メリットと注意点を整理
「Google Cloud VMware Engine」とは? VMwareの仮想マシンをGCPで動かす
Google Cloud PlatformでVMware製品を利用できる「Google Cloud VMware Engine」は、企業にどのようなメリットをもたらすのか。利用を検討する際の注意点とは。
Googleのクラウドサービス「Google Cloud Platform」(GCP)のユーザー企業は、GCPのインフラでVMwareのプライベートクラウド構築製品群「VMware Cloud Foundation」を利用できるようになった。新GCPサービスの「Google Cloud VMware Engine」を利用することで、ユーザー企業はGoogleが提供する専用のベアメタルサーバ(物理サーバ)で、VMware Cloud Foundationを運用できる。
「Google Cloud VMware Engine」とは
VMware Cloud Foundationはサーバ仮想化ソフトウェア「vSphere」とサーバ/仮想マシン管理ソフトウェア「vCenter Server」、ストレージ仮想化ソフトウェア「vSAN」、ネットワーク仮想化ソフトウェア「VMware NSX-T Data Center」、ハイブリッドクラウド管理ソフトウェア「VMware HCX」を含む。
Google Cloud VMware Engineは、GCPサービスの統合管理コンソール「Cloud Console」やハイブリッドクラウド管理サービス群「Anthos」、機械学習サービス「Cloud AI」といった他のGCPサービスとの連携が可能だ。GoogleはVMware製品のライフサイクル管理も担う。
GoogleとVMwareは2019年7月、ユーザー企業がvSphereで稼働する仮想マシンをGCPで実行できるようにするための提携を発表した。Googleは同年11月には、クラウドサービスでVMware製品を実行するマネージドサービスを手掛けるCloudSimpleを買収済みだ。
CloudSimpleは、Microsoftがプレビュー版を提供していた、Google Cloud VMware Engineと同様のクラウドサービス「Azure VMware Solution by CloudSimple」の提供にも関わっていた。しかしMicrosoftがその後継として2020年5月にプレビュー版を発表した「Azure VMware Solution」には、CloudSimpleは関わっていない。
Googleが積極的にVMwareと競業することは理にかなう。GoogleとVMwareは幾つかの市場でそれぞれを補完する立場にあると、IT戦略コンサルティング会社Interarbor Solutionsのプリンシパルアナリスト、ダナ・ガードナー氏は指摘する。「Googleはもっと企業を引き付ける必要があり、VMwareはクラウド市場に向けた製品を増やす必要がある」(ガードナー氏)
Google Cloud VMware Engineの注意点
企業にとっては、VMware製品を利用できるクラウドサービスの選択肢が増えることになる。ただし選択肢の多さが、システムの複雑さにつながる場合がある。
新しくIT製品やサービスを導入するとなると管理コストがかさみ、経営陣に承認されるまでの時間もかかる。各クラウドサービスで共通した技術が利用できるようになれば、こうした手続きに頭を悩ませることがなくなる可能性がある。
IT技術者で職業訓練学校Milwaukee Area Technical Collegeの講師を務めるブライアン・キルシュ氏は、Google Cloud VMware Engineについて「VMware製品のユーザー企業にとっては選択肢が広がる」と評価する。一方で既にVMware製品のユーザー企業がGCP以外のクラウドサービスを導入しつつある中で「Googleにはどの程度のチャンスがあるのか」と問い掛ける。「クラウドベンダーを1社に絞り、クラウドサービスの利用料金を1社にまとめて支払えるようにした方が、IT部門が業務をしやすいこともある」(キルシュ氏)
VMware製品のユーザー企業のうち、特にGCPと競合する他のクラウドサービスを既に利用している企業は、GCPに移行するときの負担が大きくなる可能性がある。「普段使っているものとは別のクラウドサービスへのVMware製品の移行は、手間がかかることがある」と、調査会社IDCでソフトウェア定義データセンター担当調査ディレクターを務めるギャリー・チェン氏は言う。
Googleは2020年7月、米国の2リージョンでGoogle Cloud VMware Engineの提供を始めた。2020年後半にはそれらに加えて、さらに世界の他のリージョンで提供を開始する。
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