「AppleのiOSをプライバシー保護で追撃」と専門家
Android 11の「仕事とプライベートをより厳密に分ける機能」とは?
Googleがリリースした「Android 11」は仕事用データと個人用データの分離を強化するなど、データ保護機能を充実させた。専門家にAndroid 11の見どころと課題を聞く。
Googleは同社のモバイルOS「Android 11」で、スマートフォンの個人用データと仕事用データを分ける機能を強化した。企業と従業員がデータを保護するための機能拡充を図った形だ。
仕事と私用の両方にスマートフォンを使うことが一般的になり、仕事のデータと個人のデータを分離する必要性が高まっている。企業は従業員のスマートフォンからの情報漏えいを防ぐ必要がある。従業員はスマートフォンの個人データを会社に見られたくない。Android 11はこうした要望に応えて仕事用タスクと個人用タスクを分離する機能を強化するとともに、IT管理者が制御できる項目に改良を加えた。
フリーランスアナリストのエリック・クライン氏によると、Android 11は「革新的なアップデートではない」。ただし新しいデータ制御機能は「プライバシー保護機能に力を入れているAppleを追撃する助けになる」とクライン氏はみる。「Appleはプライバシー保護分野で大きく前進し、市場をリードし続けている。Androidは出遅れたが、今は遅れを取り戻しつつある」(同氏)
「仕事」と「個人」をより厳密に分けるAndroid 11の機能
Androidは「Android 5.0 Lollipop」から、デバイス内のアプリケーションやデータを仕事用と個人用で分けて管理できるようにする「仕事用プロファイル」を提供している。最新バージョンのAndroid 11は仕事用プロファイルを強化し、できることを増やした。例えばファイルの共有時や設定の変更時に、仕事用タブと個人用タブを表示するようになった。仕事用プロファイルは就業時間後に一時停止でき、一時停止中は仕事の連絡が来ないようにすることができる。
GoogleはAndroid 11で仕事用プロファイルを強化し、IT部門による会社所有デバイスの制御を容易にするだけではなく、従業員によるプライバシー保護をしやすくした。例えばIT部門が仕事用アプリケーションに位置情報へのアクセス権限を付与すると、エンドユーザーに通知が届くようにした。
Android 11は、個人用アプリケーションの権限を細かく制御できるようにしている。エンドユーザーはプリケーションに対して、マイク、カメラ、位置情報などの機能へのアクセスを1回のみ許可するように設定できる。この場合、アプリケーションが次にこれらの機能を使用するには、再び権限をリクエストして許可を受けなければならない。アプリケーションをしばらく使用しないでいると、この権限は自動的にリセットされる。これにより、特定の機能へのアクセスをアプリケーションに引き続き許可するかどうか選択できる。
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カスタマイズ性に改善の余地
エンドユーザーが追加を望んでいる未実装の制御機能は、まだあるようだ。Googleのスマートフォン「Pixel 4 XL」を利用しているソフトウェアエンジニアのスティーブン・ルー氏は「アプリケーションのインターネットアクセスを制限する機能が欲しい」と話す。その機能があれば、不正アプリケーションがひそかにマルウェアをダウンロードするのを防ぐことができるという。「疑わしいアプリケーションが勝手に通信するのを阻止できるようにしてほしい」(ルー氏)
ルー氏は「GoogleがAndroid 11であまりカスタマイズ機能を追加しなかったのは残念だ」と述べ、変更できないスワイプジェスチャーがあることを指摘する。例えば画面の右下隅または左下隅から斜め上にスワイプするジェスチャーは、音声アシスタントの「Google Assistant」(Googleアシスタント)を起動する用途に固定されている。
「カスタマイズ性はAndroidの大きな長所なのに、Androidはそこから離れていこうとしている」とルー氏は危惧する。これに対してAppleの「iOS」は、ウィジェットを中心に豊富なカスタマイズ機能を提供し始めている。
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