破られた二要素認証【前編】

もはや安全ではない二要素認証(2FA)と生体認証

パスワード認証を補完、強化、代替するものとして広まった二要素認証と生体認証。だが、今やそうした認証の回避策も現れ安全とは言えなくなった。

 パスワードは最も脆弱(ぜいじゃく)なユーザー認証方式の一つだ。パスワード侵害の最初期の例は、紀元前413年までさかのぼる。古代ギリシャ軍は、夜間戦闘で敵味方を識別するのに合言葉を使っていた。この合言葉がシュラクサイ(訳注)軍に知られてしまった。ギリシャ軍は合言葉を使って友軍のふりをしたシュラクサイ軍に大打撃を受けた。

訳注:シチリア島の都市シラクサ(イタリア語)のこと。シュラクサイは古代ギリシャ語。ペロポネソス戦争におけるアテナイ(アテネ)のシケリア(シチリア)遠征(紀元前415~紀元前413年)失敗のエピソードと思われる。

 現在では、パスワードの最小要件として長さと複雑さが設定されるようになっている。だが、その要件が逆にセキュリティインフラの弱点となっている場合が多い。

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