EMMの今後やGDPR対策にも注目
iPhone、Androidスマホでの“無秩序”な印刷は、なぜ危険なのか(1/2 ページ)
「エンタープライズモビリティー管理」(EMM)システムを使い、モバイルデバイスで扱うデータを管理している企業は少なくない。だがそのデータを紙に印刷する際の管理は見落とされがちだ。
紙への印刷を必要とする業務は、今もまだ多い。モバイルデバイスの印刷機能も、こうした需要に応えて進化している。
Cortado Holding傘下の印刷ソフトウェアベンダー、ThinPrintが販売する「ThinPrint Mobile Print」は、企業が現在使用しているエンタープライズモビリティー管理(EMM)システムと連携して、Appleの「iOS」やGoogleの「Android」を搭載するモバイルデバイスでの印刷を管理する。
同じCortado Holdingグループ内には、EMMソフトウェア「Cortado Server」を販売するCortado Mobile Solutionsもある。同社米国法人のCEOを務めるヘニング・ボルクマー氏によると、既存の他社製EMMに追加するアドオンとして、ThinPrint製品を購入するユーザー企業は少なくないという。
モバイルデバイスの印刷技術に関する最新動向やEMM市場の今後、企業の印刷戦略における欧州連合(EU)の「一般データ保護規則」(GDPR)対策について、ボルクマー氏に話を聞いた。
―― そもそもモバイルデバイスで印刷する必要はあるのか。電子署名ベンダーDocuSignの同名ツールなどを利用し、ペーパーレスのドキュメント処理体制を構築すべきなのではないか。
へニング・ボルクマー氏 DocuSignは私も好きだが、どうしても紙を必要とする業務はたくさんある。社外との取引や、ITに慣れていない人とのやりとりでは、紙を介する方が安心な場合も少なくない。
モバイルデバイスでの印刷を可能にすることには、大きな利点がある。10年先も同じ状況だとは限らないが、現時点ではこの種の機能を求める声は多い。
―― モバイルデバイスでの印刷を容易にする最新技術には、どのようなものがあるのか。
ボルクマー氏 「Googleクラウドプリント」やAppleの「AirPrint」が代表例だ。今後は、ほとんどのプリンタに同様の機能が組み込まれるだろう。ただし社内LANにこうした機能を持ち込むと“無秩序状態”になってしまう。
モバイルデバイスを社内LANにつなぐことさえできれば、誰でも何でも印刷できてしまう可能性がある。そこで私たちは、モバイルデバイスで何をどのように印刷できるかを安全に管理できる手段を提供したいと考えた。管理者が「iPhone」などのスマートフォンの設定用プロファイルを利用し、エンドユーザーごとに使用可能なプリンタを指定する、といった具合だ。ここで指定されたプリンタが、会社から割り当てられたプリンタを示すことになる。
―― CortadoのEMM製品は他社製品とどこが違うのか。
ボルクマー氏 まだ「BlackBerry」が人気だった頃から、当社は生産性に重点を置き、ファイルアクセスやファイル共有といった機能を自社製品に実装してきた。iPhoneの登場でモバイル関連市場の方向性は一変し、セキュリティに重点が置かれるようになった。市場の競争は激化し、私たちはその戦いには勝てなかった。
当社のEMM製品「Cortado Server」のシンプルさを評価するモバイルデバイス管理者は、確実に存在する。ファイル共有機能やコラボレーション機能に加えて好まれているのが、オンプレミスアプリケーションとの連携の容易さだ。
いくらクラウドの人気が高まっても、あらゆるアプリケーションがSalesforce.comの「Sales Cloud」のようになるわけではない。例えば規制の厳しい組織や、機密情報を多く保有する組織では、データをなるべく外に出さないアプローチが好まれる。
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