iPhone、Androidスマホでの“無秩序”な印刷は、なぜ危険なのかEMMの今後やGDPR対策にも注目(1/2 ページ)

「エンタープライズモビリティー管理」(EMM)システムを使い、モバイルデバイスで扱うデータを管理している企業は少なくない。だがそのデータを紙に印刷する際の管理は見落とされがちだ。

2018年05月11日 05時00分 公開
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 紙への印刷を必要とする業務は、今もまだ多い。モバイルデバイスの印刷機能も、こうした需要に応えて進化している。

 Cortado Holding傘下の印刷ソフトウェアベンダー、ThinPrintが販売する「ThinPrint Mobile Print」は、企業が現在使用しているエンタープライズモビリティー管理(EMM)システムと連携して、Appleの「iOS」やGoogleの「Android」を搭載するモバイルデバイスでの印刷を管理する。

 同じCortado Holdingグループ内には、EMMソフトウェア「Cortado Server」を販売するCortado Mobile Solutionsもある。同社米国法人のCEOを務めるヘニング・ボルクマー氏によると、既存の他社製EMMに追加するアドオンとして、ThinPrint製品を購入するユーザー企業は少なくないという。

 モバイルデバイスの印刷技術に関する最新動向やEMM市場の今後、企業の印刷戦略における欧州連合(EU)の「一般データ保護規則」(GDPR)対策について、ボルクマー氏に話を聞いた。

―― そもそもモバイルデバイスで印刷する必要はあるのか。電子署名ベンダーDocuSignの同名ツールなどを利用し、ペーパーレスのドキュメント処理体制を構築すべきなのではないか。

へニング・ボルクマー氏 DocuSignは私も好きだが、どうしても紙を必要とする業務はたくさんある。社外との取引や、ITに慣れていない人とのやりとりでは、紙を介する方が安心な場合も少なくない。

 モバイルデバイスでの印刷を可能にすることには、大きな利点がある。10年先も同じ状況だとは限らないが、現時点ではこの種の機能を求める声は多い。

―― モバイルデバイスでの印刷を容易にする最新技術には、どのようなものがあるのか。

ボルクマー氏 「Googleクラウドプリント」やAppleの「AirPrint」が代表例だ。今後は、ほとんどのプリンタに同様の機能が組み込まれるだろう。ただし社内LANにこうした機能を持ち込むと“無秩序状態”になってしまう。

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