モバイルデバイス管理(MDM)ベンダー各社は、より包括的な「エンタープライズモビリティー管理」(EMM)へと事業をシフトさせている。主要なEMM製品の特徴を把握しておこう。
「モバイルデバイス管理」(MDM)市場は、より包括的で、セキュリティがより大きな役割を果たす「エンタープライズモビリティー管理」(EMM)市場と融合してきた。企業はセキュリティ関連ニーズのためにEMM製品を評価する際、モビリティー市場が絶えず変化していることを考慮する必要がある。一方EMMベンダー側は、モバイル業界が常に流動的ではあることを意識しながらも、EMMに対するこれまでの一般的な認識に沿って、顧客に対してセキュリティ面で充実した機能を提供する責任がある。
このことを踏まえ、われわれは本稿で、EMMのセキュリティの側面と、企業の導入判断を左右する主要な機能や特徴に焦点を当てる。市場で提供されている幅広いEMM製品を検討するに当たっては、企業は個別の製品について、ライセンス方式、利用モデル、セキュリティ機能を把握しなければならない。
以下では、MDM機能を提供するEMMベンダー6社の製品を見ていく。企業が各ベンダーの製品について、自社のニーズにどれだけ合うかを理解する助けになることを目指した。紹介するのは、以下の6製品だ。
AirWatchはEMM市場のリーダーの1社だ。着々と新機能を追加し、EMMの可能性を広げている。
VMwareに買収された後、AirWatchは企業市場におけるVMwareの高いシェアを生かして顧客を増やし、経営を安定させた。AirWatch製品が「VMware AirWatch」としてVMwareの製品ラインに加わった後、提供が始まったのがデジタルワークスペース製品群「VMware Workspace ONE」だ。この製品群は、デバイスの種類によらずアプリケーションへの安全なアクセスを可能にするための、独立した複数のワークスペースを提供する。
VMware AirWatchは、各アプリケーションの企業内インフラへの安全な接続を実現する機能「VMware Tunnel」を備える。これは企業サイト内のデータに、セキュリティを損なうことなくアクセスする必要があるビジネスアプリケーションを使用する場合に便利だ。
導入形態はSaaS(Software as a Service)とオンプレミス、あるいはこの両方を組み合わせたハイブリッドの中から選択できる。顧客の業種や企業規模に応じて、さまざまなエディションやオプションを提供する。
VMware AirWatchはその他、BYOD(私物デバイスの業務利用)の採用企業で私物デバイスを利用するエンドユーザーが、自分のデバイス内で個人データとビジネスデータを分離するための機能「AirWatch Container」、きめ細かい制御が可能なセキュアブラウザ「VMware Browser」などを備える。リモート消去やOS管理などの一般的なMDM機能に加え、メールや他のアプリケーションの管理機能も利用できる。
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