導入する動きが広がっているとはいえ、HCI製品の利用可能な最大の容量や、その制約が運用に与える影響については注意深くなる必要がある。例えば、HPE SimpliVityは、1つのクラスタで最大16ノードまで積載できる。クラスタを結合すれば最大96ノードまで拡張できる。
ポイント6.稼働条件を確認
HCI製品のハードウェア面の稼働条件を確認する。例えば、x86アーキテクチャのホワイトボックスサーバ(内部構造や仕様が公開されているサーバ)と各種ストレージ機器、各種ネットワーク機器を利用可能で、ソフトウェアのみで構成されているHCI製品があるとする。このようなHCI製品ならば、恐らくデータセンターの大部分にデフォルトの構成で導入できるだろう。これに対して、アプライアンスや事前構成を済ませたシステムとして販売されているHCI製品は、導入範囲を制限する可能性があるため、注意が必要だ。
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