HCIとHCISはどのように使い分ければいいのか。「システムの種類」と「情シスの気質」に注目し、企業の課題に沿った製品選定例を紹介する。
前回「HCIはなぜ誕生したのか 『統合』したからこそ起きた課題とその解決策とは」は、「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)の歴史を振り返りながら、狭義のHCIと「ハイパーコンバージドインフラシステム」(HCIS)の違いについて解説した。簡単におさらいすると、アプライアンスでの導入を前提とするシステムがHCIS、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)を前提とする製品がHCIだ。
第2回となる今回は、HCISとHCIについて企業の課題に沿った製品の選び方を解説する。本稿では、情報システム部門を思考/行動傾向別に、HCIS/HCIで稼働させるシステム(以下、利用システム)をデータの密集度別に分類し、それらの組み合わせごとにHCISとHCIのどちらの製品が適するかを示す。
情報システム部門のタイプは、大まかに改革型と保守型に分かれる。タイプごとの優劣はなく、業務の内容や規模、利用ユーザー数(顧客数)などによってタイプが変わる。
新しい技術を積極的に取り入れ、システムの刷新への抵抗が少ない。運用負荷が減るのであれば、運用変更も受け入れる。仮にトラブルが発生した場合も迅速に対処できれば問題ない。
安定性を第一に考え、既存システムに継ぎ足して作り上げる。グループ会社や外部業者とのシステム連携に影響を与えないようにするため、できる限り運用は「塩漬け」する方針。トラブルは基本的に「発生してはいけない」。
利用システムは2つのタイプに分けられる。データが基本的に分散しており、必要な時に必要な分だけデータを集める(または提供する)分散型と、一般的な基幹システムのように中心にデータを集めるデータベース(DB)中心型だ。
複数のシステムにデータを分散させて保持しており、システム同士がAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)などの標準的なインタフェースを通じて連携(疎結合)している。「できること」があらかじめ定義(カタログ化)されており、カタログの範囲であれば、自由にシステムを操作できる。データはシステムやサービス単位で管理していることが少なくない。一般的に運用やシステム変更の影響範囲は小さい。
RDB(リレーショナルデータベース)を中心にしたシステム。周辺システムがRDBを利用しており、RDBが止まらないことを何より重視する。基本的にデータを一元管理する。一般的に運用やシステム変更の影響範囲が大きい。このため「変更をしない」が基本的な考え方になる。仮に変更があってもできるだけ少なくする必要があり、作業も慎重に進めなければならない。
次に「保守型の情シスがDB中心型システムに利用」など情シスの気質と利用システムの組み合わせごとに最適なHCIS/HCIを紹介する。
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