「安さ」は判断基準にならない?
「Zoom」「Teams」「Webex」使うならどれ? Web会議ツールの選び方
Web会議ツール「Zoom」「Teams」「Webex」のどれを使うかを決める際、利用料金は重要な選定ポイントにはならないと専門家は指摘する。何を基準に選べばよいのか。
代表的なWeb会議ツールに、Zoom Video Communicationsの「Zoom」やMicrosoftの「Microsoft Teams」、Cisco Systemsの「Cisco Webex」がある。これらのWeb会議ツールの導入を検討するときは、ユーザー企業は「自社の業務内容と投資計画、5年後の目標を明確にする必要がある」と、ユニファイドコミュニケーション(UC)関連の調査を手掛けるKelCorでプリンシパルアナリストを務めるブレント・ケリー氏は説明する。
「自社の業務や投資計画に重なる分野へ投資するベンダーを選ぶとよい。イノベーションは投資されている分野で生まれるからだ」とケリー氏は主張する。例えばMicrosoftとCiscoは、店舗や流通、製造、病院などの現場の担当者向けアプリケーションに加え、会議室で利用するデジタルホワイトボードやWebカメラなどのUCデバイスに投資している。一方でZoom Video Communicationsの投資分野には、チーム用の仮想ワークスペースやテレフォニー(電話による通信)がある。企業はZoom、Teams、Webexのいずれかを選択する上で、こうした投資分野やロードマップも考慮する必要がある。
IT戦略コンサルティング会社PKE Consultingのプレジデント兼プリンシパルコンサルタントのフィル・エドホルム氏も、企業はWeb会議ツールの選定に当たり、自社の事業計画との整合性を考える必要があると話す。
料金よりも重要な“あの基準”
Zoom、Teams、Webexを比較するときに、利用料金は第一の判断基準にはならない。「アップデート方針が、購入判断の基準として重みを増している」と、エドホルム氏とケリー氏は口をそろえる。特にこれらのWeb会議ツールはクラウドサービスとして提供されており、技術革新や機能アップデートが数週間ごとに実施されるなど、ペースが極めて速い。
エドホルム氏はWeb会議ツールを含むUCツールの技術革新の一例として、現場の従業員向けツールや仮想会議アシスタント、仮想現実(VR)、ビジネスプロセスbotといった技術を挙げる。「クラウドサービスという利用形態やアジャイル開発、コンピューティングパワーの向上が、サービスのイノベーションを促進する」と同氏は言う。実際に2020年以降、主要なWeb会議ツールにはバーチャル背景や音声テキスト変換といった新しい会議機能が毎週のように追加されている。
「企業は昔、電話システムを日用品として購入していた」とエドホルム氏は説明する。電話システムは必需品で、機能はどれも似たり寄ったりだったからだ。そのため価格は重要な購入要因だった。今では購入決定のプロセスや購入を判断する要因は全く異なっている。「電話システムは、ビジネスを変革するツールセットという位置付けになった」(同氏)
併せて読みたいお薦め記事
Web会議ツールのアップデート
- 「Google Meet」がZoomとの競争に出遅れた理由 「Gmail」成功が足かせに?
- 「Teams」のWeb会議で9人同時表示が可能に それでもZoomを脅かせない理由
- Zoom会議中に少人数で話せる「ブレークアウトルーム」はTeamsでも使える?
「Cisco Webex」「Zoom」「Microsoft Teams」のどれを選ぶか
ベンダーの事業内容にも注目
今後の技術革新やサービスのロードマップに加え、ベンダーが強みを発揮するUC以外の関連事業も、ユーザー企業は購入判断の参考にできる可能性がある。
例えばMicrosoftはオフィススイートや「Microsoft Azure」を中心としたインフラのクラウドサービスといった事業に強みを持つ。これに対してCiscoが強みを持つ関連事業には、ネットワークインフラやコンタクトセンター、IoT(モノのインターネット)、データセンター、テレフォニーなどがある。エドホルム氏はZoomについて「エンドユーザーの規模という点で、素晴らしい強みを持っている」と述べる。Zoomを使ったWeb会議の1日当たり参加者数は数億人に上る。
ユーザー企業はZoomとTeams、Webexのいずれかを選んで大規模に展開する場合、それぞれのベンダーが注力する関連事業の分野の中でも、どの分野が自社にとって重要かを判断する必要がある。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー