日本経済新聞社は基幹システムとVDI(仮想デスクトップインフラ)の運用環境としてハイパーコンバージドインフラ(HCI)を選択した。なぜHCIを選んだのか。導入後の評価はどうだったか。
日本経済新聞社は自社データセンターに、サーバ内蔵ストレージを束ねて共有ストレージアレイのように利用可能にした統合型インフラ「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)を導入した。サーバ、ストレージ、ネットワークで構成する3層型の仮想化インフラの刷新が目的だ。NutanixのHCIソフトウェア「Nutanix Enterprise Cloud OS」を導入。基幹系システムと、新たに導入した仮想デスクトップインフラ(VDI)システムのインフラとして利用している。
これまで日本経済新聞社は、「日本経済新聞」(日経新聞)電子版のサービスをパブリッククラウドで運用している他は、ほぼ全てのシステムを2013年に構築したオンプレミスの自社データセンターの仮想化基盤で運用してきた。新聞制作システムや会計系のシステムなど100個以上のシステムが自社データセンターにある。
従来の仮想化インフラは、ブレードサーバとCisco Systemsのネットワークスイッチ「Cisco Nexus」、NetAppのストレージアレイ、VMwareのハイパーバイザー「ESXi」といった構成で、仮想マシン約100台を稼働させていた。Nutanixの年次カンファレンス「Nutanix .NEXT Japan 2019」で講演した日本経済新聞社情報技術本部の一木宏行氏は、この仮想化インフラの運用で「頭を悩ませることが少なくなかった」と振り返る。
悩みの種はハードウェアの度重なる増設だった。一木氏によれば増設は5年で7回に及んだという。下記のような点が問題となり、最適解を見いだすのが難しい状況に陥っていた。
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